インタビュー・レポート

今井美樹さん「ロンドン生活は、すべてをリスタートすることから始まりました」

澄み渡る青が美しいロンドンの空澄み渡る青が美しいロンドンの空。こちらに住んでから、よく見上げるようになったという。
今井美樹オフィシャルサイトwww.imai-miki.netより

いま、暮らしは穏やかに流れている。

「ご近所づきあいのある、親しみやすいエリアに暮らしているので気持ちは穏やかでいられます。ホームパーティに招いたり、招かれたり。でもデリのものを持ち寄ったりもするから、主婦がひとりキッチンで忙しくしているということはない。奥様がたも必ず一緒に楽しむ。それがホームパーティですね。大人の時間を楽しむ文化がある」

ときには「地下鉄やバスに乗って」、都心のデパートや美術館に出かけていく。これまでなかなか持てなかった、ゆったりとした時間だ。東京では「時間に追われ、仕事柄、むしろエッジのきいた刺激を求めていました」という今井さん。

「1番の変化は、自然に対してとても敏感になったことですね。冬が過ぎて、緑が芽吹き始めたり、四季が移り変わっていく様子が本当に美しく感じられる。心と体が深呼吸しているのがわかるんです。庭の花の芽が出た、つぼみがふくらんできたと、1つ1つに心がふるえる。とてもせつなく、愛おしい」

みずみずしい感性を感じさせる言葉に、日々の充実ぶりが見てとれる。

「自然というサイクルを知ると、人はさまざまなものと支え合いながら生かされているのだと気づかされますね。あのとき、彼の夢に乗って、思いきってリスタートしてよかったと思います」

6月に、20枚目となるオリジナル・アルバム『Sky』をリリース。変わらぬ透明感あふれる歌声が紡ぎ出す楽曲は、やさしく清らかな余韻に満ちている。すべてのレコーディングを終えたとき「楽曲がロンドンの日常で見上げてきたさまざまな空がベースになっていることに気づき」、タイトルを『Sky』とつけた。

「自然の豊かさに包まれながら、私はいつも空を見上げていた。ロンドンの空って、朝から夕と1日中、ドラマティックに変化する。その美しさを作詞家のかたたちに伝えたくて、たくさん話したからかもしれません。私自身も、空から見下ろす世界に思いを馳せ『Beyond the World』という詞を書きました。2017年の私が、あの曲に生きています」

そしてあらためて「空は地球のどの国の上にも広がっている」と感じたと話す。

「いま世界中で自然災害が多くなっていますし、いろいろと悲しい事件も起こる。ヨーロッパで暮らしていると民族間の内紛なども身近にありますし、心が痛むことばかりです。でも空だけは、どんな人にとっても大きな癒やしなのではないかと。すべての人を包み込んでくれる存在だと思えます。あおぎながら、同じ空の下で、東京でひとりで暮らしている私の母のことも思います」

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