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うつわ作家・俵藤ひでとさん アクリルを削り出した光の茶碗

2026.04.22

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〔特集〕今、世界が注目する気鋭作家50 新「うつわ」名鑑 世界で唯一無二の「うつわ」大国、日本。伝統を受け継ぎながらも、工芸とアートの境界を軽やかに行き交う気鋭の作家たちが、今、新たな価値観を創出しています。伝統と革新が交差する現場で、次世代の器づくりに挑む作家たちの創作への思いと、その先に見据える未来に迫ります。

特集「新『うつわ』名鑑」の記事一覧はこちら>>>

アクリルで織り成す、光の彫刻
俵藤ひでと(東京・白金)

一見、フロストガラスで作られたような茶碗や茶器。これはアクリルで彫刻を作る俵藤ひでとさんの作品です。

茶人からのオーダーも入るという茶碗。手前と中は樂茶碗の写し。縁が極限まで薄い奥の茶碗は光悦風。茶碗(径11.5×高さ9センチ)1客38万5000円 茶杓(長さ18×幅1.1センチ)3万8500円。棗は非売品。

俵藤さんが茶器を作るようになったのは、茶会にかかわる仕事がきっかけでした。千利休が新しい美を定義し、価値観を変えたことに、創造のヒントを見出したと話します。


「アクリルは、ガラスの代用品として生まれた透明な工業製品。いわば個性がない “偽物(もどき)” なんです」と笑う俵藤さん。けれども、素材自体の個性が「ない」からこそ、作り手の意図やプロセスが作品に価値をもたらすと考えています。

歴史や権威と対極にある素材で、歴史的名品の精神性にどこまで迫れるか。そんな一心で製作に取りかかったそう。俵藤さんは、特に長次郎らの樂茶碗に強く惹かれ、手びねりの風合いをアクリルの削り出しで極限まで写しています。

茶杓を削る俵藤さん。「竹と違い、薄くしすぎると割れてしまいます。茶杓としての機能と姿の美しさを微調整し作ります」。

「形は図録などを参考に。歴史的な名品を単に模倣するのではなく、その精神性を “写す” ことで、近代素材に新たな命を吹き込みたい」。

偽物(もどき)から本物の核心へと迫る挑戦の先に、時代を超えて共鳴する新たな美の形が生まれています。

俵藤ひでと(ひょうどう・ひでと)
インスタグラム:@hideto.hyodo
1972年大阪生まれ、東京育ち。20代のとき、アクリルでプロップを作っていた父親の元に入り、アクリルで製品を作り始める。現在は2代目としてアクリルで彫刻を作る職人、デザイナーとして活躍。直近の作品に、「FAS 京都東山本店」の水の彫刻などがある。
2026年4月20日~5月10日「FAS 京都東山本店」(京都・鹿ヶ谷)で茶道具、彫刻などを展示予定。


(次回に続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

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『家庭画報』2026年05月号

家庭画報 2026年05月号

撮影/西山 航 取材・文/山路美佐 取材協力/Pond Gallery ※掲載した器の価格および展覧会の会期や場所は変更になる場合がございます。確認のうえ、お出かけください。

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