インタビュー・レポート

フェンシング男子エペ団体の4人が凛々しい袴姿に! 金メダル「決まった瞬間は全員夢心地」

“東京2020メダリスト”がまとう正月きもの 第3回(全5回)  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で、世界中を沸かせたメダリストたちが、競技ウェアから晴れやかなきものに着替えてご登場。栄冠に輝くまでの道程や思い、周囲への感謝、これからの夢を語ります。前回の記事はこちら>>

フェンシング(エペ団体)
宇山賢さん、見延和靖さん、加納虹輝さん、山田優さん

フェンシング エペ団体

「夢の舞台で戦って得たのは“やりきった”という達成感」(宇山さん)

宇山賢さん

宇山 賢(うやま・さとる)
1991年香川県生まれ。中学時代にフェンシングを始め、高校時代にエペに転向。大学在学中に全日本学生選手権3連覇を達成。2015年、16年W杯準優勝。東京2020オリンピックでは交替選手として登録されていたが、初戦から出場、勝利に貢献した。21年10月に現役引退を表明。

「歴史的幕開けの金メダル。この経験を次世代につないでいきたい」(見延さん)

見延和靖さん

見延和靖(みのべ・かずやす)
1987年福井県生まれ。高校時代にフェンシングを始める。大学入学後、エペに専念し主要学生大会で優勝。2015年W杯で日本男子エペ個人初優勝を果たす。16年リオオリンピックで個人戦6位入賞。18-19シーズンに世界ランキング1位獲得、日本フェンシング界史上初の年間王者に輝く。

「現実に思えなかった勝利。これからもチャレンジャーの気持ちで」(加納さん)

加納虹輝さん

加納虹輝(かのう・こうき)
1997年愛知県生まれ。2008年北京オリンピックのフェンシングをテレビで観戦し、感動したのがきっかけで小学6年生でフルーレを始める。高校時代に出場したエペの大会で優勝し、エペに転向。フットワークと素早い剣さばきを強みとし、団体戦ではアンカーを任されることも多い。

「泣けなかった表彰台。本当に強いことをパリで証明したい」(山田さん)

山田 優さん

山田 優(やまだ・まさる)
1994年三重県生まれ。小学2年生でフェンシングのフルーレを始め、中学生の時にエペに転向。2014年の世界ジュニア選手権でエペの日本勢で初優勝。19年アジア選手権優勝、20-21シーズンに世界ランキング1位獲得。長い腕を生かし剣先を巧みにしならせる「振り込み」を得意とする。

日本フェンシング界初の金メダルという金字塔を打ち立てた男子エペ団体のみなさんは、年齢も出身もプレースタイルも性格も、四者四様です。

競技を始めたきっかけも、「フェンシング選手だった父のすすめ」(見延和靖さん)、「フェンシングをしていた兄に半ば強引に引き入れられた」(宇山 賢さん)という二人はまだ近いとして、「太田雄貴元フェンシング協会会長が北京オリンピック準決勝で戦う姿を観て、こんなに格好いいスポーツがあるのかと思った」(加納虹輝さん)というドラマチックな話もあれば、「近所のいじめっ子に何か一つ勝ちたいと思ったのと、喘息持ちでもクラブに入れてくれたから」(山田 優さん)というような理由もあります。

「決まった瞬間は全員夢心地」

金メダル獲得についてのコメントもそれぞれで、「翌朝まで実感が湧かなかった」と加納さんがいえば、山田さんは「自分が未熟で泣けなかった。パリ五輪で連覇して、個人でもメダルを取って、子どもが自慢できるお父さんになりたい」とチームで唯一のパパらしい発言。大会後に現役を引退した宇山さんは、「悔いはないと思った」といい、見延さんはキャプテンらしく「次の世代につないでいきたい」と話します。

そんな4人に間違いなく共通するのは、数々の世界大会をともに戦ってきた仲間であると同時に、個人戦ではライバル関係にある仲間へのリスペクトと、日本にもっとフェンシングを広めたいという思い。それは「これからはフェンシングの普及活動に携わりたい」と話す宇山さんも同じです。

そしてもう一つ、今回判明した共通点が、きもの姿が凜々しく、絵になること。日本のフェンシング界を牽引する四銃士に、これからもご注目を。

宇山賢さん

189センチと高身長ゆえ合うきものがないという宇山さん。上品な銀鼠色の御召きものに薄青鼠色の袴を合わせた粋なスタイルが、精悍な佇まいによくお似合いです。紺地の羽織はクロコダイル調の文様が個性的。

見延和靖さん

“サムライ”の風情漂う見延さんが着ている縮緬地のきものは、戦う剣士にふさわしく、戦国武将が好んだ赤みのある檜皮(ひわだ)色。縞の地紋が入った焦げ茶の御召の羽織に、丁子茶の紬地の袴と合わせ風格を漂わせて。

加納虹輝さん

きものデビューの加納さん。人生初とは思えない堂々とした着こなしです。風通御召の銀鼠色のきものに墨色地の御召の羽織。仙台平の重要無形文化財保持者、甲田綏郎(よしお)さんの黒色地袴を合わせ凜々しい装いに。

山田 優さん

小学生時代、日本舞踊を習っていた山田さんはきもの姿が板についています。表面にシボを織り出した白鷹御召きものに丁子(ちょうじ)色の縞袴。紬地の焦げ茶の無地の羽織できりっとした印象に仕上げています。

きもの、帯、羽織、袴一式/銀座もとじ 男のきもの 扇子/井澤屋 履物/銀座ぜん屋本店
ヘア&メイク/Eita〈Iris〉(山田さん、加納さん、見延さん) 徳田郁子(宇山さん) 着付け/伊藤和子

撮影/鍋島徳恭 きものコーディネート/相澤慶子 取材・文/清水千佳子

『家庭画報』2022年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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