仰木の里山レシピ
【寒咲花菜(かんざきはなな)のパスタ】
仰木地区にある菜の花畑は、30年くらい前に比べると少なくなりました。私が写真を撮りだしたころは、菜の花が黄色いベルトを作っていて目を楽しませてくれたものです。昔は、菜の花から菜種油を採っていました。手作業で圧力をかける搾り方なので、畑の面積からするとほんのわずかしか採れません。このような純正の菜種油は、今では大変貴重なものになりました。私にとって菜の花畑には、失われてゆく風景を取り戻したい、そんな願いが込められています。
こちらの菜の花畑は「オーレリアンの丘」。ここも遠くに比良山地が見えて、何でもない風景を喜ぶ私にとっては絶景となる。晴れているとモンシロチョウやアゲハチョウがたくさん舞っている。
寒咲花菜を添えたパスタを作りました。花菜は、食用菜の花のことで、つぼみから咲きかけの状態を料理に使います。少し苦みがあり、春の味がします。
寒咲花菜という早咲きの菜の花を使って完成させたパスタ。春の畑を眺めながら食べると最高においしい。
材料(2~3人分)・パスタ 200グラム
・寒咲花菜(菜の花)のつぼみ ふたつかみ
・オリーブオイル 大さじ2
・にんにく 2片
・唐辛子 1本
・コンソメ 小さじ1
・バター 1片
作り方(1)フライパンにオリーブオイルとみじん切りにしたにんにくを加え弱火にかける。
(2)にんにくに火が通ったら、種を除いた唐辛子を入れて火を止める。
(3)鍋にたっぷりのお湯を沸かし水量の約7パーセントの塩(材料外)を入れ、パスタを表示時間通りに茹でる。茹であがる1分前の茹で汁150mlを(2)のフライパンに入れ、コンソメを加えておく。
(4)パスタが茹であがる30秒前に、(3)の鍋に寒咲花菜のつぼみも入れてパスタと一緒に茹でる。
(5)パスタと寒咲花菜を湯切りして3のフライパンに入れ、弱火~中火で煮詰めていく。バターを1片入れて混ぜる。塩(材料外)などで味を調整し、ソースが大さじ1~2ほどに煮詰まり、とろりとしたら完成。
【ツクシとヤブカンゾウの和えもの】
ヤブカンゾウは、土手の植物として大切にしています。夏には、橙色の花を咲かせます。緑の土手と真っ青な夏空に映えてとても印象的な風景をつくる植物です。ヤブカンゾウは八重咲きですが、このあたりでは珍しい、ノカンゾウという一重咲きの種類もあります。早春に顔を出すヤブカンゾウの若葉は、和えものなどにするとおいしくいただけます。
夏の土手に自生するヤブカンゾウは、美しい花を咲かせるが、草刈りのタイミングによっては、花芽を付けないことがある。
もうひとつ、楽しみなのはツクシ。ツクシも同じく食料になります。今回は、ヤブカンゾウとツクシのコラボレーションで、早春を満喫できる料理にしてみました。
ツクシは、春の始まりを示す象徴的な存在。枯れ草の下から出てくると心が躍る。
ヤブカンゾウとツクシは、彩りがよく似合う。早春の香りでいっぱいだ。
材料(2~3人分)・ヤブカンゾウ ひとつかみ
・ツクシ 10~20本
・酢 小さじ3
・砂糖 小さじ2
■辛子酢味噌
(A)【練り辛子 小さじ1/2、砂糖 小さじ1、酢 小さじ2、味噌 大さじ1】
下準備(A)は混ぜ合わせておく。ヤブカンゾウは外の葉を剝き、水につけてよく洗い3~4センチに切っておく。ツクシははかまをすべて外し、水につけてよく洗っておく。
作り方(1)小さじ1の塩(材料外)を入れたお湯で、30~40秒ほどヤブカンゾウを茹で、水気をよく切る。
(2)(1)のお湯に酢を少々(分量外)加え、30~40秒ほどツクシを茹で、水気をよく切る。
(3)ボウルに(1)と(2)を入れて酢、砂糖を加え混ぜる。盛り付けて辛子酢味噌を添えて完成。
今森光彦(いまもり・みつひこ)写真家・切り絵作家・環境農家。1954年滋賀県生まれ。2023年より、大津市街から仰木に移住し、“環境農家”という新しい農業のあり方を模索している。第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞などを受賞。著書に『今森光彦の 心地いい里山暮らし12か月』(世界文化社)、『今森光彦ペーパーカットアート おとなの切り紙』(山と溪谷社)ほか。同じく写真家として活動する息子の元希さんは、光彦さんとともに畑作りや里山の環境保全に取り組んでいる。
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