〔特集〕今、世界が注目する気鋭作家50 新「うつわ」名鑑 世界で唯一無二の「うつわ」大国、日本。伝統を受け継ぎながらも、工芸とアートの境界を軽やかに行き交う気鋭の作家たちが、今、新たな価値観を創出しています。伝統と革新が交差する現場で、次世代の器づくりに挑む作家たちの創作への思いと、その先に見据える未来に迫ります。
・
特集「新『うつわ』名鑑」の記事一覧はこちら>>>
ボンドで描く繊細で優しさ溢れる絵柄
三野直子(富山)
ガラスの街・富山市で制作する三野直子さんのガラス花器。手作業で描かれ、加工された模様は、光を受け、美しい陰影を生み出す。「花器」(胴径13.5×高さ11.5センチ)5万5000円
mebukuシリーズの器は、外側からだけでなく、内側から見た模様の表情も美しい。「bowl」(径13.2×高さ6.7センチ)1万4300円
「器で自己表現するのではなく、料理人の方たちが喜んでくれるような器を目指しています。どうしたら料理が美しく見えるか。器の見込み、余白のバランス、高さなどの細部を研究しています」。シリーズができてからも、さらに模様を細かくして、主張しない優しい器づくりを追求しています。
日本料理を引き立てる器を念頭に制作。右上から時計回りに・「銅鑼(どら)皿」(直径15×高さ3センチ)1万5400円 「筒形向付」(直径9.5×高さ6センチ)1万3200円 「正八角皿」(直径14.3×高さ2.5センチ)1万5400円 「plate」(直径15センチ)1万3200円 「八角皿」(長径14×短径7.3×高さ2.5センチ)1万3200円
ガラスに出会ったのは、大阪で会社員として働いていたとき。一年間だけ制作に専念したいと、期限を決めて活動を開始。それから数年たった現在は、立山連峰を望む一軒家の自宅兼工房に移住。平日5日間は、ボンドの絵付けとサンドブラストの加工。週末は近くの「富山ガラス工房」で吹きガラス作業を行います。
宙吹きしたガラスに木工用ボンドでフリーハンドで描く。模様は自然の植物をモチーフにしている。
制作に欠かせない「金型」も近所の鉄工所で作ってもらえるなど、道具も設備も相談相手もすぐ傍に。清らかな空気の中で作られるガラスは、優しい表情で満ち溢れています。
三野直子 (みの・なおこ)インスタグラム:
@naoko_mino1980年大阪府生まれ。会社員時代にガラス教室にて学ぶ。2016年能登島ガラス工房公開講座1年コース修了。富山ガラス工房に所属し、2021年に独立。現在は、富山ガラス工房近くの自宅兼工房にて制作する。
2026年10月4日〜9日まで「Pond Gallery」(東京・銀座)にて個展。※飲食店関係者のみ入場可。
(次回に続く。
この特集の記事一覧はこちらから>>)