
日々の暮らしの中で茶の湯や日本文化を楽しむ方法を、出版、商品開発等を通して提案する「水円舎(すいえんしゃ)」を主宰しているふくいひろこさん。
京都在住のふくいさんが、ひと組の「茶箱」を通し、日常に抹茶を楽しむ具体例をお伝えしてきた“茶箱あそび”の連載。2年にわたってお送りしてきた内容を振り返ります。
遠くへ旅をしたり、大勢と集まったりすることができない状況でも、「お茶によって“日常の中の非日常”を楽しむことができる」とふくいさん。
皆さんも身近なものを茶道具に見立てて、自分流の“茶箱あそび”をはじめてみませんか?
茶箱あそび つれづれ(全24回)
歳迎えのひと箱 京都の町中に住みながら、我が家は畳のないマンション暮らし。それでも年末には歳神様をお迎えするための干支の置物や正月飾りなどの縁起物を出してきては、玄関に掛けたり、床の間がわりの朝鮮箪笥の上に置いたりしています。記事を読む>>
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現代作家の器で組む 立春の頃になると、陽光がやわらかになり、少し外出しようという気分になってきます。そんな時はお気に入りの道具たちを組み、トートバックに入れて、知り合い宅まで自転車でひと走り。京都の町は程よいサイズなので、自転車で動くのがいちばん便利です。記事を読む>>
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旧暦で雛あそび 雛祭りはいくつになっても心が躍ります。上巳(じょうし)の節句(節供)と呼ばれる宮中行事の流れを汲むためでしょうか。お雛様を飾るだけで、ふだんとはちょっと違う雅やかさが、日常に舞い降りてくる気分になるのです。記事を読む>>
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おうちで楽しむ日々の抹茶 ふだんからダイニングのテーブルで朝の抹茶一服を楽しんでいます。紅茶や煎茶の日もありますが、抹茶はさっと点てられるので登場回数が多いお茶。人からよく「抹茶はどうもハードルが高くて」と言われるのですが、やってみればとても簡単です。記事を読む>>
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心をあそばす、独服のすすめ “茶箱があればどこもが「わたしの茶室」になる”これは2017年に出版した『はじめての茶箱あそび』のあとがきの中の言葉です。自身が茶箱であそびながら実感しているフレーズですが、本が出てから思いがけずいろいろな方に「あの言葉に出会い、茶室がない自分もお茶をして良いのだと思いました」と言っていただきました。記事を読む>>
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コーヒーにする? 抹茶にする? 抹茶を飲む時、どんなお菓子を食べてますか。茶席では和の生菓子や干菓子が出てくることが多いのですが、わたしのふだんの生活では和洋かかわらずいろいろな菓子を抹茶と一緒にいただいています。記事を読む>>
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水のめぐみ、冷水点 京都には名水がたくさんあります。貴船神社、上賀茂神社、松尾大社など山から湧き出る郊外の名水から、地下水脈を通して街中にもたらされる梨木神社や下御霊神社、錦天満宮の湧き水などその名を挙げればきりがありません。記事を読む>>
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早朝の山散歩のお供、中国茶 日々の生活のサイクルの中で、時間の許す限り散歩をするようにしています。市街の中心に京都御苑があり、少し東に行くと鴨川が流れているのもこの街の魅力。記事を読む>>
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月と秋草を愛でる 9月に入ると、残暑の日々の中にも、秋の訪れを感じるようになります。蝉の合唱と入れ替わって、朝に夕にと虫たちがすだく音が聞こえるようになり、空の色も少しずつ変わってきます。記事を読む>>
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茶箱で楽しむ「王朝の美」茶会 今回は少し趣向を変えて、2019年10月に開催された家庭画報特選『きものSalon』による茶箱茶会のことに触れようと思います。記事を読む>>
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温故知新、水円舎の茶箱 今回は、自身が主宰する「水円舎(すいえんしゃ)」の茶箱道具についてお話ししようと思います。水円舎では、日常の中で茶の湯や日本文化を楽しむ方法を、出版、商品開発等を通して提案しています。立ち上げの発端はやはり茶箱。記事を読む>>
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菓子缶と西洋雑貨であそぶクリスマス 灯火の暖かさが心に安らぎをもたらしてくれるこの季節。茶の世界でも、夜の茶会は冬に行われることが多いようです。「夜咄(よばなし)」という趣のある名で呼ばれる夜の茶事は、ロウソクや行灯の明かりもご馳走の一つ。記事を読む>>
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漆うるわし、茶箱あそび 茶箱について話してと言われると際限なく喋るわたしですが、せっかく2周目の機会をいただいたのですから、今年は茶箱をひとつ組みつつも、皆さまを京都のおすすめの場所へご案内しようと思います。スタートはここ「うるわし屋」さんから。記事を読む>>
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白い岩絵の具がつくる光の世界 今回お訪ねしたのは、唐紙工房の「かみ添(かみそえ)」さん。唐紙とは、もともとは唐の国(中国)から伝わった紙のことを指したそうですが、現在では和紙に胡粉(貝の粉)や、きら(雲母の粉)で文様を摺り出した紙のことをいいます。記事を読む>>
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日本茶ソムリエ、ティアスさんの和紅茶 今月は京都御苑の西側に昨年8月オープンした「茶ノ実鶴園」を訪ねました。有機無農薬にこだわった日本茶の専門店で、有機栽培日本茶ソムリエであり、遠州流の師範でもあるティアス宗筅(そうせん)さんがこの店のあるじです。記事を読む>>
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ひとつの茶碗のために道具を組む ちょうど桜が満開の頃、京阪電鉄宇治駅から徒歩で10分足らずの、宇治川沿いにある「朝日焼 shop & gallery」へ向かいます。穏やかな春の日、建物のブルーグレーの壁と、桜のピンクが光の中で明るい風情を醸し出していました。記事を読む>>
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売り切れ御免の和菓子のお店へ 生菓子っておいしくって大好物。日々お茶を点てるのは、ほとんどお菓子を食べたいがためかもしれない、と思うことがあります。わたしが一年を通してたびたびお訪ねするのがこちらの「とま屋」さん。記事を読む>>
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内なる自分のために、茶を喫し、香を聞く 京都御苑の西側にある「山田松香木店」へ伺うと、店舗の奥にある聞香体験のための部屋に案内されました。ここではカウンターに腰掛けて、聞香の手順を教えていただくことができます。記事を読む>>
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植物のちからをいただく、神さびた笹百合を求めて かつて茶の月刊誌の編集をしていた頃、茶室のしつらいの撮影などでずいぶんお世話になったのが、京都の北区の住宅街にひっそりと店を構える「花・谷中(はな・たになか)」さん。記事を読む>>
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茶道具たちを彩るインドの布 インド布好きの人間にとってうれしいお店へ、今月はご案内。去年の「茶箱あそび、つれづれ」でも一度訪ねているYggd (ユグド)というセレクトショップで、今回は茶箱の道具類を古今のインド裂で包んだひと組を抱えての再訪です。記事を読む>>
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仕出し屋さんのお弁当でプチ茶会 誰かの家に伺うと、どうしてもその人に負担をかけてしまいます。できるだけさらりとあそびたいわたしたちは、今回仕出し屋さんにお弁当を頼みました。京都の卸売市場にも近い、七条通に店を構える「井政」の「茶福箱」。記事を読む>>
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灯火で過ごす、秋の宵茶 今宵は新月。茶の女神を訪ねることにしました。茶の女神とは、中国喫茶「好日居」のあるじ横山晴美さんのこと。京都東山山麓にある好日居は、建築士でもある晴美さんが30年以上人が住んでいなかった古民家をリフォームしたことがきっかけで、息を吹き返した美しい場所。記事を読む>>
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片口のための大きな茶籠 「日日gallery nichinichi」のオーナー、エルマー・ヴァインマイヤーさんとは20年以上前からのおつきあいです。鋭い審美眼で集められた器たちは、道具としての機能がしっかりしている上に、どれもすがたが美しい。記事を読む>>
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京の織メーカーの布でつくる茶箱の仕覆 織元・永治屋清左衛門が2020年6月にオープンした「eiziya ZOU」は、呉服の名店が立ち並ぶ室町通と、観光客にも人気の三条通の交差点に店を構えます。正倉院文様などの古典柄を生かしながらも、現代感覚に合う色味やデザインに進化したきものをはじめ、バッグ、草履、装飾品などの小物なども豊富なラインナップ。記事を読む>>
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ふくいひろこ
京都市生まれ。茶道周辺や京都関連本の編集者をつとめながら、自身の趣味として茶箱であそぶこと20余年。茶道具のみならず見立ての道具をふんだんに使い、日常で楽しむお茶を提案。道具を集めるのに飽き足らず、理想の茶箱道具を知り合いの作家や職人にオーダーするうちに、オリジナル茶箱の作品群が生まれ、時折展示会なども行っている。
●水円舎ホームページ https://suiensha.com
Instagram:@suiensha