インタビュー・レポート

第2のデビュー作にして集大成と堤 幸彦監督が語る映画『人魚の眠る家』

地道な取材で得た知識・情報、そして知った母親の強い気持ち

「撮影に入る前に、脳症のお子さんのところに通わせていただいて、お母さんがどのように向き合っていらっしゃるかを取材させていただいたんです。そのときに、訪問看護のこととか医療体制、要するに地域ぐるみでその子を守っているんだということも初めてよくわかりましたし、様々な機器のセッティングのことも全部教えていただきました。旦那さんの向き合い方も含めて、いろいろな提案、建設的な意見もいただいて。また、母親の強い気持ちというものを学べて、本当にこの作品に関わってよかったなと思っています」

篠原涼子さんや松坂慶子さんも、そのお子さんに会ったり、介護練習をするなどの準備を行い、堤監督はさらに取材を重ね、「西島(秀俊)さん演ずる二世社長のあり方が、微妙に妻の薫子(篠原涼子)との付き合いに影響してるかなと思いまして」と知り合いの二世社長に会いに行って取締役会の乗り切り方なども聞き、「とにかく地道に準備をすることでしか、(この作品の製作は)乗り切れないだろうと思って、半年以上ずっと考えていました」。


脳症のお子さんを訪ねた際に手を握り、「温かさと鼓動の強さに、お母さんはこの子を守ろうって思うだろうと実感しました」と堤監督。

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