きもので海外

やって来ました!未知の国、サウジアラビア!!

そして、ホテルできものに着替え、あまり人目につかないように、ささっと迎えのハイヤーに乗り込み「どんな目で見ら れるんだろう」と、夫婦でドキドキしながら会場に入ると…

突然、「きゃああああああああ!サウジに来てくれて、ありがとおおおおおおおおお!!」と言うご婦人の歓声がっ!! そして、続けざまに「昨日のことは、残念だったわね。でもあなたたちも素晴らしかったわ!」と熱い握手を求められたのでした。 

「はて? 私、昨夜お会いしましたっけ?」と、ホントに突然のことで何の話か分からなかったのですが、その後すぐに理解しました。 実は公演初日の前日、サッカーW杯アジア最終予選、日本 VS サウジアラビア戦がまさにこの会場の隣のスタジアムで行われたのです。 私も見たくて見たくて仕方なかったのですが、なんと、ここサウジアラビアでは、サッカー観戦が女性には許されていないのです!(泣) 

と言うわけで、現地、しかも目と鼻の先にいながら日本の皆さんと同じくテレビでサッカー観戦した私であります。 それにしても、信じられますか?6万人の汗だく男性が、一堂に会しスタジアムで大熱狂。しかも平均気温40度超えの野外で! もうスタジアム内の体感温度がどんなことになっていたのか想像を絶しますね。

こちらがアジア最終予選が行われたスタジアムの真横にある、我らがブルーマンの公演会場です。こちらもまた巨大でした。 

 

と、話は少々ズレましたが、このご婦人は私がサッカーの関係でこの国に来たのだと思ったのでしょうね。心から日本のチームの健闘を讃え、何度も「来てくれてありがとう!あなたがサウジに来てくれて嬉しい!」と繰り返していらっしゃいました。 もうこの時点で、泣きそうな私。勝手に日本を代表して私も「サウジアラビアおめでとうっ!本当におめでとう!」と声を大にして伝えておきました。 

実は、サウジの女性の大半はアバヤで身体のラインを隠すのみならず、ヒジャブまたはニカブと言う布で頭全体を覆い、目しか見えない人が大半。更に信仰心の熱い方たちは 目も見せない!!もはや、どっちが前でどっちが後ろか、どうやって歩いてるのか分からないレベルなのです。もちろん、表情が見えないため交流を測ることも難しく、サウジの女性に対して何か壁のような物も感じていました。 

ところがどうでしょう、私がきものを着た瞬間に、その壁が一気に消え去ったのでした。そしてニカブの下に隠されていたサウジの女性たちの底なしの優しさと人懐っこさを肌で感じ、それが嬉しくて嬉しくて何度も目頭が熱くなりました。 

おそらくきものを初めてみる方々ばかりかと思ったので、淡いピンクの小紋にパステ ルカラーの帯や小物を合わせ親しみやすく柔らかい印象を目指しました。もちろんきものの下は“昭和のおじさん ”スタイルです。気温42度、湿度も抜群に高い。今日もステテコが大活躍! 

この日だけでも100人近いかたがたとお話しし、記念撮影のリクエストにお応えしました。本来この国では女性の写真を撮ってはいけないはずなのですが…。みんなセルフィー大好き!スナップチャットを使いこなし私の頭に鹿の角が生えてたり、花の冠が乗っちゃっ てたりする写真を撮っては満足そうに帰って行かれました。

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