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きものの文様【唐草(からくさ)】ギリシャの文様パルメットから発展したといわれる植物文様

2020.06.28

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きものの文様 きものに施された美しい「文様」。そこからは、季節の移ろいを敏感に取り入れてきた日本人の感性や、古来の社会のしきたりを読み解くことができます。夏の文様を中心に、通年楽しめるものや格の高い文様まで、きもの好きなら一度は見たことのある文様のいわれやコーディネート例を、短期集中連載で毎日お届けします。記事一覧はこちら

今日の文様28
唐草(からくさ)



菊唐草文様を唐織で表現した重厚な袋帯。振袖や留袖に。

蔓(つる)草がからみあって曲線を描いていく文様で、草だけでなく花や果実をあしらったものもあります。この文様はもとは遠くギリシャやローマの連続文様パルメット(棕櫚〈しゅろ〉の葉をモチーフに考案された唐草文様)から発展したとの説もあります。


日本には中国を経て、古墳時代に渡来。地を這うように伸びる蔓性の唐草は、強い生命力を発揮するとして尊ばれ、やがて松や菊、梅など蔓を持たない植物にもアレンジされ、発展してきました。

唐草文(からくさもん)




もっともオーソドックスな唐草文様といえば、一般的に風呂敷の柄で知られる蔓性の唐草です。写真は織り帯ですが、伝統柄をモダンにアレンジしたもので、シンプルな意匠は無地感覚のきものによく調和します。

菊唐草(きくからくさ)




菊を中心に唐草を組み合わせた文様です。鎌倉時代の工芸品や、その後の能装束や名物裂(めいぶつぎれ。記事はこちら)にも見られます。江戸時代以降は、藍型染めの木綿地にも使われ、普段着のきものや布団地などにも用いられました。木綿地に染めると、庶民的な中にも華やぎが感じられます。現在はきものや帯のほか、写真のような色無地の地紋にもなっています。

瑞鳥唐草(ずいちょうからくさ)



初釜に
瑞鳥に唐草をあしらった格調のある袋帯は、慶事にふさわしい文様です。淡い地色の控えめな付下げを黒地の帯で引き締めています。


瑞鳥とは鳳凰(ほうおう)のことです。中国の伝説では、鳳凰は天下太平のときに現れるめでたい鳥とされてます。日本でも飛鳥時代から文様に使われはじめましたが、この文様は鳳凰と唐草を組み合わせた吉祥文様のひとつです。

【向く季節】
通年


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きものの文様

今回ご紹介した文様を含め、300以上もの文様を掲載。文様の歴史や意味が豊富な写真によってよくわかり、体系的に勉強することができます。きものを着る場合判断に迷う格と季節が表示され、こんな場所にお出かけできます、とのコーディネート例も紹介しています。見ているだけで楽しく役に立つ1冊。
書籍きものの文様
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