きものダイアリー

中村種之助さんが語る、国立劇場『双蝶会』

2018.07.13

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歌舞伎新世代がナビする「きもので観劇」其の七

「最終目標は、役そのものになること。かけ離れた時代の物語でも共感される役者になりたい」


中村種之助さんが語る、国立劇場『双蝶会』

古典歌舞伎から舞踊まで、立役はもちろん女方まで。役の幅を広げながらそれぞれを掘り下げ、どの舞台でもチャーミングな存在感を放つ、中村種之助さん。
毎年8月にお兄様の中村歌昇さんと行っている勉強会『双蝶会』も、この夏で4回目となります。


種之助「勉強会をやりたい!と思うようになったのは、新しい歌舞伎座が開場した頃です。自分も何か新しいことに挑戦する場が必要かなと思っていたところ、兄も同じように考えていて、じゃあ兄弟で勉強会を、と、準備期間を経て開催に至りました」

播磨屋の芸である時代物の義太夫狂言を中心に、本公演ではまだ演じたことにない大作、大役に次々と挑戦したことは、確実に役者としての財産になっています。

種之助「どの役も大変でした。でも、どの役も、もう一度やりたい。中村吉右衛門のおじさんや父、先輩方に教えていただけること、また、兄が芸を学ぶところを側で見ることができるのも、双蝶会ならではのありがたい部分です。人のお稽古を客観的に見ることで、自分が教えていただくのとはまた違う勉強にもなっています」

すべてを自分たちで仕切る『双蝶会』の公演では、舞台に立つだけではなく、裏方の仕事もこなします。

種之助「自分たちがおこした公演で、会主としての責任がありますからね。『寺子屋』の舞台で本物の火を使って門火を焚く場面のために、消防署に届を出しに行ったこともありました。事務的なことでも、そこから人と人との繋がりが生まれ、相手の方の思いを感じて嬉しくなることもあります。特に公演チラシのビジュアルを考え、撮影し、デザインされ、僕らのアイデアを形にしていただける過程は毎年興味深く、こういうの、嫌いじゃないな、と思っています」

そうして完成した今年の公演チラシが、こちら。

中村種之助さんが語る、国立劇場『双蝶会』

『積恋雪関扉』『義経千本桜 川連法眼館の場』どちらのお話にも登場する桜を背景にあしらって、表面には歌昇さん、種之助さんがつとめる大伴黒主と源九郎狐の拵えで。裏面には、それぞれが本性をあらわす前の関守関兵衛と佐藤忠信の姿で、という凝ったつくり。舞台への期待が高まります。
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