プロダクト

うつわ作家・生嶋花さんの、瑞々しく凜々しい白磁

2026.04.17

  • facebook
  • line
  • twitter

〔特集〕今、世界が注目する気鋭作家50 新「うつわ」名鑑 世界で唯一無二の「うつわ」大国、日本。伝統を受け継ぎながらも、工芸とアートの境界を軽やかに行き交う気鋭の作家たちが、今、新たな価値観を創出しています。伝統と革新が交差する現場で、次世代の器づくりに挑む作家たちの創作への思いと、その先に見据える未来に迫ります。

特集「新『うつわ』名鑑」の記事一覧はこちら>>>

瑞々しく凜々しく。白磁のフォルムが花開く
生嶋 花(岐阜・多治見)

卒業生らの目覚ましい活躍で、話題になっている多治見市陶磁器意匠研究所。生嶋 花さんは、その上位研修課程を2025年に修了しました。共同工房の一角にアトリエを構えて作家として歩み始めたばかりですが、その凜と瑞々しい白磁にすでに注目が集まっています。

 

使い手の心に潤いをもたらす生嶋 花さんの白磁の茶器。「上手急須 Lum inous Veil」(幅13×奥行き10.3×高さ17センチ)4万4000円 「茶杯 Spiral」(径5.7×高さ6センチ)8800円。

美術関係の仕事に携わるご両親のもとで幼い頃から芸術に親しんできた生嶋さん。高校では彫刻を専攻し、イタリアへの修学旅行ではベルニーニの彫刻に深い感銘を受けたといいます。美大で木工を学び、一時は木工の職に就いたものの、表現したい形を突き詰めた結果、陶芸に辿り着きました。

「意識していませんが、これまでに自分の中に蓄積されてきた学びや美への感動は、作品制作にとても影響しています」と生嶋さん。

上写真のような急須や器など用途をもつ作品と、用途を超えた造形作品の制作を行き来しながら、静謐さと品位を湛えた佇まいを追求しています。

白磁の流れるようなフォルムは、彫刻的に削り出した複数のパーツを原型にした鋳込みによって形作られます。

雪中に椿が咲く景色から着想した「冬に咲く花」(径19×高さ9センチ)光が当たって煌めく雪を繊細なグラデーションと質感で表現。

「鋳込みは、回転や指の圧といった人為的な力がかかっていない生地で成形できます。型の中に漂っている土の成分がその場で固まる。その土を焼成すると、何ともいえない柔らかさが出るんです」。

鋳込みの制作過程。急須のボディの原型を写した石膏型に、液状の磁土を流し込む。数十分おいて型の内側に層ができたら、型を逆さにして余った磁土を流し出す。

乾燥させて石膏型を外すとボディの形を取り出せる。

工房の棚の最上段には造形作品も並ぶ。

人柄を感じさせる作品の清らかな趣に、すっと心が洗われます。

生嶋 花(いくしま・はな)
インスタグラム:@hanaikushima
1997年生まれ、神奈川県相模原市出身。2019年に武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科木工専攻を卒業し、家具製作会社勤務を経て陶芸家を志す。2024年多治見市陶磁器意匠研究所技術コース卒業、2025年同研究所セラミックスラボ修了。

2026年5月にTouch Ceramics(香港)にてグループ展。
2026年8月15日~23日 ten(東京・江東区佐賀)、
2026年10月21日~12月14日 日本橋髙島屋S.C.本館2階 アートアべニュー(東京)にて個展開催予定。


(次回に続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2026年05月号

家庭画報 2026年05月号

撮影/大泉省吾、鈴木一彦 取材・文/鈴木博美 取材協力/Pond Gallery ※掲載した器の価格および展覧会の会期や場所は変更になる場合がございます。確認のうえ、お出かけください。

  • facebook
  • line
  • twitter

12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2026 / 04 / 17

他の星座を見る

Keyword

注目キーワード

Pick up

注目記事
12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2026 / 04 / 17

他の星座を見る