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落合恵子さん「立ち直れないとさえ思った心を本が救ってくれた」。喪失の哀しみに寄り添う本

2022.06.13

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喪失の哀しみに寄り添う言葉の力 第3回(全4回) 誰にも必ず訪れる大切な人との別れ。残された人は、その哀しみにどう向き合い、どう受け止めたら歩き出せるようになるのでしょうか。手紙や日記、ノート、絵本や詩集。それらに書かれた“言葉”が、喪失の哀しみを抱えて生きる心に寄り添う応援メッセージになることもあるといいます。癒やしにもなり、光にもなる言葉の力。心の奥に大事にとっておいた、大切な人との“言葉”にまつわる愛の物語を伺いました。前回の記事はこちら>>

自由と選択を尊重してくれた母
母の言葉が人生の道標になる


落合恵子さん春の花が咲く「クレヨンハウス」のオーガニック・レストラン入り口にて。おなじみのグレーヘアと黒縁眼鏡、笑顔が素敵な落合さん。

作家・「クレヨンハウス」主宰
落合恵子(おちあい・けいこ)さん


1945年、栃木県生まれ。子どもの本の専門店「クレヨンハウス」、オーガニック・コットン・ブランド「ミズ・クレヨンハウス」、オーガニック・レストランなどを、東京・大阪で運営。『泣きかたをわすれていた』(河出書房新社)ほか著書多数。

7年間の自宅介護を終え、母の春恵さんを見送ってから、14年が経つという落合恵子さん。

「時の流れは早いですね。人生は長編小説だと思っていたのですが、こうして生きてみると、びっくりするほど短編(笑)。母が逝ってから余計にそう感じるようになりました。介護をしていたときは、母を見送るまでは私は倒れられない、母を置いてはいけない、と気を張っていたからかもしれません」

喪失感は今も薄れることがなく、「1週間でいい、戻ってきてくれないかなァ」と浮かべる笑みには、寂しさと懐かしみが混じり合っているようです。思えば母と娘、親密な人生でした。

「今でさえ未婚での出産には、社会という壁が立ちはだかる場合が多いのに、77年前ですから、大変な覚悟で育ててくれたと思います。でも、母からいっさい愚痴のようなことを聞いたことはなかった。しっかりと自分の人生を引き受けて、自分を生きた人だった、そう思います」

手鏡とカーディガン

右・ビーズが好きだった母のために購入したカーディガン。残念なことに一度も腕を通す機会がなかった。左・妹の照恵さんから譲り受けて、母が大切に使っていたという鎌倉彫の手鏡。

そんな母から言われ、落合さんの人生を貫いてきた、一つの言葉があるといいます。

「『あなたの人生だから、自分で決めて、自分の思うように生きなさい』と。あれはダメ、これはダメと言われそうなところを、私の自由な意志を尊重してくれた。それは自分で責任をとりなさいということ?と聞くと『そうよ』って、気持ちがいいくらい、サラッと返されるんです。そういえば集団生活が苦手な私が、中学生の頃に学校をやめたいと言い出したときも、『やめたいならやめなさい』と言われましたっけ(笑)。そう言われたらやめるわけにはいかない」

この話だけを聞くと、春恵さんは竹を割ったようなかたであったかと想像しますが、娘である落合さんは母の背を見ていました。




【母・春恵さん → 娘・恵子さん】私が幼い頃から折に触れ、言ってくれた言葉。

自分の思うように生きなさい。
あなたの人生なのだから


「たくさんの苦境を乗り越えながら、一つ一つを自分で決断してきた母。娘の私にもその強さを教えてくれました」



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