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きものの文様【松(まつ)】平安時代から伝わる、いわずと知れた吉祥文様の代表格

2020.06.30

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きものの文様 きものに施された美しい「文様」。そこからは、季節の移ろいを敏感に取り入れてきた日本人の感性や、古来の社会のしきたりを読み解くことができます。夏の文様を中心に、通年楽しめるものや格の高い文様まで、きもの好きなら一度は見たことのある文様のいわれやコーディネート例を、短期集中連載で毎日お届けします。記事一覧はこちら

今日の文様30
松(まつ)




古代中国では、風雪に耐えながら1年中緑色を保つ松は、長寿の象徴とされました。また、理想郷である蓬来山(ほうらいさん。東方の海中にあり、不老不死の仙人が住み、俗人は近づけないとされる)に生えると考えられたため、吉祥文様でもあります。


日本でもめでたい木として、正月には門松を立てて年神様(としがみさま)を迎える習わしがあります。通年葉の色が変わらないことから、常盤木(ときわぎ)とも呼ばれ、松の葉の色を「常盤色(ときわいろ)」といいます。

こうした松を用いた意匠が使われるようになったのは平安時代からで、江戸時代になって衣服などの意匠が多様化したことにより、現代にも受け継がれている多彩な松文様が生まれました。

根引き松(ねびきまつ)




新春に使いたい文様のひとつ。京都では正月になると、根のついた若松を半紙で包み、紅白の水引で結んだ「根曳(ねびき)の松」を門口に飾ります。これは、正月初の子(ね)の日に摘み取った若菜を食べ、無病息災を願う平安時代の行事に由来するといわれます。若菜とともに長寿を祈るために小松(若松)を引くのが習わしで、「子の日の遊び」「小松引き」ともいわれました。

若松(わかまつ)



お祝いの席に
健康と長寿を願う若松の枝を図案化した塩瀬の帯。松葉を友禅で、松の芽を金糸で刺繍しているため、控えめながらも品格のある仕上がり。無地感覚のきものと組み合わせることで、松文様がより引き立ちます。


芽生えて間もない松の姿を表現したもので、枝先に新芽がついているのが特徴。平安時代の正月行事「子(ね)の日の遊び」に由来するとされます。新鮮で若々しい若松は、新春を祝うのにふさわしいものとされ、若松だけを使ったり、ほかの吉祥文様と組み合わせて、振袖や留袖、袋帯などの文様によく使われます。

扇面松(せんめんまつ)




扇面の形は、末が広がることから吉兆の意味になぞらえ、縁起のよい文様とされています。松の葉で扇面の形を表現したのがこの文様です。めでたさがより強調されるだけでなく、幾何学的なデザインのおもしろさも魅力です。

枝松(えだまつ)




力強い松の枝を印象的に描いた文様です。松は千年の寿命があるとされることから、長寿の祝いをはじめ、各種めでたい席に季節を問わず使うことができます。

【向く季節】
通年、冬、正月


「#きものの文様」記事一覧はこちら

きものの文様

今回ご紹介した文様を含め、300以上もの文様を掲載。文様の歴史や意味が豊富な写真によってよくわかり、体系的に勉強することができます。きものを着る場合判断に迷う格と季節が表示され、こんな場所にお出かけできます、とのコーディネート例も紹介しています。見ているだけで楽しく役に立つ1冊。
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