プロダクト

うつわ作家・森本仁さん 日々の食事を彩る 備前の土と炎

2026.05.13

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〔特集〕今、世界が注目する気鋭作家50 新「うつわ」名鑑 世界で唯一無二の「うつわ」大国、日本。伝統を受け継ぎながらも、工芸とアートの境界を軽やかに行き交う気鋭の作家たちが、今、新たな価値観を創出しています。伝統と革新が交差する現場で、次世代の器づくりに挑む作家たちの創作への思いと、その先に見据える未来に迫ります。

特集「新『うつわ』名鑑」の記事一覧はこちら>>>

暮らしを彩る土と炎の格式ある技
森本 仁(岡山・備前)

「食の空間に、自分の器がどのように入っていくことができるか。そうしたことを想像しながら制作しています」

備前焼作家の父のもとで育った森本仁さん。大学で彫刻を学んだのち、美濃焼の豊場惺也氏に師事しました。


「一度備前を出たことで、視野が広がったと思います。日々の生活の中で制作技術だけでなく、丹念な暮らしがよりよい器作りに反映されることを教えていただきました」

お母様から茶道を習う森本さん。手に土のぬくもりが伝わる抹茶碗。

日々のルーティンを大切にしながらの制作。1年から2年に一度、1週間から10日間かけて24時間体制で焼き続ける登り窯の窯焚きに向けて計画を立てて制作を進め、あとは土と炎に仕上がりを委ねます。

手回しのろくろ。枝の分岐を持ち手に利用した回し棒も手作り。

「こうでなければ、という固定観念にとらわれず、今までにないものを発見していきたいと思います」

そうして生まれたのが、確かな技術に裏打ちされた、薄く軽やかな備前焼。料理人からの信頼も厚く、料理店の白木のカウンターから日常の食卓までを彩り、ほかの器とも美しく調和します。

昼食は毎日、工房のキッチンで。食卓に並ぶ器は、漆のお椀以外すべて自作。

灯油窯で焼くオリジナルの「白花(しらはな)」シリーズも、焼き締めならではの質感を楽しむことができます。

同じ土でも、焼成方法によって色や質感が異なる。左は登り窯で焼いた花器(口径14.5×高さ24センチ)、中の花器(口径9×高さ25センチ)と右のゴブレット(口径6×高さ18センチ)は灯油窯で焼いた「白花」。

森本 仁( もりもと・ひとし)
インスタグラム:@mm_hitoshi
1976年岡山県備前市生まれ。1999年東京造形大学彫刻科卒業。豊場惺也氏に師事。2003年より備前市で父・英助氏のもとで作陶を開始。東京の「宙 SORA」や「HULS GALLERY TOKYO」、ニューヨークの「GUILD GALLERY」など国内外問わず、複数のギャラリーにて個展を開催。
2026年6月19日~24日に銀座日々(東京・銀座)、9月19日~27日にessence kyoto(京都・岡崎円勝寺町)にて個展を開催。


(次回に続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2026年05月号

家庭画報 2026年05月号

撮影/本誌・大見謝星斗 取材・文/安藤菜穂子 取材協力/Pond Gallery ※掲載した器の価格および展覧会の会期や場所は変更になる場合がございます。確認のうえ、お出かけください。

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