希林さんのアイディアで日取りを決めた本木雅弘さんとの結婚　内田也哉子の「衣（きぬ）だより」

お出かけの億劫が喜びに変わる手機の結城紬の優しさ 粒子の細かな雨は「糸雨」、夏の夕立は「白雨」、七夕に降る雨は「洒涙雨」……。先人がつけた奥ゆかしい雨の呼び名に思いを馳せる午後。淑やかに降り続く「女梅雨」のお出かけには、雨の憂鬱を明るく照らす生成り色の結城紬で。帯に詠まれたのは、百人一首より「淡路島かよふ千鳥の鳴く声に幾夜寝覚めぬ須磨の関守」。ふとした瞬間に家族の記憶を手繰り寄せる思いが、和歌と重なるようです。