大海原をゆく船の帯で若手役者さんたちの船出を応援

Bettyokoのきもの日記 第39回

新橋演舞場「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」

新橋演舞場で10月、11月の2ヶ月にわたって上演されている「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」。3億5000万部以上の累計発行部数を誇る国民的人気漫画 「ONE PIECE」が2015年に歌舞伎化されて大反響を呼び、今回は、さらにパワーアップしての公演です。

© 尾田栄一郎/集英社・スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』 パートナーズ

ご存じのように市川猿之助さんが怪我をされ休演中のため、主演のルフィ、ハンコックを務めるのは花形役者の尾上右近さん。さらに、坂東巳之助さん、中村隼人さん、坂東新悟さんという20代の役者さんたちが舞台を盛り上げています。もともと若手を抜擢した特別マチネ公演「麦わらの 挑戦」のキャストだったということもあり、息もぴったり。エンターテイメント性に満ちた、熱く、楽しい舞台でした。


物語は「ワンピース」と呼ばれる、ひとつなぎの秘宝を探す大航海の途中。新世界への入り口となる島での海軍との戦いの中で、仲間たちが友情の絆を深めていきます。人気ユニット「ゆず」による主題歌や映像など、現代の表現方法と、早替わりや本水の中での立ち回りといった、歌舞伎本来の演出が、見事に融合。そして何より、若い役者さんたちが古典歌舞伎で培ってきた型や演技の引き出しから見事に役づくりをしていることに感激しました。


幕間のお弁当も「麦わらの一味」と呼ばれるルフィと仲間たちが乗る船の帆に描かれたマークをあしらった、楽しいものでした。 大舞台で、満席のお客様から浴びた拍手と喝采は、若手の役者さんたちをひと回りもふた回りも大きくする糧となることでしょう。


10月に松屋銀座で開催されていた「壱の蔵 秋の逸品展」で見つけた、久米島紬、ゆうな染めの船の帯。役者さんたちの未来に向けた“船出”とも言える舞台を応援しに行くのに、ぴったりですね。「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」は新橋演舞場での公演の後、来年には大阪松竹座、名古屋御園座での上演も決まっています。市川猿之助さんの一日も早いご回復をお祈りしつつ、花形役者さんたちの更なる“大航海”の行方も見届けたいものです。

 


Bettyoko
ジュエリージャーナリストとして活躍する傍ら、歌舞伎、文楽、バレエをはじめ観劇ライフを満喫中のBettyと、米国・ヒューストンでの生活経験を生かし、日本文化を海外に伝える活動をしているYokoによるユニット。
https://www.instagram.com/bettyoko.kbk/

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