〔特集〕八ヶ岳南麓にセカンドハウスを建てて10年「ようこそ夢のローズガーデンへ」地釡政弘&愛枝夫妻の美しき景色づくり 家庭画報本誌編集部に一通のお便りが届いたのは5年前の春のこと。「土地購入から20年かけてバラの庭をつくりました。八ヶ岳南麓にお越しになりませんか」とのお誘い。地釜夫妻は都下で、バラの庭づくりをライフスタイルの中心に据えた日々を過ごすうち、リタイア後の人生設計は、広い敷地でゼロから庭づくりをしようと心に決めて、八ヶ岳高原に土地を入手。10年前に長年ヨーロッパの庭巡りで夢見ていた「石積みの家」を建てることから、理想の庭づくりを始めました。未公開のプライベートガーデンの誌上散策へご案内しましょう。
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誘引でより高く広く夢見る世界を
つるバラで風景を描く
遥か向こうに聳えるのは南アルプス連峰。ここからは鳳凰三山や甲斐駒ヶ岳、晴れた日には北岳を一望することができ、手前の森と庭がひとつながりに。広々とした庭を彩る中央の2本のバラはランブラーローズの“ポール・ノエル”。政弘さんがウィーピングスタンダード仕立てに仕上げたもの。
新しい庭を得たら叶えたい夢の一つが「バラの花綱回廊」(
「120種が咲き満ちる庭園デザインを公開」、
「色や花形に感性が光るバラ選び」参照)のように空間を縦に生かす庭づくりでした。高く広く花で満たすのに欠かせないのがランブラーローズとクライミングローズの存在です。
ランブラーローズとは四方八方に枝を伸ばす樹形を表し、旺盛な生長力で伸びた枝が広がります。「つる」といいながら自力で絡む力はありませんが、枝がしなやかで花つきがいいので、誘引することによりフェンスや壁面を覆い、広く高く花満ちる景色が生まれます。一方、同じように誘引して育てるクライミングローズはそこまで生長せず、枝が太くて曲げにくい難点がありますが、豪華な大ぶりの花、深紅を含んだ多彩な色、濃厚な香りをもつ品種は類を見ず、お二人はその両者を巧みに補完させながら、魅惑の景色をつくり出しているのです。

冬に途絶えた手入れを再開して約3か月を経た6月の朝、2階の窓を開けると、庭づくりを始めたときの5つ目の夢「向かいの山並みと一体化するように景色を繫げる」の光景が広がり、20年前に愛枝さんがノートに記した言葉が甦ります。
右・地釡政弘(じがま・まさひろ)1957年生まれ。東村山市在住。NHK BS「私のガーデニングコンテスト2001」優秀賞。2011年「第21回全国花のまちづくりコンクール個人部門」奨励賞受賞。
左・地釡愛枝(じがま・いとえ)1955年生まれ。1999年より難波光江さんに師事。2000年、「国際バラとガーデニングショウ ハンギングバスケット部門」で農林水産大臣賞受賞。
(次回に続く。
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