きものダイアリー

三浦璃来さん&木原龍一さん──りくりゅうが着こなす、夏のゆかた遊び

2026.07.30

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好みのゆかたを朝夕で取り替え、洋服とは違う着こなしを楽しむ夏ならではの特別な一日を。江戸ゆかたらしい洒脱な文様から、2反の柄合わせにもこだわったオリジナルの片身替わりまで。フィギュアスケート・ペアの三浦璃来さん・木原龍一さんが自由に、軽やかにまといます。


海景色に映える涼やかな白地のゆかた

海景色に映える涼やかな白地のゆかた

〈三浦さん〉透け感のある綿絽生地に描かれた淡彩の紫陽花模様。爽やかな色合いの名古屋帯と唐組の帯締めを合わせ、気軽に出かけられる一揃いに。ゆかた6万8200円(反物価格) 帯13万2000円/ともにきもの百科イトカワ 帯揚げ/和小物さくら 帯締め/道明 〈木原さん〉ゆかた特有の染織技法である「注染」で染めたポップなアルファベット。刷毛目紬のゆかた地から仕立てた帯と合わせ、遊び心を感じさせます。ゆかた5万5000円(反物価格) 帯2万7500円/ともに三勝

2種の帯で可愛らしく装う伝統柄のふくら雀

2種の帯で可愛らしく装う伝統柄のふくら雀

寒さに羽を膨らませる「ふくら雀」は、日本古来の吉祥文様。豊かさの象徴として、季節を問わず好まれます。伸縮性があり簡単に締められる兵児帯(へこおび)と、七宝文様の半幅帯の組み合わせが華やかさをプラス。友人を招くガーデンパーティをはじめ、シーンに合わせた帯結びを楽しんで。ゆかた5万6100円(反物価格)/銀座もとじ和染 兵児帯7万3700円 半幅帯3万6300円/すべて竺仙

遠目にも間近にも楽しい洒脱な国芳模様

遠目にも間近にも楽しい洒脱な国芳模様

山東京伝の読み本のヒーローで、歌川国芳の錦絵にも登場する「野晒悟助(のざらしごすけ)」が絵の中でまとっているきものから着想を得たゆかた。よく見ると、木綿の刷毛目紬に、無数の白猫が集まって髑どくろ髏を描いています。江戸後期の天才浮世絵師であり、無類の猫好きといわれた国芳らしいデザイン。ゆかた地のうちわを片手に、いなせな伊達男を気取って。ゆかた13万2000円(反物価格) 麻帯3万8500円 うちわ/すべて三勝 下駄/大和屋履物店

柄合わせで粋にまとう「片輪車に流水」の判じ物

柄合わせで粋にまとう「片輪車に流水」の判じ物

平安時代、貴族が乗る牛車の車輪は、乾燥によるひび割れから守るため川に浸して手入れされていました。吉祥文様としても描かれるこの「車輪と水」という風景を、あえて2反の柄合わせで表現した片身替わりです。「よい」と思ったものは時代を問わず何でも取り入れる─そんな江戸の洒落心と勢いが漂います。ゆかた13万9700円(仕立て上がり価格) 帯5万5000円/ともに竺仙

淡藍地を伸びやかに飛ぶ縁起のよいトンボ

淡藍地を伸びやかに飛ぶ縁起のよいトンボ

紬糸を水縹(みずはなだ)色のまだらに染め、「抜染(ばっせん)」で色を抜いて白のトンボを染め出した珍しい逸品。麻地ぼかしの半幅帯を文庫結びに結い、若々しく夕涼みに。半衿をつけて名古屋帯で装えば、楚々とした着こなしも。汎用性の高い上品なゆかたです。ゆかた11万円(反物価格) 帯2万7500円/ともに三勝 髪飾り/かづら清老舗 団扇/池田含香堂 下駄/大和屋履物店 バッグ/井澤屋

江戸っ子の粋を感じさせる蕎麦と千鳥のデザイン

江戸っ子の粋を感じさせる蕎麦と千鳥のデザイン

〈三浦さん〉部屋に差し込む西日に、綿絽の白地ゆかたが美しく透けて。藍でさっぱりと染めた「波千鳥」は江戸時代から続く伝統柄。半幅帯を腰高に締めるとスタイリッシュな装いに。ゆかた6万8200円(反物価格) 帯3万800円/ともに竺仙 〈木原さん〉格子状に折り込んだ綿糸が独特の表情を見せる「綿紅梅」の生地。大きく染めた猪口とざるは隠れてしまいましたが、縦縞で表した“蕎麦”が着姿を凜々しく見せてくれます。ゆかた4万9500円(反物価格)/小倉染色図案工房 帯1万9800円/銀座もとじ 男のきもの

夏の一日を彩る片身替わりの贅沢ゆかた

夏の一日を彩る片身替わりの贅沢ゆかた

〈三浦さん〉上前は水中をたゆたう金魚、そして下前には紺地に大小の水玉が浮かぶ夏らしい一枚。残りの反物でもう一着作り、仲よしとお揃いで着るのも片身替わりならではの贅沢な楽しみです。ゆかた13万900円(仕立て上がり価格)兵児帯7万3700円 麻半幅帯3万800円/すべて竺仙下駄/銀座ぜん屋本店 〈木原さん〉地色違いに東京のビル群を染めた2反を組み合わせて。現代的な意匠と色のコントラストが、都会の花火大会でも目を引きます。ゆかた15万1800円(仕立て上がり価格)/竺仙 帯3万8500円/三勝 下駄/銀座ぜん屋本店

手を取り合い、砂浜を跳びはねるように駆ける二人。氷上で見せる凜とした佇まいからは一転。お互いの新鮮なゆかた姿に、自然と笑みがこぼれます。

「アルファベットに金魚──きものはすべて“格式高いもの”と思っていましたが、こんなにも可愛らしくユニークな柄があるということを、今日はじめて知りました。生地と帯の色合わせによって、雰囲気がガラリと変わるところも素敵。ゆかたってお洒落ですね。とても楽しい時間でした」。三浦さんはこの日の撮影を笑顔で振り返ります。木原さんも「今日は5着も着付けていただき、本当に楽しかったです。プライベートでもまた着てみたいですし、今年の夏は優雅にゆかたで出かけるのもいいですね」と満喫したご様子です。

家庭画報1月号では晴れ着で石清水八幡宮にお参りし、4月に行われた園遊会での装いも大きな話題に。きもの姿の“りくりゅうペア”もすっかり板に付いてきました。「和装する機会はこれまでほとんどなかったのに、袖を通すとなぜか懐かしさを感じます」。三浦さんの言葉に静かにうなずく木原さん。「新鮮な気持ちで着つつ、やっぱり自分は日本人なんだなって実感する瞬間ですね。チャンスがあれば、海外のスケーターにも広めていきたいです」(木原さん)。


お気に入りの一枚を尋ねると、三浦さんは「波千鳥」、木原さんは「蕎麦」と、ともにすいかを食べているシーンで着用したものをチョイス。また「今年の夏、ゆかたを着て遊びに行くなら?」という質問には、声を揃えて「混んでない花火大会」との回答が。取材の受け答えも息ぴったりです。

7月31日からは二人がプロデュースするアイスショー『THE DESTINY』が開幕します。「これまでにない“ペア中心”のショー。どんなことをしようかと考える時間も楽しんでいます」と声を弾ませる三浦さんに、「国際規格のリンクで、スピードと迫力を存分に感じていただければ」と木原さんも気合十分。プロとしての新たな舞台、そしてまもなくはじまる、ペア競技の魅力を幅広い世代に伝えるお二人の活動に、目が離せません。

・ゆかたの詳細解説はこちら→
Ryuichi Kihara
木原龍一
1992年8月22日、愛知県生まれ。中京大学卒業。2013年男子シングルからペア転向。19年にペアを結成した三浦選手と歴史を塗り替え続け、4度目の五輪となるミラノ・コルティナ五輪は日本にペア初、歓喜の金メダルをもたらした。26年4月、競技引退を表明。

Riku Miura
三浦璃来
2001年12月17日、兵庫県生まれ。中京大学卒業。女子シングルから15年にペア転向。22年北京五輪で日本ペア史上初となる7位入賞。ミラノ・コルティナ五輪のSP5位からの劇的な金メダルで“りくりゅう”旋風、日本を席巻中。2026年4月、競技引退を表明。

この記事の掲載号

『家庭画報』2026年08月号

家庭画報 2026年08月号

撮影/浅井佳代子 ヘア&メイク/重見幸江〈gem〉 着付け/高橋恵子 構成・コーディネート・文/相澤慶子

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