プロダクト

海外メゾンが次々に注目する、日本の伝統工芸の技術と美しさ

2025.09.16

  • facebook
  • line
  • twitter

〔特集〕~伝え継ぎたい手仕事~世界が憧れる「日本の美」 日本独特の美意識や感性、国民の手の器用さに支えられた世界でもトップクラスの匠の技は、私たち日本人が考える以上に海外の人たちを魅了する力を持っています。日本の手仕事を、今一度再評価し、次世代に継承すると同時に、今の暮らしに息づく道具として世界に発信していきたいと思います。前回の記事はこちら>>

特集「日本の美」の記事一覧はこちら>>>

海外メゾンも注目する日本の暮らしの美意識

何世代にもわたって練り上げられ、継承されてきた日本の伝統工芸の高い技術と独自の美しさ。ラグジュアリーブランドとのコラボレーションや国際見本市で、その価値がますます認められています。

【京提灯】ハイブランドの空間に「小嶋商店」の提灯あり

竹割から和紙貼りまで手作業の「明治」。明治時代に誕生し、110年以上同じ金型で作り続けられている。(直径23×高さ32センチ)5万5000 円/小嶋商店

竹割から和紙貼りまで手作業の「明治」。明治時代に誕生し、110年以上同じ金型で作り続けられている。(直径23×高さ32センチ)5万5000 円/小嶋商店

江戸時代中期の寛政年間に創業した京提灯の老舗、「小嶋商店」。現在は、10代目となる小嶋 俊(しゅん)さん、諒(りょう)さん兄弟がその技法と精神を受け継いでいます。


現在「小嶋商店」の代表を務める小嶋 諒さん。ヨーロッパのファッション、ジュエリー、時計ブランドとのコラボレーション作品も数多く手がける。写真/河野 涼

現在「小嶋商店」の代表を務める小嶋 諒さん。ヨーロッパのファッション、ジュエリー、時計ブランドとのコラボレーション作品も数多く手がける。写真/河野 涼

竹割から紙貼りまで一貫した手作業による伝統製法を守り、頑丈で無骨な小嶋式提灯の特徴を生かしながら、新たな素材やフォルムを追求。

「エースホテル京都」のメインレストランホールに飾られた特注の巨大提灯。半面張りの提灯の中にもう一つの提灯を仕込んだ立体的な作品が、空間のアイコンに。

「エースホテル京都」のメインレストランホールに飾られた特注の巨大提灯。半面張りの提灯の中にもう一つの提灯を仕込んだ立体的な作品が、空間のアイコンに。

京都・南座をはじめとする伝統的な用途から、ファッションブランドのイベント会場やラグジュアリーホテルのロビーや室内など、現代的な空間を彩るための欠かせないアイテムとなっています。

【小倉織】日本の伝統技術を家具に込めて「Time & Style」が世界へ発信

染織家の築城則子さん。地元の骨董品店で小倉織の小さな端切れを見つけたことをきっかけに、研究に着手。小倉織の復元と再生に成功した。写真/masayuki hayashi

染織家の築城則子さん。地元の骨董品店で小倉織の小さな端切れを見つけたことをきっかけに、研究に着手。小倉織の復元と再生に成功した。写真/masayuki hayashi

福岡県北九州市の小倉で江戸時代に始まった小倉織(こくらおり)。特徴は、縞の繊細な美しさと丈夫さ。昭和初期に一度途絶えたものの、地元出身の染織家、築城則子(ついきのりこ)さんにより復元されました。

経(たて)糸を緯(よこ)糸の約2倍の密度にすることにより、厚く丈夫な綿生地を機械織りで実現した小倉織。「KUMASHIMA」はこの技法と縞の美しさを受け継いでいる。

経(たて)糸を緯(よこ)糸の約2倍の密度にすることにより、厚く丈夫な綿生地を機械織りで実現した小倉織。「KUMASHIMA」はこの技法と縞の美しさを受け継いでいる。

2023年には、築城さんがデザイン、監修する小倉織ブランド「小倉 縞縞(こくらしましま)」と建築家、隈研吾さんとのコラボレーションにより、インテリアテキスタイルブランド「KUMASHIMA(くましま)」が誕生。

大小2つの三角柱を組み合わせたソファ「KA」。(幅160×奥行き92.5×高さ62×座面高56.5センチ)81万4000円/Time & Style

大小2つの三角柱を組み合わせたソファ「KA」。(幅160×奥行き92.5×高さ62×座面高56.5センチ)81万4000円/Time & Style

海外にもショールームを構える家具ブランド「Time & Style」のもと、世界の舞台へ踏み出しています。

【漆塗】「クリストフル」× 蒔絵──
唯一無二の芸術的工芸へ

刷毛で漆を塗る箱瀬淳一さん。塗るたびに刷毛目が立ち、美しい流れが完成する。石川県輪島市生まれの箱瀬さんは、蒔絵師・田中 勝氏に師事。輪島塗の極めて高い技術で独自の表現を確立させている。箱瀬さんの奥行きのある蒔絵と繊細な筆致に魅せられた、数多くの海外ラグジュアリーブランドとのコラボレーション作品がある。

刷毛で漆を塗る箱瀬淳一さん。塗るたびに刷毛目が立ち、美しい流れが完成する。石川県輪島市生まれの箱瀬さんは、蒔絵師・田中 勝氏に師事。輪島塗の極めて高い技術で独自の表現を確立させている。箱瀬さんの奥行きのある蒔絵と繊細な筆致に魅せられた、数多くの海外ラグジュアリーブランドとのコラボレーション作品がある。

「クリストフル」の創業190年を記念してスタートした、漆芸家の箱瀬淳一さんとのコラボレーション。同ブランドを象徴する「MOOD(ムード)」に箱瀬さんが蒔絵を施した特別なコレクションが誕生しました。

MOOD Christofle × Junichi Hakose「野の花と蝶」(直径20×高さ30センチ、6名用テーブルセッティング、世界限定8点)1210万円(受注可能)/クリストフル 青山本店

MOOD Christofle × Junichi Hakose「野の花と蝶」(直径20×高さ30センチ、6名用テーブルセッティング、世界限定8点)1210万円(受注可能)/クリストフル 青山本店

2020年には、菊、桜、宝尽くし、龍、鳳凰、天馬の6作品が発表され、翌2021年に発表されたのが、写真の「野の花と蝶」です。

筆先が長い“蒔絵筆”の先の部分に圧をかけながら、「上絵」を描いていく。

筆先が長い“蒔絵筆”の先の部分に圧をかけながら、「上絵」を描いていく。

春を表現する唐草に見立てた蔦、秋を表現する菊と紅葉の間を、美しい蝶が舞う様子が描かれています。カトラリーにも、前述の蔦と菊、紅葉を繊細に表現。

オーバル型のケースに収められたカトラリーの一本一本にも、蒔絵が施されている。

オーバル型のケースに収められたカトラリーの一本一本にも、蒔絵が施されている。

世界限定で発売されたこの作品は、アートコレクターたちを魅了するアートピースとしても、空間を美しく、豊かに彩っています。

(次回へ続く。この特集の一覧>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年09月号

家庭画報 2025年09月号

取材・文/安藤菜穂子

  • facebook
  • line
  • twitter

12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2026 / 01 / 24

他の星座を見る

Keyword

注目キーワード

家庭画報ショッピングサロンのおすすめ
※外部サイト(家庭画報ショッピングサロン)に遷移します。 ※商品の購入には家庭画報ショッピングサロンの会員登録が必要です。

Pick up

注目記事
家庭画報ショッピングサロンのおすすめ
※外部サイト(家庭画報ショッピングサロン)に遷移します。 ※商品の購入には家庭画報ショッピングサロンの会員登録が必要です。
12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2026 / 01 / 24

他の星座を見る