[現地特別取材]2026ミラノデザインウィーク探訪 海外インテリアの新潮流を訪ねて 世界のインテリアの潮流を決するといわれる「ミラノデザインウィーク」。ミラノサローネ国際家具見本市とミラノ市内のデザインイベント「フォーリサローネ」の2つを総称して呼ばれる世界最高峰のデザインの祭典です。真のデザインとは消費されるものではなく、長く愛され受け継がれるべきもの──そんなメッセージを色濃く感じとれる場となった今回、次代へ手渡す美のかたちを求めて、本物回帰へと向かう新たな潮流を探訪しました。
モルテーニ
自然とのつながり、柔らかな曲線が生むやすらぎ
世界最高峰のシステム収納、総合インテリアブランドとして知られるモルテーニ。アウトドアコレクションの発表に際して、セナート通りに美しい庭園を生み出しました。『Responsive Nature』と題したインスタレーションを手がけたのは、エリーザ・オッシーノ。
「感覚的で個人的な関係を物と結びたいという欲求が高まっている」
── エリーザ・オッシーノ(建築家・デザイナー)

アームチェアはジオ・ポンティの「D.154.2」。
Elisa Ossino
エリーザ・オッシーノシチリア出身の建築家、デザイナー。ミラノを拠点に、幾何学的な形状を組み合わせた絵画的な作風で、家具、インスタレーション、アートディレクションなどを横断的に手がける。
6つの異なるテーマをもつ庭は、人と自然、デザインの関係への考察から生まれたもの。「視覚だけでなく、香りや音、触覚を取り入れたマルチセンソリアルな体験を重視しました。スクリーンと非物質的なものに費やす時間が長くなり、より感覚的で個人的な関係を物と結びたいという欲求が高まっていると思います」。
ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンがデザインした新作「ソレヴァ」シリーズ。

スタジオドルドーニによる「チェルシー」シリーズ。
シチリア島にオレンジやオリーブ畑も所有し、自らオリーブオイルを作るなど、自然との深いつながりを日常的にもつという彼女。各庭には、その個人的な体験や自然観が反映されています。
柔らかな曲線のヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンのソファ「ジュリアン」とテーブル「エーテル」。
一方、歴史的建物を改装した予約制ショールームの「パラッツォ・モルテーニ」では、ブランドが得意とするカスタマイズ可能なワードローブや壁面収納をはじめ、芸術品のような家具の数々が並びました。
収納システム「グリスマスター」には、扉の仕様が増えた。

クリスティン・モハデッドのアームチェア「コルセット」は、レザーベルトが印象的。手前のテーブルはクリストフ・デルクールによる「フルール」。

天然石をくりぬいたバスタブや水栓金具まで新たにバスルームコレクション(日本展開未定)が加わり、360度トータルコーディネートが可能に。
建築の水平垂直のラインに対し、インテリアには柔らかな曲線で丸みをもたせているのが今年の特徴。インドアもアウトドアも、自然との調和ややすらぎを重視したコレクションでした。
パラッツォ・モルテーニ東京
https://www.molteni.it/jp/・
特集「2026ミラノデザインウィーク探訪」の記事一覧はこちら>>>