「“和”の美をまとって粋な夏の思い出を」
「幼い頃、祖母と一緒に近所の呉服店に行き、反物からゆかたを仕立ててもらったことがあります。あのときのワクワクした気持ちを思い出しました」と優しく微笑む、宝塚歌劇団元月組トップスターの月城かなとさん。退団後は俳優として気品のある美麗な佇まいや、繊細な表現力と確かな演技力で多くの人を魅了し続けています。
宝塚歌劇では凜々しいきもの姿を披露されていましたが、この日は個性的な7枚のゆかたで、夏の日の涼やかなひとときへと、私たちを誘ってくださいました。
「在団時に日本ものの作品できものを着るときは、着付けはもちろん、所作などの細部にも常に気を配っていたので、洋ものの衣装より特別な緊張感がありました。体の中で表に出る部分が少ないきものやゆかたは、特に手先、首、足首にたおやかな表情を持たせることで印象が変わり、“和”の美しさもまとうことができると思います」
「モダンだったり洒脱だったりと、趣の異なるゆかたにチャレンジできて幸せな時間でした」と楽しそうに語る月城さん。
この日のゆかたの感想を伺うと、「新鮮だったのは片身替わりのゆかたです。大胆でとても素敵。着ていると気持ちが盛り上がりますね。薄紫の奥州木綿地のゆかたは、美術館に行き、アート鑑賞を楽しむときに着てみたいです。それぞれの柄に物語があり、それに触れたことでゆかたへの興味も深まりました。今年の夏はゆかたを着て、粋な思い出をたくさんつくりたいです」。
月城かなと( つきしろ・かなと)1990年神奈川県生まれ。2009年宝塚歌劇団に入団し、雪組に配属。2021年8月に月組トップスターに就任し、2024年7月に退団。現在はテレビドラマやバラエティ番組などで活躍中。『スウェーデン国立美術館素描コレクション展―ルネサンスからバロックまで』(国立西洋美術館/2025年7月1日~9月28日)では、音声ガイドナビゲーターを担当。