夢のように美しい舞踊「藤娘」。 藤を染め上げた帯とともに

Bettyokoのきもの日記 第40回

「中村勘九郎・中村七之助特別公演2017」

文京シビックホールで開催された、中村勘九郎・中村七之助特別公演2017に行ってきました。
 2005年にスタートした特別公演、今年はまず、ご兄弟の芸談から始まりました。続いて中村勘九郎さんと、中村屋一門の中村鶴松さんによる「棒しばり」。留守中に酒を盗み飲まないよう、棒に両手を縛り付けられてしまった次郎冠者と、後ろ手に縛られてしまった太郎冠者が、協力して倉に忍び込み、お酒を飲んでしまうお話。

手を一切使えない、難易度の高い舞踊ですが、家の芸を受け継ぎ、しっかりご自分のものにされている勘九郎さんと、今回初役で挑戦する鶴松さんの息の合った舞踊に、会場は大いに盛り上がりました。

そして、中村七之助さんによる「藤娘」。

幕が開くと、舞台には大きな松の木から藤の花が垂れ下がっています。そこに佇んでいるのは、娘姿の藤の精。夢のように綺麗で、ため息がこぼれます。長唄にのせて、意のままにならない恋しい男性の心を嘆き、ほんのりと酒に酔っていく舞踊の美しさは、この演目の由来通り、まさに絵から抜け出したかのよう。今年は「夢幻恋双紙 赤目の転生」「野田版 桜の森の満開の下」「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」と、話題の新作に次々出演し、どれも高い評価を得た七之助さんですが、こうした舞踊や古典の名作にも、お兄様の勘九郎さんとともにもっともっと挑戦していただきたい!と、心から思いました。

© 松竹

ところで、この「藤娘」の舞台に私たちファンも立つことができるのをご存じですか? 歌舞伎座タワー5階の「歌舞伎座ギャラリー」は、歌舞伎の衣裳、大道具、小道具などが展示され、歌舞伎の魅力を体感できるスペース。ここに「藤娘」の舞台が設えられているのです。他にも、馬に乗ったり、波の音や船を漕ぐ音など、歌舞伎の効果音を出す体験も可能。歌舞伎座での観劇の折などに、ぜひ足を伸ばしてみてください!

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