「山梨デザインセレクション2025」受賞製品が決定!
「山梨デザインセレクション」とは、2024年に発足した「山梨デザインセンター」が主催する新たな取り組みです。山梨県の風土や文化、産業、暮らしに根ざして生まれた優れたデザインを発掘・顕彰し、県内外に発信することで、県全体のデザイン力とブランド力向上を目指しています。
選考委員は、山梨デザインセンター長で、多摩美術大学美術学部統合デザイン学科教授の永井一史氏をはじめ、同センターの深澤直人氏、柴田文江氏、林千晶氏の4名が務めました。山梨県出身のプロダクトデザイナーであり日本民藝館の館長を務める深澤氏、同じく山梨県出身で日用品から医療機器などの幅広いデザインを手掛けるプロダクトデザイナーの柴田氏、そして、WEBデザインや、地方創生・まちづくりなどの空間デザインなどを手掛ける林氏の、それぞれの視点を交差させた評価が行われました。
選考基準として重視されたのは、地域固有の自然や歴史、文化的背景を内包した「山梨の文化的テロワール」を尊重し、デザインに落とし込まれているかという点です。さらに、山梨の風土や文化、資源との繋がりを持つ「地域性」や、これまでにない視点の「創造性」、時代を超えた美しさや機能性を備えた「普遍性」などが評価の観点となりました。
受賞事業者への表彰式当日の様子。インターナショナル・デザイン・リエゾンセンターにて。
多彩なカテゴリーから選出された10の受賞製品
今回の応募総数約150点の中から選出された受賞製品10点は、飲料、調味料から、菓子や加工食品、インテリアまで多岐にわたります。優れたデザインと歴史、文化的な背景、地域性を持つ受賞製品の数々から、特に注目した3点をご紹介します。
「SOIL」のSOILジンジャーシロップ(6種類)

「ADULT PEACH GINGER(アダルトピーチジンジャー)」(左)、「VIVID GINGER(ビビットジンジャー)」(右)。県産の生姜を使用したジンジャーシロップ。その生産から加工、販売までを一貫して行っている点も新たな農業のスタイルとして期待される。林氏は「ボトルのサイジングもちょうど良く、カラフルで個性的なエチケットのデザインが飲み物の価値を再発見させてくれる」と評価。
「七賢(しちけん)」の蔵元、山梨銘醸の「EXPRESSIONシリーズ」

2006年に醸造した古酒を仕込み水の一部に使用した「EXPRESSION 2006」(左)にはミレーの《種をまく人》(1850年)、2012年ヴィンテージの「EXPRESSION 2012」(右)には《落ち穂拾い、夏》(1853年)が描かれている。深澤氏は「山梨県立美術館が所蔵するミレーの作品を用いながら、巨匠・葛西薫氏が手がけたパッケージは趣深い。世界に向け発信していく日本酒として意義がある」と評価。
●七賢「EXPRESSIONシリーズ」についてもっと読む>>>和火(わび)師・佐々木 厳さんの「手持ち花火 花桜」

硝石・硫黄・木炭など自然原料だけを用いた伝統製法による炭火の花火。山梨県市川三郷町で製造された和紙を巻き付けている。永井氏は「打ち上げ花火の生産地でありながら、あえて個人の内面に寄り添う手持ち花火へ転換し、生活の中での火との対話の場を創出した点にストーリーがある」と評価。
表彰式のあとには、選考委員4名によるトークセッションも開催されました。
深澤氏は「山梨県には、本質を見抜いて取り組む県民性と風土があります。それをより多くの方々に知っていただくのが、このセレクションの目的です」と語り、よいデザインやプロダクトに出合う機会になったと笑顔で話しました。
トークセッションの様子。
柴田氏は今回の選考について、「デザインは嘘がつけないもの。良くないものをデザインで綺麗に見せることはできません。逆に本当に良いものが、嘘のない形でデザインを通じて表現されていると、心を打たれます」と語りました。
来年のデザインセレクションでは、どのような「山梨県らしい」プロダクトに出合えるのでしょうか。今から期待が高まります。
●山梨 デザイン セレクション
公式サイト:
https://ydc.pref.yamanashi.jp/special/2025/yamanashi-design-selection/