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うつわ作家・石田和也さん 備前焼の技術に新風を吹き込む

2026.05.08

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〔特集〕今、世界が注目する気鋭作家50 新「うつわ」名鑑 世界で唯一無二の「うつわ」大国、日本。伝統を受け継ぎながらも、工芸とアートの境界を軽やかに行き交う気鋭の作家たちが、今、新たな価値観を創出しています。伝統と革新が交差する現場で、次世代の器づくりに挑む作家たちの創作への思いと、その先に見据える未来に迫ります。

特集「新『うつわ』名鑑」の記事一覧はこちら>>>

千年の技に新風を吹き込む先駆者
石田和也(岡山・備前)

長い歴史をもつ六古窯の一つ、「備前」。その可能性を広げる新たな試みに挑戦しているのが、石田和也さんです。備前焼の窯元の家に生まれ、京都で陶芸技術を学び、備前焼の重要無形文化財保持者(人間国宝)の伊勢𥔎淳さんに師事。備前の伝統技術をしっかり体に入れてからイギリスに渡り、陶芸工房で働きながら現地の技法や文化を学びました。

「螺法壺」(口径9×幅27×高さ25センチ)7万7000円

「第11回菊池ビエンナーレ」受賞作は、備前にある鉱山の地下150メートルで自ら採掘した陶石を素材とし、備前の登り窯で焼成したもの。ろくろがひけるかどうかギリギリの粗さで不純物を含むので、なめらかな磁器とは異なる味わいが生じます。それを「備前磁器」と名づけました。


また、ろくろの遠心力を使い、吹きガラスの陶芸版のようなイメージで螺旋模様を表現する独自技術「螺法」も確立。

表面には一切触れずにろくろの遠心力のみで成形する螺法。

窯出ししたばかりの鞘の中の籾殻から掘り出すようにして取り出した螺法の湯呑み。黒く、メタリックな艶のある仕上がりに。

「貝殻や地層、岩などの自然の造形に惹かれます。自分のコントロールが及ばない形や質感を目指しています」

深海から引き揚げられた海揚がりの骨董のような肌合い。「備前磁器 徳利」(幅10.5×高さ13センチ)5万5000円

螺旋模様が美しい花器。意図的に破った口縁も味わい深い。「螺法器」(幅15×高さ25.5センチ)7万7000円

「Abyss Tea bowl」(径13×高さ9センチ)11万円

現在は、SNSなどで石田さんの作品を知った海外からのインターン生が常に滞在。世界と備前をダイレクトに繫ぐ石田さんの今後の活動に注目です。

石田和也(いしだ・かずや)
インスタグラム:@bizen_kazuya
1986年岡山県備前市生まれ。2007年伊勢𥔎 淳氏に師事。2011年よりイギリスで作陶。2013年備前市で独立。2015年オックスフォード大学に招聘される。2020年より備前磁器に取り組む。2025年「第11回菊池ビエンナーレ」にて奨励賞を受賞。
銀座 黒田陶苑アネックス(東京・銀座)にて個展開催。2026年5月13日〜17日。


(次回に続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

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『家庭画報』2026年05月号

家庭画報 2026年05月号

撮影/本誌・大見謝星斗 取材・文/安藤菜穂子 取材協力/Pond Gallery ※掲載した器の価格および展覧会の会期や場所は変更になる場合がございます。確認のうえ、お出かけください。

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