〔特集〕今、世界が注目する気鋭作家50 新「うつわ」名鑑 世界で唯一無二の「うつわ」大国、日本。伝統を受け継ぎながらも、工芸とアートの境界を軽やかに行き交う気鋭の作家たちが、今、新たな価値観を創出しています。伝統と革新が交差する現場で、次世代の器づくりに挑む作家たちの創作への思いと、その先に見据える未来に迫ります。
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料理人の審美眼
今、私が盛りたいうつわ
料理人にとって器は、欠かせない存在。好みの器によって表現ががらりと変わるのも面白いところです。器好きの料理人たちが今、良き刺激を受けている気鋭の現代作家を教えていただきました。
陶芸界を牽引する作家たちと料理人のせめぎ合いが新しい時代を築く
──奥田 透(東京「銀座 小十」)
奥田 透さんの器遍歴は修業時代に遡ります。美術館やギャラリー、古美術店を覗いて数多の作品を目にするうちに、古唐津の名匠・西岡小十に出会い、その名を店名に冠するほど、器の世界にのめり込みました。今ではその目を現代陶芸家の自由闊達な作品にも広げて、ともに刺激し合う関係に。
「料理は器によって表情が変わります。四季折々の料理と器がぴたっとはまったときの感動ときたら。器と料理は、まさしく対の存在です」
奥田さん監修の日本料理を取り巻く文化を応援する書籍『和の美 食の美 温故知新』Vol.4では、現代陶芸を特集。若き作家たちを鼓舞する存在でもある。
今回、奥田さんが取り上げたのは、「これからの陶芸界を牽引するのにふさわしい、令和が生んだ天才」とほれ込む、山口真人さんの御深井(おふけ)蓮皿と銀彩長皿。デザイン性に富んだ楽しさが初夏の旬味に躍動感をもたらします。
富山のガラス作家・岸本耕平さんの“氷結蓋物”には、「うにとまぐろの黄身醬油」を。膠(にかわ)を塗って作るニュアンスのあるテクスチャーが魅力。
ガラスもまた、この時季から活躍するアイテム。岸本耕平さんの氷結蓋物に閉じ込められたお造りが透けるさまに、清涼感のある色気が漂います。
山口真人

山口さんの作品は、志野、黄瀬戸、織部、信楽、御深井と多彩で変幻自在。「鱧の湯引きは涼感ある御深井に。銀彩の丸い色味と、稚鮎にのせた蓼おろしが楽しくリンクします」。
Instagram:
@makoto__yamaguchi岸本耕平

シンプルで斬新なフォルム。色合いの美しさで魅せる岸本さんの「凜蕉」と名づけられた色ガラス鉢。その風合いを慈しむように、車海老と薬味、揚げ野菜のそうめんを盛り込む。
Instagram:
@koheiglass2025
銀座 小十(ぎんざ こじゅう)住所:東京都中央区銀座5-4-8 カリオカビル4階
電話:03(6215)9544
(次回へ続く。
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