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フランス移住生活1年目の締めくくりは、コテコテ王道のクリスマス体験

意外となんとかなる!? 40代のフランス移住

ファッションライターとして『家庭画報』をはじめ、大人の女性に向けた雑誌で活動してきた河島裕子、改め、ルロワ河島裕子が、夫の故郷であるフランスに家族3人で移住することを決意。幾多のハプニングに見舞われながらも、2018年9月中旬に無事渡仏。40歳を超えての移住、フランス北部の田舎での暮らし、そして時折ときめきを求めて訪れるパリやフランス各地で出会った素敵なものをリポートしていきます。第5回目の今回は、フランス人にとって1年で最大のイベント、ノエル(クリスマス)の過ごし方を海外移住初心者ならではの浮かれた目線でお伝えします。バックナンバー>>>

第5回 フランス生活最初の年を締めくくるのは、コテコテ王道のクリスマス体験

本格的なクリスマスシーズンの幕開けです!

早いものでフランス移住生活もまもなく3か月。ついに、大人も子供も待ちわびるノエル(クリスマス)の季節がやってきました!

日本ではハロウィンが終わった頃から、早くも街はクリスマスムードが高まりますが、フランスではパリなどの都市部でも11月中旬から徐々にデコレーションが始まり、田舎では11月下旬になるとクリスマスマーケットの設置などの準備が始まるといった感じです。

またフランスの家庭では、クリスマスの約4週間前の日曜日に、家のデコレーションを始めることが多いそうです。

調べてみたところ、キリスト教西方教会において、11月30日の「聖アンデレの日」に一番近い日曜日(もっとも早い年で11月27日、もっとも遅い年で12月3日)からクリスマスまでの約4週間の「アドベント」(フランスでは「アヴァン(avent)」、日本では「降臨節」や「待誕節」と呼ばれるそう)は、イエス・キリストの降誕を待ち望む期間で、これがいわゆる本格的なクリスマスシーズン。

楽しい気分を高めるデコレーション

で、我が家もフランスの慣例にならい、12月2日のアドベントの第1日曜日に飾り付けをスタートしました。

クリスマスツリーには、これまで夫が子供の頃から飾っていた年季もののオーナメントに加え、東京の我が家で使っていたアイテムがプラスされ(前回のこぼれ話でお伝えしたとおり、遅れに遅れていた引っ越しの荷物が11月末に届き、ギリギリ間に合いました!)、正直まとまりのない凸凹感は否めませんが、新たな家族の歴史が加わった賑やかなデコレーションとなりました。

またフランスのクリスマス装飾に欠かせないアイテムとして「クレッシュ」というものがあります。もしかしたら皆さんもクリスマスシーズンにヨーロッパにいらっしゃったことがあれば、街角でご覧になったかもしれません。

これはイエス・キリスト生誕の場面を再現したもの(辞書には「キリスト生誕群像」とあります)で、クリスマスが聖なるイベントであることを実感させるアイテム。我が家も敬虔なるカトリック教徒の義母が大切にしてきた小さなクレッシュをサイドテーブブルに飾り、今年のクリスマスシーズンが幕を開けたのです。

 


名物「ギャラリー・ラファイエット・パリ・オスマン」の巨大クリスマスツリー。今年はジュエラー「ピアジェ」とのコラボレーション。

移住1年目、まずは“王道のクリスマス”を体験

夫にとっては、久方ぶりの母国で過ごすクリスマスシーズン。最後にフランスでクリスマスを迎えたのは息子が生後7か月の時だったので、5年ぶりのことです。で、当時の記憶などない息子を思い、今年はフランス人には鼻で笑われそうなほどコッテコテの“ザ・王道”クリスマスを体験させてあげたいとのことで、パリの冬の風物詩、有名百貨店「ギャラリー・ラファイエット」と「プランタン」のショーウィンドー&クリスマスツリー見物へと出かけました。

(※筆者が現地を訪れた1週間後の12月上旬現在、フランス各地で「ジレ ジョーヌ(黄色いベスト)」がかなり拡大、デモに便乗した一部が暴徒化し、警察や治安部隊との衝突もいっそう激化しています。外務省から注意喚起もされているかと思いますが、パリにいらっしゃる方は、シャンゼリゼ通りや凱旋門付近、有名百貨店などの人が多く集まる施設や観光地へのお出かけは、デモが沈静化されるまでお控えいただくなど、何卒ご注意ください)

ここはニュースにも登場するような定番のクリスマス装飾スポット。私もかつて2度ほど見たことがありましたが、夢と美的センスに溢れたディスプレイは、大人だって一見の価値あり! おとぎ話の世界のごとく、美しい色に満ちた可愛らしい仕掛けは、見ているだけで幸せな気分に浸れます。

各ディスプレイは、様々なブランドとコラボレートしていて、それぞれのアイテムが融合して夢の世界を形づくっているところもさすが。長くファッション業界にいた私は、つい仕事目線でこのディスプレイを眺めてしまうのでした。

その日はイルミネーションで彩られた大渋滞のシャンゼリゼ大通りを車で通り抜け帰路につき、パリの華やかなクリスマスムードに家族揃ってうっとりと浸った1日となりました。


「ギャルリー・ラファイエット」の今年のディスプレイのテーマは「夢の工場」とのことで、公募で集まった5〜10歳の子供たちが描いたイラストの中から選ばれたキャラクターが、各ウィンドーに登場。

 


一方「プランタン」のテーマは「サンタクロースの魔法の世界」。ジュールとビオレットという2人の子供が魔法の世界で冒険を繰り広げるという、ストーリー性のあるディスプレイに思わず引き込まれます。こちらは「フェンディ」のウィンドー。

子供たちのワクワク気分を盛り上げるカレンダーを眺める楽しみ

そんなキラキラムードに包まれる季節は、誰もが日ごとクリスマスまでの日数を指折り数えるのですが、このワクワク気分をさらに盛り上げてくれるアイテムがあるのです。それが「カランドリエ ドゥ ラヴァン」(アドベントカレンダー)。

この子供向けのカレンダーは、12月1日から一つずつ窓を開けていくと、毎日お菓子やおもちゃが出てくる仕掛けで、最後の24日にはスペシャルなアイテムが登場するというもの。これまでは毎年義母がフランスから日本に送ってくれていましたが、今年は息子にバレないようにこっそりスーパーで購入。

このカレンダーを子供に見せた時の反応は親にとっても楽しみなのですが、それ以上に息子のリアクションを猛烈に期待している浮き足立った夫の姿を見るのが、密かな私の楽しみでもあります。

田舎のクリスマスは、胃にも過酷なフードマラソン

さて、まだ今年のクリスマスは来ていないので、当日のことはお届けできませんが、我が家では毎年恒例の親戚が集うホームパーティに参加する予定です。私はかつて2度ほど参加しましたが、親戚総勢20名強が集うパーティは、25日の正午頃にスタートし、夜の10時頃まで食べっぱなし、飲みっぱなしという、平均的な日本人の胃袋を持つ私にとっては過酷極まりない休みなしのフードマラソン!

まずはリビングルームでのアペロタイムから始まり(我が家はこのアペロが2時間近くかかります)、テーブルについてその年のホストにより前菜数種、メイン、チーズ、デザートに加え、それぞれが持ち寄った料理が次々とサーブされるという、楽しみと同時に胃袋にちょっぴり恐怖感さえも覚えるクリスマスパーティです。

これまでの2回は妊娠中による疲れや授乳を言い訳に、度々別室で休憩をとっていたのですが、今年はそんな言い逃れは許されそうもないので、、必ず胃薬を持参し万全の態勢で臨みたいと思います!

フランス人にとっては日本のお正月のように、普段は別々に暮らす家族たちと再会し、水入らずの時間を過ごせる大切な機会。私も遠く離れた日本の家族や友人たちを恋しく思う季節なのでした。

さて、5回続いたこの連載も、今回を持ってひとまず終了。ご高覧、誠にありがとうございました。またの機会に、皆さまにフランス移住ライフのあれこれをお伝えできることを、楽しみにしております。
日本の皆さまも、素敵なノエル(クリスマス)&年末年始を!

ルロワ 河島 裕子 / Hiroko Kawashima Leroy

フリーライター

アパレル商社勤務の後、フリーのファッションライターに。『家庭画報』をはじめ大人の女性に向けた雑誌で、ファッションやジュエリー、時計を中心に幅広く執筆。強烈な個性を持つフランス人の夫と息子の3人家族。2018年9月より、拠点をパリから1時間ほどのフランス北部の田舎に移し、大自然の中でのんびり生活をスタート。移住直前に猛勉強した金継ぎと蒔絵を、フランスの地で実践中。夢は、家族とともにワインの聖地・ブルゴーニュでB&Bを営むこと。

フランス移住こぼれ話

日本では自動車を運転する際に「お酒は1滴も飲まない」のが鉄則ですが、フランスの交通法では血中アルコール濃度が0.5g未満であれば運転できます(2018年現在)。

これがどのくらいの量かといいますと、仮に体重65kgくらいの男性ですと、食事なしだとアルコール2杯(1杯=ウィスキー30ml、食前酒80ml、ワイン100ml、ビール250ml)、なんと食事と一緒だと3杯がギリギリセーフ(!)だそうで、日本の感覚では仰天のかなりの量(ただし近年、フランスでも飲酒後の運転を控える人が増えてきているよう)。

しかしこの時季、おそらくフランスの田舎ではこのルールさえ守れない人が続々と登場するのでしょう。

数年前のクリスマスシーズンに車で出かけた時には、畑に突っ込んで身動きできなくなっている哀れな数台の車に遭遇しました。皆さまももしフランスで運転される機会がありましたら、ほどほどにお楽しみいただければと思います(アルコール分解能力に自信のない方は、ぜひノンアルコールで!)。

写真/Olivier Leroy、ルロワ 河島 裕子 イラスト・文/ルロワ 河島 裕子

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