繊細に描かれた波と桜が詩情溢れる世界を表現
「富嶽三十六景みたい。この一枚に和の世界が詰め込まれていますね」と北川さんもお気に入りのきものは、加賀友禅の作家、宮野勇造さんの作品。鳥の子色地に波と枝垂れ桜が端正に描かれた、詩情溢れるきものは、レセプションやお祝いの席で上品に装うことができます。薄浅葱色の波文様の錦織帯や春色のバッグを合わせ、季節のお洒落を楽しんで。きもの/きもの百科イトカワ 帯/服部商店 ときね 帯揚げ/和小物さくら 帯締め/道明 イヤリング224万4000円 帯留めにしたクリップ409万2000円/ともにヴァン クリーフ&アーペル(ヴァンクリーフ&アーペル ル デスク) バッグ82万8300円/デルヴォー
「自分らしく、できる範囲で。
続けることを、やめない」
──北川景子さん
北川さんは今、女性が最も憧れる存在として圧倒的な人気を誇りますが、そのような存在でいるために、普段からどんな努力をしているのでしょうか。
「女性が憧れる存在といっていただけて有り難いのですが、憧れてほしいからこうする、ではなく、いたってシンプルに自分らしく生きているだけなんです。それが逆にいいと思っていただけるのかもしれませんね。
自分の仕事は、例えば今、こういう素敵なものがあるよ、こんなヘアメイクやファッションが素敵だよと“提案する立場”だと思いますが、自分の好きなスタイルで、無理のない範囲で提案することを心がけています。流行だけでなく、昔からあるスタンダードな美しさも大切に思っていますし。
美容法もあまり神経質にならず、気をつけているのは、メイクはできるだけ早く落とすことくらい。甘いものも大好きで、子どもが寝た後、自分へのご褒美に毎晩必ずいただくんです。よく食べ、我慢しない。そのかわり、運動は毎日続ける。ラジオ体操やストレッチなど、できる範囲ですが、やらない日はないですね。天気がいい日は外を散歩したり、子どもが寝た後、ジムのランニングマシンで走ったり。“毎日続けること”をやめないようにしています」
継続がいちばん大事だという北川さん。小さなことでいいから毎日続けることで、「今日もやったから大丈夫」というメンタルでいることの大切さを感じているそうです。
北川さんは今年の夏には40歳を迎えます。2026年の目標は?という問いに、
「このところシリアスな役が続いていたので、そろそろ明るく楽しい役がやりたいですね。5月には湊 かなえさん原作の『未来』という映画が公開されます。私が演じた佐伯文乃という役は、虐待を受けて育ったので、子供ができても愛し方がわからないという女性で、これも暗い役(笑)。明るい役のオファーをいただいても、いろいろなタイミングでできなかったりもしたので、そろそろ、何も考えずにゲラゲラ笑える作品や、最後幸せになる役がやりたくなってきました。
あとはとにかく健康第一。私は家庭が大事なので、今は家庭に軸足を置きながら、自分らしく健やかに、できる範囲で仕事に挑戦していきたいですね」。
「自分らしく、できる範囲で」という柔軟さと、「続けることを、やめない」という意志の強さと。北川さんが何度もおっしゃったフレーズに、美しく生きるヒントが隠されているのかもしれません。
春の宵に咲き誇る可憐な桜でたおやかに

刺繡の人間国宝として活躍した故・福田喜重さんのDNAを継ぐ工房作の桜のきもの。「桜だけでものすごい説得力。存在感がありますね」と北川さんも感嘆した一枚は、コバルトブルーから薄紅色へとグラデーションを描く趣深い曙染めが、着る人の美しさを引き立てます。刺繡と友禅の桜の向こうには、夜空に煌めく星の輝きも添えられて、ロマンティックな春の宵を表現しています。きもの/福田喜重 帯/桝屋髙尾(翠光) 帯揚げ/和小物さくら 帯締め/道明
北川景子(きたがわ・けいこ)
1986年8月生まれ。兵庫県神戸市出身。スカウトにより2003年、モデルデビュー。同年テレビドラマ『美少女戦士セーラームーン』で女優デビュー。以後、映画、ドラマ、CM等幅広く活躍。NHK連続テレビ小説『ばけばけ』の雨清水タエ役も話題に。映画『ナイトフラワー』で第49回日本アカデミー賞優秀主演女優賞受賞。湊 かなえ原作の映画『未来』が5月公開予定。