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うつわ作家・坂倉新兵衛さん 芸術的感性と萩焼の技法を掛け合わせる

2026.05.12

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〔特集〕今、世界が注目する気鋭作家50 新「うつわ」名鑑 世界で唯一無二の「うつわ」大国、日本。伝統を受け継ぎながらも、工芸とアートの境界を軽やかに行き交う気鋭の作家たちが、今、新たな価値観を創出しています。伝統と革新が交差する現場で、次世代の器づくりに挑む作家たちの創作への思いと、その先に見据える未来に迫ります。

特集「新『うつわ』名鑑」の記事一覧はこちら>>>

深川萩370年の伝統に持ち味を加えて
坂倉新兵衛(山口・長門)

萩焼は、戦国大名の毛利輝元が朝鮮から連れ帰った2人の陶工を開祖として生まれました。その一系譜を受け継ぎ、約370年の長きにわたって「長門の深川萩」を作陶し続ける窯元が、長門湯本温泉からほど近く、自然豊かな山間の地にあります。

「器の家に生まれたということに関係なく、瞬発的に造形できる粘土は元々私の性に合っている気がします」そう語る現当主の坂倉新兵衛さんは、15代目(現・坂倉一渓)の長男として生まれました。東京藝術大学・大学院彫刻専攻を修了、2011年より長門に戻り修業を開始。2024年5月に16代目を継承しました。


先祖伝来の型を踏襲した茶陶に取り組む中で、自身の芸術的感性と萩焼の技法を掛け合わせたオブジェや花器にも挑戦しています。

工房裏の山にて。手前から「盌」(幅16×奥行き18.5×高さ13センチ)38万5000円 「粒紋器」(襲名前の作、幅14×奥行き11×高さ45センチ)18万7000円 「花器 白釉流し」(幅13×奥行き10×高さ28.5センチ)20万2000円

「萩の雰囲気を纏わせつつ、自身の “作意” を込める」のが、坂倉さんのユニークな作陶スタイルです。

焼成前の花器に、一本一本模様を刻む。モチーフは特になく、思うまま木ベラを動かす。

工房裏手の山に建つ茶室「吟松亭」にて。

「環境や歴史も含めたこの地の風土を感じられるものを作りたい」と、土は自ら山で採掘したものも取り入れているそう。

堀り出した山土で作られた中国茶器。襲名前の2023年ごろに、京都で行われる茶器展に合わせ制作。中央の明るい色味の茶杯には、萩の伝統土(大道土=だいどうつち、金峯土=みたけつち、見島土=みしまつち)が使われている。

深川萩の文化発信にも力を入れ、2017年には地元の方々と協力してカフェギャラリー「cafe & pottery 音」をオープン。長門を舞台にした、伝統的かつ次世代的な作風と取り組みに注目が集まります。

坂倉新兵衛(さかくら・しんべえ)
インスタグラム:@masahiro.s.h
本名・坂倉正紘。1983年山口県長門市生まれ。2007年東京藝術大学彫刻科卒業。2009年に同大学院彫刻専攻修了。その後、京都市伝統産業技術者研修で2年間陶芸の技術を学ぶ。2011年より父のもとで作陶の道に入る。2024年5月に16代目坂倉新兵衛を襲名。
2026年7月9日〜15日に福屋美術画廊(広島・中区)にて、9月12日〜17日に柿傳ギャラリー(東京・新宿)にて個展を開催。


(次回に続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

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『家庭画報』2026年05月号

家庭画報 2026年05月号

撮影/阿部 浩 取材協力/Pond Gallery ※掲載した器の価格および展覧会の会期や場所は変更になる場合がございます。確認のうえ、お出かけください。

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