[現地特別取材]2026ミラノデザインウィーク探訪 海外インテリアの新潮流を訪ねて 世界のインテリアの潮流を決するといわれる「ミラノデザインウィーク」。ミラノサローネ国際家具見本市とミラノ市内のデザインイベント「フォーリサローネ」の2つを総称して呼ばれる世界最高峰のデザインの祭典です。真のデザインとは消費されるものではなく、長く愛され受け継がれるべきもの──そんなメッセージを色濃く感じとれる場となった今回、次代へ手渡す美のかたちを求めて、本物回帰へと向かう新たな潮流を探訪しました。
ミノッティ
70年代の感性と90年代の知性の融合。フィエラ会場最大規模の展示
ミラノサローネで約4500平方メートルもの空間を披露したミノッティ。そこに広がるのは建築、デザイン、アートが響き合う、映画のワンシーンのような住空間。
コンクリート脚が印象的なテーブルは、ジャンピエロ・タリアフェッリの「ブルータリスト」。彫刻的なチェアは、ハンネス・ピールの「リリアム」。

ガムフラテージのモジュラーソファ「ラッフル」に、Studio MK27による美しいロープ編みの「エラス コード・アウトドア」を合わせて。
「多層化する現代の暮らしには、機能や美しさを超え、記憶や文化、感情に響く深みが求められています。私たちは、新作発表だけでなく、家具、建築、インテリア、アートが一つの物語を紡ぐ空間を通じ、より広い意味でのデザインを表現しました」と語るのは一族3代目のスザンナさん。
「継承とは記憶と変容の対話であり新たな表現の基盤なのです」
──スザンナ・ミノッティ(創業家3代目)

ミノッティ家3代目のスザンナさん。新作を象徴するモジュラーソファ「ラッフル」に腰掛けて。包容力ある柔らかな構造と縦に走るステッチが、70年代の温もりと端正な美しさを描く。有機的な石目が印象的なコーヒーテーブルは、ピールによる「オロール」。
Susanna Minotti
スザンナ・ミノッティインテリアデコレーション部門責任者。創業家3代目の一人としてブランドの美学と空間デザインの方向性を牽引。伝統と革新を融合させた「ミノッティ・コード」の継承者。
著名ギャラリー(トルナブオーニギャラリー)の協業によるアート作品が空間に知的な奥行きを添え、剥き出しのコンクリートに艶やかなダークブラウンの木質感を重ねた空間には、ギャラリー的緊張感と私邸の温もりが共存しています。
タリアフェッリによる壁付け収納「ドヒニー」とソファ「オリオン」。
この二面性は、90年代の抑制された知性と、70年代の豊かな感性を融合させた新作にも色濃く表れています。クリーンなラインと精密なプロポーションに、磨き上げた木材、ベルベットやメタルなどの触感的な異素材が重なり、“温度を宿したミニマリズム”とも呼ぶべき空気感を形成。過去の記憶を、現代の美意識へと更新していました。「私たちにとって継承とは、保存と変容の間にある継続的な対話。反復ではなく、生きたプロセスなのです」。培われた品質とものづくりの文化が、新たなラグジュアリーの輪郭を描いていました。
会場内にはベランダやテラスが点在し、インドアの新作に呼応する充実したアウトドアアイテムを展開。ソファとコーヒーテーブルはタリアフェッリによる「オリオン・アウトドア」、アームチェアはピールによる「エラス コード・アウトドア」。

幾何学的なモジュールで構成されるソファ「ソフトケース」は、ステッチのディテール、幾何学的なモジュール構造、そして洗練されたフォルムと柔らかな快適さの絶妙なバランスが特徴。
ミノッティ
https://minotti.jp