仰木の里山レシピ
【ピーマンと豚肉のマコモダケ炒め ~チンジャオロース風~】
自宅から車でなだらかな道を10分ほど下ると、琵琶湖に行き着きます。河口の近くはヨシ原になっているところが多く、それに混じってマコモという水生植物が生えています。巨大なススキのような姿なのですが、茎の根元が食用になります。
マコモは、根元の太くなった部分を食べる。農協などで売られているときは、このように表面の皮がとられている状態のものが多い。小ぶりの竹のようにも見えるのでマコモダケとも呼ばれる。
私たちの界隈では、ごく普通の食べ物で、農協やスーパーなどで、とれたてのマコモが手に入ります。皮を剝いて芯の部分をスライスすると、シャリシャリとした食感が楽しめ、炒め物にはぴったりです。
油炒めをするととても美味しい。色づきかけたホオノキの葉 の上にお皿を置いてみた。
マコモは、葉も利用します。粉末にしてお茶にしたり、平たい葉を編み込んで籠にしたり、とても重宝な植物なので、昔から人々に愛されてきました。
材料(2人分)
・マコモダケ 1本
・ピーマン 2個
・赤ピーマン 1個
・豚肉 約80グラム
(A)【塩・こしょう 少々、酒 大さじ1~2】
・水溶き片栗粉 適量
・サラダ油 大さじ1~2
・生姜(みじん切り) 小さじ1
・青ねぎ(小口切り) 適量
・ごま油 少々
(B)【酒 大さじ1、醤油 大さじ1、オイスターソース 大さじ1/3(目安)、水溶き片栗粉 大さじ1】
※(B)を事前にあわせておく。
作り方
(1)豚肉を細切りにし、(A)を加えてよく揉み込む。粘りが出たら水溶き片栗粉を絡めておく。
(2)マコモダケの葉はとうもろこしのように剝がしたあと、ピーラーで緑の部分を剝き、白い中身を輪切りにする。ピーマン、赤ピーマンを細切りにする。
(3)フライパンにサラダ油を中火で熱し、豚肉を広げながら炒める。肉の赤みが消えたらマコモダケを加え、ふっくらするまで火を通す。
(4)生姜と青ねぎを加えて香りを立たせ、続けてピーマン、赤ピーマンを入れ炒める。
(5)食感が残りつつも火が通ってきたら、強火にし、(B)を回し入れる。しっかりと混ぜて全体に絡め、1〜2分加熱し、とろみが付けば出来上がり。仕上げに香りづけでごま油を回しかける。
【秋なすのぬか漬け】
ぬか漬けは、食卓に欠かせないメニューです。子どもの頃、祖母が“どぼ漬け”と呼んでいたのを思い出します。気温が高くなってくる季節の食べ物ですが、秋口の頃も上々の出来ばえになります。
特にやや小ぶりになる“秋なす”は、ぬか漬けにピッタリ。歯ごたえもよく、美味しくいただけます。「秋なすは、嫁に食わすな」これもよく祖母が使っていた言葉ですが、食べすぎて体を冷やすことへの戒めだったのでしょう。
なすびは、初夏から秋までとれ続ける頼れる野菜。収穫が楽しい野菜のひとつだ。
ぬか漬けは、乳酸発酵の食品なので、日によって味が違うことがほとんどです。でも、この変化を楽しみながら季節を堪能したいものです。
自家製のぬか漬け。なす、キュウリ、にんじん、ミョウガ、ダイコンなどが主役。他にもマクワウリやスイカなども利用する。すった生姜は、必需品。ぬか漬けには、陶器の壺を使う。梅干しにも使うので重宝する。
材料(2人分)・生ぬか 1キロ
・あら塩 130グラム(ぬか床用)
・水 1L(目安)
・昆布 1枚(手のひらサイズ)
・赤唐辛子 2~3本
・秋なす 2~3本(お好みで)
※写真のように、にんじんやミョウガなど、他の野菜をお好みでぬか床に入れ添えてもよい。・塩 適量
・野菜くず(野菜の皮や芯など) 適量
※発酵をうながすためのものなので、あるものでOK。・生姜 適量
作り方(1)ぬかとあら塩をボウルに入れ、しっかりと手で混ぜる。
(2)約800mlほどの水を入れて両手でしっかり混ぜていく。味噌くらいの硬さになるまで残りの水を足しつつ混ぜる。
(3)唐辛子を縦に半分に切り種を出す。(2)を保存容器に移し、昆布と唐辛子を入れる。
(4)野菜くずをぬか床に入れて1日漬けて、捨てる。この工程を3回ほど繰り返す。はじめは塩辛いが、味が安定してきたら漬けたい野菜を入れる段階へ。
※野菜は露出しないように埋めて、手のひらでしっかり押して空気を抜く。(5)なすは塩もみをして漬ける。大きい野菜を入れる場合は半分に切り、小さい野菜は丸ごと入れる。小ぶりのなすの場合、夏の気温にもよるが、今森家では丸1日漬けてからいただく。
※野菜はそれぞれ漬かり具合が違うので経験を積んで好みを見つける。室温が30度前後になる時期は発酵しやすいので冷蔵庫に入れるとよい。(6)漬けた野菜は水洗いする。お好みですりおろした生姜を添えて完成。
今森光彦(いまもり・みつひこ)写真家・切り絵作家・環境農家。1954年滋賀県生まれ。2023年より、大津市街から仰木に移住し、“環境農家”という新しい農業のあり方を模索している。第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞などを受賞。著書に『今森光彦の 心地いい里山暮らし12か月』(世界文化社)、『今森光彦ペーパーカットアート おとなの切り紙』(山と溪谷社)ほか。同じく写真家として活動する息子の元希さんは、光彦さんとともに畑作りや里山の環境保全に取り組んでいる。
(次回に続く。
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