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フランス移住1年生が案内する、ノルマンディ&ブルターニュの弾丸ツアー

2019.07.10

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意外となんとかなる!? 40代のフランス移住 Season2

ファッションライターとして『家庭画報』をはじめ、大人の女性に向けた雑誌で活動してきた河島裕子、改め、ルロワ河島裕子が、夫の故郷であるフランスに家族3人で移住することを決意。42歳で初の海外移住を遂げ、初心者ならではの目線で、移住ライフの模様をお届けする、エッセイ連載第2弾が今週からスタートします。フランス北部の田舎での生活、そして伝統行事や子供のこと、フランスの地方を旅した模様などをリポートしていきます! フランス移住シーズン1はこちら>>>

第2回 個性豊かなフランスを知る、ノルマンディ&ブルターニュの旅



友人をもてなす2泊3日の超弾丸ボヤージュ


フランス旅行というと、やはり真っ先にパリでの滞在を思い浮かべる人も多いでしょう。

私自身フランス人の夫と出会う前も、仕事を含め6回ほどフランスにを訪れる機会がありましたが、ほとんどがパリ滞在だけに終わっていました。それほどにパリが魅力的なのも事実ですが、地方には全く違った個性があり、まるで別の国を旅しているように面白いものです。


そんな地方の魅力に触れてほしいという思いから、昨年秋、ヨーロッパ出張の合間を利用してフランスを訪れた友人をおもてなし。

2泊3日という短い滞在ながら、当時手に入れたばかりの車をフル活用して、フランスの北西部に位置するノルマンディとブルターニュを旅した時の模様をお届けします。

当日から大ハプニング発生で大慌て!!


シャルル ド ゴール空港に夕方に到着する予定だった友人から、深刻なLINEメッセージが届いたのは、当日早朝3時前のことでした。忙しい翌日以降に備え、すっかり熟睡していた私は、朝6時前にそのメッセージを見て、思わず動転。

──「飛行機に乗り遅れました。また連絡します」──。

さすが、私の友人です。しかし、直後彼女に電話をかけてみると、すでに落ち着きを取り戻していました。「今日の夜の便に振り替えたから、明日の早朝パリに着くよ」。

短時間で事態をリカバーした彼女のナイスプレーに安堵したと同時に、私たちは当初の予定のノルマンディ&ブルターニュ旅行のプランを練り直すことに。

そうして急遽2泊3日となった総移動距離約1300kmの弾丸旅行が、友人のパリ到着と同時に幕を開けたのでした。

旅の幕開けは美しい港街オンフルールから


翌早朝4時に夫と息子を叩き起こし、5時半には空港に友人をお迎え。そのままダイレクトにノルマンディの港街、オンフルールへと向かいました。そこは北フランスの中でも、私が特に好きな場所。ぜひ友人にも訪れてほしかったのです。

オンフルールに到着したのは、朝の8時過ぎ。まだレストランやお店もオープンする前の静寂な空気に包まれた街……、かと思いきや、今や大人気の観光地となったこの街には、朝早くから観光バスがガンガン到着。

メガホン持ったガイドさんとともに、各国の観光客の団体さまが街中を大移動! 6年前に訪れた時には全く見られなかった光景で、それほどまでにこの街が多くの人を惹きつけているという証拠でしょう。

印象派の画家たちに愛された街


街一番の見どころは、やはり色とりどりの家が並ぶ旧港。まるで絵画でも眺めているかのような感覚を覚えるほどの美しさです。印象派の画家たちも、この街に魅了され、多くの作品を残しています。

そのほか、歩いているだけで楽しいノルマンディらしいコロンバージュ(木骨造)の家が並ぶ旧市街、フランス最古&最大の木造建築として知られるサント・カトリーヌ教会、印象派の絵画を収集しているウジェーヌ・ブーダン美術館など、たくさんの見所があり、一日かけてゆったり過ごしたい……ところでしたが、何しろ時間に追われた弾丸ツアー。その日は午前中じっくり街散策し、ランチ後に次なる目的地へ向かうことに。ちなみに暖かい季節なら海岸を散歩するのもオススメです。


何時間でも眺めていられるくらい大好きなオンフルールの港。実際、この景色を眺めながら、1時間くらいおしゃべりして過ごしました。またオンフルールは、かの天才作曲家エリック・サティの生まれ故郷。港からも程近い彼の生家は、ミュージアムとして一般公開されています。



港街を訪れたからには、やはりシーフードをいただかなくては! と、誰よりも楽しみにしていたのが、我が夫です。オーダーしたのは、フレッシュオイスター、魚介のスープ、そして外せないのが、ムール・フリット(ムール貝のマリニエールとフライドポテト)。港に整然と並ぶヨットを眺めながら、数か月ぶりに再会した友人といただくランチは、なんとも贅沢で幸せな気分に。

中世の面影を残す小さな街、ディナンへ


さて、午後2時頃、滞在時間わずか6時間のオンフルールに別れを告げ、次に向かったのがブルターニュ北東部にある小さな街、ディナンです。

ここはブルターニュに住んでいる友人さえ知らなかった穴場的な街(でもしっかり『地○の歩き方』にも載っています)。フランス一有名な世界遺産モン・サン・ミッシェルやブルターニュの中心都市レンヌまでも、それぞれ車で約50分とアクセスがいいことに加え、中世の面影を今に残すこぢんまりとした街自体も可愛らしく、車の旅ならブルターニュ旅行の拠点とするのにも最適。

到着した午後5時頃には、ピンク色に染まった薄い雲に覆われた日没直前の空と石造りの街並みのコントラストがなんとも美しく、友人と私たちはすっかりこの街の魅力にはまってしまいました。

そして街散策の後には、ブルターニュに来たからには是が非でも食べたいガレット&クレープでお腹を満たし、大充実の一日を終えたのでした。


中世にタイムスリップしたような気分になる可愛らしい街ディナンは、夫のオススメ。急な石畳の坂道がたくさんあるので、ハイヒールでは超危険!

一生に一度は拝みたい!? モン・サン・ミッシェルの荘厳さ


さて、この旅のメインイベントとなったのが、友人が「死ぬまでに一度訪れてみたかった」と言っていたモン・サン・ミッシェル。私にとっては、20数年前の真夏の快晴の日に訪れて以来、2度目のことです。

11月上旬のフランスらしいどんよりとした空模様でしたが、その日の天候と相まって、目の前に現れたモン・サン・ミッシェルは、一層威厳に満ちた表情を見せてくれたように感じました。

日本だったら気持ちのよい季節であろう11月初旬は、ノルマンディはすっかり冬の始まり。

モン・サン・ミッシェルもオフシーズンに突入したのか、島のメインストリートにあるお店やレストランの多くが改装工事に入っていたのは少し残念でしたが、その分観光客が少なく、より神聖な空気を味わうことができたような気がします。

島の頂上に聳え立つ修道院の壮麗さに心打たれたのはもちろん、西のテラスから見下ろす海のなんとも神秘的なこと!

駆け足で訪れたモン・サン・ミッシェルを後にしようとしたちょうどそのとき、空に虹がかかり、何か天からいいメッセージを受け取ったような不思議な気持ちになりました。


曇天の下、厳かな空気に満ちたモン・サン・ミッシェル。快晴の日に訪れた前回の清々しい表情とは一味違った重厚な印象でした。

ブルターニュの中心地、レンヌは学生の街


そして午後は、ブルターニュ最大の街レンヌへ。ここは夫が2度目の学生生活を送った場所であり、彼にとっては2つ目の故郷ともいえる街。人口の1/4が学生という大学都市で、若々しいエネルギーに満ちた活気があります。

18世紀の大火災や第2世界大戦により歴史的建造物の多くが消失したそうですが、旧市街にはコロンバージュの家々が残っています。モン・サン・ミッシェルまで足を延ばすなら、何としてもレンヌに行きたい!という彼のたっての希望でした。

夫の行きつけだったというピタサンドのお店やカフェ、住んでいたアパルトマン、本屋、そしてパブを訪れ、友人をもてなすはずが、思い出に浸る夫の昔話をひたすら聞くことに……。そのおかげもあってリアルなレンヌを味わうことができ、友人も喜んでくれたようでした(と思いたい)。

その日の夜は、夫の親友夫婦とともに、彼らイチ押しのモダンなクレープリー「La Saint-Georges」で、洗練されたガレット&クレープをいただき、進化したローカル料理に大満足の夜となりました。


レンヌのスタイリッシュな大人気クレープリー「La Saint-Georges」。すべてのガレットやクレープには「ジョージ・クルーニー」や「ジョージ・ルーカス」、「ジョージ・ハリスン」など、ジョージの名を持つ著名人の名前がつけられているなど、遊び心あふれるネーミングセンスにも脱帽!

最後の最後まで観光しきった充実の3日間


2泊もしておきながら、散策する時間がほとんどなかったディナンの街を最終日になってようやくゆっくり散策。といっても、旧市街はとても小さいので、半日あれば主要な部分は回れてしまいます。

ブルターニュ名物の塩キャラメルクリームをお土産に買い、ランス川岸にある小さなレストランでランチをし、その足でシャルル・ド・ゴール空港へと友人を送りとどけ、大移動の旅を締めくくりました。

友人をもてなす気持ちでフランスを眺めて見ると新たな発見(というか移住したばかりの私は常に発見ばかりですが)があり、新鮮な気持ちで旅することができ、フランスという国の奥深い魅力を改めて実感するのでした。

さて、次回は食の先進国であるフランスのBIO(オーガニック)事情についてリポートします!

ルロワ 河島 裕子 / Hiroko Kawashima Leroy

ファッションライター
『家庭画報』をはじめ大人の女性に向けた雑誌で、ファッションやジュエリー、時計を中心に幅広く執筆。2018年9月より、家族とともに、生活拠点をフランス北部の田舎に移す。夢はワインの聖地・ブルゴーニュでB&Bを営むこと。パリで道ゆくおしゃれな人に体当たり取材する「パリ、大人のおしゃれの見本帳」を家庭画報.comで連載中。

「40代のフランス移住」 シーズン1はこちら>>>
フランス移住こぼれ話
「洋式なのに便座がついていない!」──。再びトイレネタで恐縮ですが、皆さん、フランスでこんなトイレに遭遇したことはありませんか? 見たことがないとなかなか想像ができないのですが、文字どおり洋式トイレから便座を取った状態です。フランスではカフェやナイトクラブ、そして高速道路のサービスエリアなどで、しばしば見かけます。一番最初にこのトイレを見た時にはどうしていいかわからず、用を足さず、外で待っていた在仏歴の長い友人に使い方を聞いてしまったほど。 すると友人は「私は中腰でするよ」と一言。中腰でトイレって──、そんなハイレベルな!! それから私はそのトイレに遭遇すると、まずはトイレットペーパーで便器の縁を掃除し、その後肌が接触しそうな場所にトイレットペーパーをかけ、中腰でトライすることにしたのですが……。 これがきつめのスクワット並みのアングルで、腹部と大腿部にかなりの負荷が! 最初の頃は太ももが震え、うっかり便器に肌がついてしまったこともありました。しかし高速道路をよく利用することもあり、すっかりそのテクニックをマスターした今日この頃です。
写真・イラスト・文/ルロワ 河島 裕子
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