きものダイアリー

人気きものスタイリスト【マドモアゼル・ユリアさん】待望の初単著『きもののとりこ』に込めた思い

2025.12.11

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『きものSalon』で素敵なきものスタイルを提案、さらにきものコーディネーター・弓岡勝美さんとの共著『おとなの半幅帯結び コーディネートブック』でもおなじみのマドモアゼル・ユリアさんが、自らのきものの世界観を綴った初の単著『きもののとりこ』を上梓しました。

10代の頃よりDJやシンガー、モデルとして活躍してきたユリアさん。いつしかきものや日本の伝統文化に心惹かれて、持ち前の探求心を発揮して学びを重ねてきました。今では、きもののスタイリングやプロデュース、着付け教室の主宰、さらにはYouTube「ゆりあの部屋」でのきものにまつわるコンテンツ配信など、実に多様なかたちできもの文化の素晴らしさを発信し続けています。

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古今東西のカルチャーを自在に行き来する、マドモアゼル・ユリアならではの目線

東京と京都──ユリアさん御用達のお店や名建築を舞台に撮影した美しいビジュアルも本書の見どころ。

東京と京都──ユリアさん御用達のお店や名建築を舞台に撮影した美しいビジュアルも本書の見どころ。

「“きもの”から縁遠かった人にも、少しでも身近に感じてもらいたい。日常のワードローブを考えるような軽やかさを大事にしながら『こういう感覚でスタイリングしてもいいんだ』と思ってもらいたい。そんなメッセージを今回の書籍に込めたくて、これまで自分が体験してきたことや歩んできた道をなぞりながら文章を執筆しました」とユリアさん。音楽、ファッション、アート──さまざまなカルチャーを通して培った感覚を活かしながら、きものの世界を見つめ直してきたユリアさんの美意識は、奥深く、美しく、そしてどこかスタイリッシュなコーディネートの中に表れています。

「きものとは、四季を身にまとうようなもの」と語るユリアさん。四季にまつわる色と柄を軸にしたスタイリングのポイントを解説(「第一章 四季をまとう」より)。

「きものとは、四季を身にまとうようなもの」と語るユリアさん。四季にまつわる色と柄を軸にしたスタイリングのポイントを解説(「第一章 四季をまとう」より)。

また、ユリアさんのコーディネートには、装いのテーマ設定──「物語」作りが欠かせません。きものの色や描かれた柄から想像の翼を広げて、帯留めや髪飾りのモチーフ、襦袢や半衿、帯揚げ、草履の細やかな色づかいなど、ひとつひとつに宿る“小さな物語”を組み合わせることで、無限のコーディネートが広がっていきます。本書には、そうしたユリア流の心躍る“物語コーディネート”例が満載です。

帯留めやバッグ、半衿、履物など、ユリアさんのスタイリングに欠かせない小物の魅力をご紹介(「第三章 ときめく小物」より)。

帯留めやバッグ、半衿、履物など、ユリアさんのスタイリングに欠かせない小物の魅力をご紹介(「第三章 ときめく小物」より)。

東海道五十三次が描かれた小紋に“弥次さん喜多さん”の帯留めを合わせたり、帆船モチーフの帯を海に見立てたブルーのきものに合わせたり。装いの中の「物語」作りを楽しんで(「第三章 ときめく小物」より)。

東海道五十三次が描かれた小紋に“弥次さん喜多さん”の帯留めを合わせたり、帆船モチーフの帯を海に見立てたブルーのきものに合わせたり。装いの中の「物語」作りを楽しんで(「第三章 ときめく小物」より)。

「きもの姿はヘアスタイルが50%」と語るユリアさんの、きものヘアカタログや髪飾りコレクションを一挙公開(「第四章 髪型と、お化粧と」より)。

「きもの姿はヘアスタイルが50%」と語るユリアさんの、きものヘアカタログや髪飾りコレクションを一挙公開(「第四章 髪型と、お化粧と」より)。

ページをめくるたびに『きもののとりこ』に。タイトルに込めた想いとは

本書に登場するきものや帯、小物はユリアさんの私物。現代作家のものから貴重なアンティークまで、多彩なワードローブは必見。

本書に登場するきものや帯、小物はユリアさんの私物。現代作家のものから貴重なアンティークまで、多彩なワードローブは必見。

本書のタイトルを決めるにあたり、100案以上書き出して熟考したというユリアさん。「きものが大好き、どっぷりとその世界に“はまって”いる自分というものをどう表現したらいいのか悩みました。その中から、私が思うきもののイメージである“しなやかさ”と“優しさ”を感じさせる、ひらがなの“とりこ”がふと目につきました。文字列の視覚的な印象も音の響きもしっくりくるし、何だか可愛いぞ!と(笑)」。

「きものは、私にとって終わることのない静かな冒険」とユリアさん。美しく、奥深いきものの世界の学びはこれからも続いていきます。

「きものは、私にとって終わることのない静かな冒険」とユリアさん。美しく、奥深いきものの世界の学びはこれからも続いていきます。

本のタイトルの通り、そもそもユリアさんがなぜ“きもののとりこ”になったのかという原点を振り返るコラムも執筆。「きものを好きになって学んでいく中で、それまでに見聞きしてきた音楽やモードなどのカルチャーが最終的にきものに結び付いていくという体験をしました。それは自分の中でとてもおもしろい出来事でしたし、その気づきを通して、きものには着る人の人生そのものがにじんでいくということを実感しました」。

そう語るユリアさんがこだわったのは、きもの愛好家はもちろんのこと、ファッションやカルチャーが好きな方、きものに触れてこなかったけれどちょっと興味があるという方も楽しめる一冊を作りたいという思いでした。「この本には私を“きもののとりこ”にさせた、さまざまな要素が詰まっています。この本を通して、一人でも多くの方がきものに興味を持ってくださり、自分だけの装いを楽しんでくださったらとても嬉しいです」(ユリアさん)。



マドモアゼル・ユリア
DJ、きものスタイリスト。音楽やファッションの世界で培った感性を活かしながら、時代や流行を超えて息づく“きもの”の美を探求する。SNSや雑誌など多彩なメディアを通して、その魅力を世界へ発信。きもの教室を主宰し、YouTubeチャンネル「ゆりあの部屋」は毎週配信中。



『きもののとりこ』

マドモアゼル・ユリア 著

・第一章 四季をまとう
・第二章 色合わせのこと
・第三章 ときめく小物
・第四章 髪型と、お化粧と
・第五章 とっておきを探しに

定価2970円(本体2700円+税10%)
A5判・並製/144ページ 
世界文化社 刊

撮影/森山雅智(人物) 本誌・西山航(静物) ヘアスタイリング/長田博文 取材・文/中島敦子 

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