[現地特別取材]2026ミラノデザインウィーク探訪 海外インテリアの新潮流を訪ねて 世界のインテリアの潮流を決するといわれる「ミラノデザインウィーク」。ミラノサローネ国際家具見本市とミラノ市内のデザインイベント「フォーリサローネ」の2つを総称して呼ばれる世界最高峰のデザインの祭典です。真のデザインとは消費されるものではなく、長く愛され受け継がれるべきもの──そんなメッセージを色濃く感じとれる場となった今回、次代へ手渡す美のかたちを求めて、本物回帰へと向かう新たな潮流を探訪しました。
ポリフォーム
ミラノの記憶を纏うタイムレスエレガンスを、歴史的舞台で体現
スカラ広場の新旗艦店オープンと、18世紀のクレリチ宮殿での新作発表で話題をさらったポリフォーム。2つの歴史的な場で示したのは、ミラノの記憶と現代の暮らしの美意識との対話でした。
「進化とは、成長の軌道の中で伝統を尊重すること」
─── ガイア・スピネッリ(創業家3代目)

18世紀に遡る貴族クレリチ家の邸宅を会場に。家具を羅列ではなく、歴史と対話する現代の暮らしの風景として演出。ジャン= マリー・マッソーのデザインが描くリビングには、「サヴォイ」のモジュール式ソファとコーヒーテーブル、アームチェア「アルフレッド」が。

ジャン= マリー・マッソー。新旗艦店を象徴する木製の螺旋階段の前で。
「ミラノとは、ドゥオモであり、スカラ座なのです」と、創業家3代目のガイア・スピネッリさん。新旗艦店を「この場に身を置くこと自体が、ブランドの美意識を示す宣言なのです」と表現します。
Gaia Spinelli
ガイア・スピネッリ1942年創業のポリフォームを率いる創業家3代目。マーケティング・営業部門で活躍、ブランドイメージやデザインアイデンティティの発信にも携わる若手世代として注目。
宮殿の中庭では、インスタレーション『マルティチュード』を展開。竹林のように配した黒く艶やかなポールに光、影、反射を重ねた幻想的な庭を実現。そこに新作家具が浮かび上がる風景が描くのは、都市、人、歴史、自然、家具のレイヤーが織りなす“多層の美”でした。
『マルティチュード』の正面を飾るマッソーによるアウトドア家具「ショア」。手編みロープによるシェル型のソファと、水面の反射を天板に表現したテーブル。
また、過度な修復を避け経年美を称えた宮殿内は、センシュアル・ラグジュアリーを体現した新作の理想的な舞台に。
ヤブ・プシェルバーグによるベッドシステム「ラナイ」。豊かなモジュールでナイトエリアを拡張する。
シェニール生地の豊かな触感を纏った「サヴォイ」、貝や波を思わせるフォルムが自然との一体感を描く「ショア」── そこには職人技、素材への洞察、伝統への敬意など、見えない幾層が支える感覚的な豊かさが宿っています。
「進化とは、成長の中で伝統を尊重すること」とガイアさん。ミラノの記憶とともに磨かれるタイムレスなエレガンスがそこにありました。

スカラ広場に誕生した新旗艦店
約150年の歴史を誇る建造物が新拠点に。天然素材や鏡、ミラノの風景と響き合う3フロアの上質な空間では、ブランドの真髄、トータルリビングの世界に没入できる。
ポリフォーム
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