日日是笑日
2022/03/25
日日是“笑”日(にちにちこれしょうじつ) 女優の柴田理恵さんが綴るきもの日記。きもののリメイク術から、愛犬との心温まる暮らし、得意の料理など、笑顔あふれる日常をお送りします。記事一覧はこちら>>
日本の各地から待ち焦がれていた桜の便りが届きはじめました。春爛漫の陽気で、まさにきもの日和ですね。こちらの連載はいったん終了しましたが、私のきものリメイクはとどまるところを知らず! 最近お気にりのきものリメイクを紹介させていただきます。
こちらは、テレビ番組出演の楽屋前のワンショット。今年の2月に『徹子の部屋』(テレビ朝日系列)に出演した際の着こなしです。番組の中でも、私の「もったいない精神」から生まれるリメイクの楽しさを伝えさせていただき、黒柳徹子さんにもリメイクきものを随分と褒めていただきました。オホホホホ……。
昨年の秋には『趣味どきっ!』(NHK)でも、きもののリメイク企画に呼んでいただき、今や目指すはリメイクの伝道師! きものを誂えることは、どんな時代でもちょっぴり贅沢なこと。それぞれの世代の女性たちが思いを込めて仕立てたアイテムが、縁あって私の手元に届いたものは、小さな端裂でさえも無駄にしたくありません。譲られたきものの扱いを、どうすべきか迷っている方たちにとって、私のリメイク・アイディアが少しでもお役に立てたらと思っています。
番組に出演した際のきものは、上前に祖母の黒字の小格子柄を、下前には祖父の茶地の横段模様を用いて、片身替わりに仕立てた“夫婦(めおと)御召”。帯は、伯母の花嫁衣装だった振袖の優雅な袖の部分をリメイク。きりりとしたメンズライクな御召を、扇面に御所車や吉祥文様を散らした意匠が王朝の物語を感じさせます。
「きものや帯にハサミを入れるなんて、もったいない」と思われるかもしれませんが、それらが箪笥の肥やしになるほうが「もったいない!」というのが私のセオリー。余った裂をどんなものに活用しようかと、想像するのも一興です。
大正から昭和初期にかけての華やぎが色濃く表れた典雅な文様。
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