仰木の里山レシピ
【たっぷりねぎの麻婆豆腐】
ねぎは昨年から植え始めました。スペースが空いているのなら、作らないともったいないと農家の人に言われたからです。一度植え込むと、緑色の葉の部分を切っても、脇からすぐ生えてきます。今年は、根のついた株を掘り起こして、別の場所に植え込んだり、ねぎ坊主から種子も採りました。ねぎがこんなにタフな野菜であることを今まで知らなかったのが悔やまれます。
ねぎ畑で、太くなった葉を選んで切り取ってゆく。ほとんど手間いらずの野菜だが、これらのねぎは、晩秋にすべて掘り出して、場所を変えるようにしている。
切り取ったばかりのねぎをシャリシャリと切ってゆく。
ねぎは、色々な料理に使えますが、我が家では麻婆豆腐に欠かせない野菜。畑にあると重宝します。湖岸の旧家にある豆腐屋さんから新鮮な豆腐を仕入れ、好みの味に仕上げます。
唐辛子を多めに使っているので辛口だ。我が家では季節を問わずでてくる定番メニュー。
材料(3~4人前)・豆腐 600グラム
・ひき肉 250グラム
・ねぎ 3〜5束の白根の部分(2/3は斜め切り、1/3を細かく刻んで完成後に薬味としてのせる)
・にんにく 1かけ(みじん切り)
・唐辛子 青1本(細い輪切り)
* 赤唐辛子でも。辛いのが苦手な人は省略しても可。■合わせ調味料
(A)【醬油 大さじ2、豆板醤 大さじ1、味噌 大さじ1、砂糖 小さじ2、酒 大さじ2、うま味調味料 3振り】
・水 250ml
■水溶き片栗粉
・片栗粉 大さじ1
・水 大さじ1
・ごま油 大さじ1
下準備豆腐は2センチ角に切って、適量のお湯(材料外)で2分間茹でる。
作り方(1)大きめのフライパンに、ひき肉を入れ火にかける。油が出てきたら2/3量のねぎとにんにくを入れて炒める。唐辛子を入れて材料から出ている水分をとばす。
(2)(A)の合わせ調味料を(1)に加えて少し沸騰させ、アルコールがとんだら水を加える。再び沸騰したら豆腐を加え、中火で4~5分煮る。
(3)火を止め、水溶き片栗粉を2、3回に分けて入れる。ゆっくりと混ぜて火にかけ、少し煮立ったらごま油をかけて完成。
(4)盛り付けたあと残りのねぎをかける。
*スプーンで豪快にいただくのがおすすめ。【だいだいのシャーベット 蜂蜜金柑のせ】
「オーレリアンの丘」のだいだいの木が大きくなりました。もともと、アゲハチョウの食草になればと植えました。予想通り、夏場は、アゲハやクロアゲハの母蝶がせっせと卵を産みにやってきます。実がなるようになってからは、お正月の鏡餅に使っています。
だいだいは、そのまま食べると、酸味が強く少し苦みもあるので、ポン酢にしたりマーマレードにしたりすることもあります。
左・夏みかんより小ぶりなだいだいの実だが、形がとても美しい。毎年正月が近づくと収穫するようにしている。右・金柑は、裏の畑と「オーレリアンの丘」に数本あり、毎年実を収穫している。採れたてをそのまま食べるのが一番おいしい。
そんなだいだいと裏の畑にある金柑の実をアレンジして、シャーベットを作ってみたのですが、これがなかなかの味で、満足しています。
蜂蜜漬けの金柑をのせたシャーベット。背景に見える雪山は比良山地。
材料(2~3人前)【金柑の蜂蜜漬け】
・金柑 100グラム
・蜂蜜 金柑がかぶる程度
【シャーベット】
・だいだいの果汁 150ml
・蜂蜜 50グラム
・グラニュー糖 110グラム
・水 200ml
・牛乳 150ml
作り方(1)金柑のヘタを取り、竹串で数か所穴をあける。かぶるくらいのお湯(材料外)で5分ほど実を茹でる。
(2)実を取り出してキッチンペーパーなどで水気を取り、半分に切り、種を取り出す。
(3)消毒した保存容器に入れ、金柑がしっかり浸る量の蜂蜜を加える。
(4)冷蔵庫で1日置いたら蜂蜜金柑の完成。
(5)シャーベットの材料をすべて鍋であたためきれいに溶けたら、粗熱を取り容器へ入れる。
(6)冷凍庫に入れて1時間おきに混ぜる。これを数回繰り返すとなめらかになる。
(7)(6)の少し溶けた状態のものを混ぜて盛り付け、最後に(4)で作った金柑の蜂蜜漬けをトッピングして完成。
今森光彦(いまもり・みつひこ)写真家・切り絵作家・環境農家。1954年滋賀県生まれ。2023年より、大津市街から仰木に移住し、“環境農家”という新しい農業のあり方を模索している。第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞などを受賞。著書に『今森光彦の 心地いい里山暮らし12か月』(世界文化社)、『今森光彦ペーパーカットアート おとなの切り紙』(山と溪谷社)ほか。同じく写真家として活動する息子の元希さんは、光彦さんとともに畑作りや里山の環境保全に取り組んでいる。
(次回に続く。
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