きものダイアリー

中村歌昇さんが語る、国立劇場 6月歌舞伎鑑賞教室『連獅子』

2018.05.10

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歌舞伎新世代がナビする「きもので観劇」其の五

「役にも芝居にも、終点はありません。挑戦を続け“その先の世界”を見てみたい」


中村歌昇さんが語る、国立劇場 6月歌舞伎鑑賞教室『連獅子』

端正なマスクと、役に向き合う熱く真面目で真摯な姿勢が、心に残る芝居を生み出す中村歌昇さん。お父様の中村又五郎さんと『連獅子』を踊るのは、父子の襲名披露で全国を巡業した平成25年以来となります。

歌昇「『連獅子』は、子どもの頃から先輩方が踊るのを拝見してずっと憧れていた演目。歌舞伎の家に生まれた子の多くは、頭にバスタオルをくくりつけて、獅子の毛振りの真似ごとをした覚えがあるのではないでしょうか。襲名披露の巡業公演の時はほぼ毎日、一日二公演を踊りながら全国を移動したこともあり、無我夢中、疲労困憊でしたが、あれから僕も家庭を持ち、子どもも生まれました。今、あらためて『連獅子』を踊ることで、親子の情愛を表現する気持ちに、どんな変化があるのか楽しみです」


『連獅子』は能『石橋』を題材にした長唄舞踊の名作。親獅子が仔獅子を深い谷に蹴落とし、時に厳しく、時に心配しながら見守る様と、谷を駆け上る仔獅子の勇ましさが描かれます。実の親子が親獅子、仔獅子を演じる公演では、観客が芸道に生きる父子の姿と重ねて観るのも、楽しみの一つ。

歌昇「役者が踊る舞踊ですから、もちろん実の親子でなくても親らしく、子らしく演じながら踊りますが、父と踊ると口に出さなくてもわかり合えるのだということは、前回踊った時に感じました。実の親子による『連獅子』ならではの、いい部分かもしれませんね」

いつかは歌昇さんが親獅子、お子さんが仔獅子に扮しての『連獅子』を観ることができる日も来るのでしょうか?

歌昇「まだ2歳になったばかりなので、何とも……。本人がやりたいと思ってくれれば嬉しいですが、無限大にある子どもの可能性を、親が狭めたくはないと考えています。まずは僕が一つ一つの舞台をしっかりつとめ、そんな僕の姿を見て彼がこの職業に憧れてくれるようにならなければ」
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