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今森光彦さん、農家になる。姿を消した、はさ木の風景

環境農家への道 アトリエ「オーレリアンの庭」で知られる写真家で切り絵作家の今森光彦さん。理想とする里山を実現するべく、自ら農業従事者となり数年前に荒地を取得。その荒野を「オーレリアンの丘」と名付け、たくさんの蝶が集う美しい場所とすべく奔走する、今森光彦さんのエッセイです。これまでの記事はこちら>>

朝焼けの中に浮かび上がるはさ木。 私がよく通ったこの場所には、もうはさ木は見られない。

今森光彦、環境農家への道
第19回 姿を消した、はさ木の風景(前編)

(写真・切り絵・文/今森光彦)

窓の外では、色づいた葉が、はらはらと舞い落ちている。紙ヒコーキのように、ゆるやかな曲線を描いて降下するものや、くるくると回転しながらリズミカルに地上に到達するものもいる。その様は、これから幕を閉じようとしている自然の劇場に、木々たちが賛歌をおくっているようだ。晩秋のひととき、静かな風景をただ眺めているだけで、いつも心が満たされる。

農地の竹を伐採しているとき、頭の中で 常に描いていたのが、道のレイアウト。緩やかな傾斜の土地が半分くらい露(あらわ)になってきたとき、一本の道のイメージがかたまった。

それは、はさ木の並木道。

実は、農地を開墾したら、真っ先にはさ 木の農道を作ろうと決めていた。

赤くなったエノキの実に舌鼓をうつのは、イカルた ち。黄色いくちばしと、羽のブルーがひときわ美し い。イカルは、アトリエの雑木林でいつも美声を放 ってくれる。こんな光景を見ると、ヒノキ林を伐採 して広葉樹の森にしてよかったとつくづく思う。 切り絵のサイズは70×50センチ。

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