イチから始めるきもの道

きものの達人に聞きました(1)万能きものって何ですか?

色無地のように着まわしよく 華やかさもある飛び柄小紋

「飛び柄小紋(とびがらこもん)よ」

そうおっしゃったのは、両角明美(もろずみ・あけみ)さん。きものに関する造詣が海よりも深く、『きものSalon』本誌ではファッションページも取材ページも読み物ページも担当し、お茶席やフォーマルでの装いに関する単行本など何冊も手がけていらっしゃいます。両角さんが手がけた本の中でも特に人気の『現代版 冠婚葬祭のきものに強くなる フォーマルきもの装いの手引き』。結婚式、七五三、入学式、卒業式そして喪のきものまで、冠婚葬祭のきものの常識と現代的なコーディネイトの提案をまとめた、一家に一冊のきものの装い決定版です!

 

両角さんの飛び小紋は20年以上も前にお母様が誂えてくださったもの。今年のお稽古場での初釜にも着て行かれました。優しいひわ色の無地場が多く、上品な一枚です。「刺繍の入った白地の袋帯や名古屋帯など、帯を変えてお茶席やパーティなど色々な場所に出かけています」(両角さん)

小紋とは大先輩から意外なお答え。小紋=おしゃれ着、街着。最も着る場所が限定される気がするのですが。

「きものSalonでは飛び柄小紋のことを“よそゆき小紋”と呼んでいて、いわゆる総柄の小紋とはちょっと違うの。全体的に小さな柄が控えめに入っているから、上品な雰囲気がある上に、色無地のような着まわしの良さもあるのよ。初めての一枚なら使いまわせるものがいいじゃない?」(両角さん)

さすがです、私たち初心者の気持ちをとても理解して下さっています。

そして一色采子さんの連載「母のタンス、娘のセンス」を担当している樺澤貴子(かばさわ・たかこ)さんも飛び柄小紋推し!

「以前仕立てた『蛍絞りの飛び柄小紋』がとても便利なんです。小紋だから気軽な装いはお得意なんだけど、有職文様の名古屋帯と合わせたら、目上の方との会食や歌舞伎に行っても気後れしないのよ」(樺澤さん)

樺澤さんが蛍絞りの小紋でコーディネートを披露してくださいました。まずは扇面の洒落袋帯を合わせて観劇へ。

荒磯の洒落袋帯で大寄せの茶会へ。

若松の織り名古屋帯で目上の方との会食へ。

塩瀬の染め帯で女子会へ。

「コントラストがはっきりするため、濃い地色の方が映えるのですが、私が誂えたのは淡い柳色。絞りの蛍がほのかに浮き立つので、はんなりとした優しい雰囲気があります。きもの初めの方は洋服感覚のモダンな色を選びがちですが、せっかくきものを着るんですもの、きれいな色を選ぶことも醍醐味かなと思います」(樺澤さん)

飛び柄小紋、色無地のような万能感もありつつ、柄も入っているので満足度も高そうです。心のメモリーに上書き保存でございます。

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最後は編集長!

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