ライフスタイル

今森光彦さん「いきものと歩む“環境農家”の愉しみ」第4回 親愛なる野の“草”

2025.07.11

  • facebook
  • line
  • twitter

仰木の里山レシピ

【たっぷり夏野菜のハンバーグプレート】

オクラは、夏野菜に欠かせません。ヤツデのような大きな葉っぱが豪快で、夏らしさを感じます。

食べ方は、ボイルしておいしくいただけます。鳥などの害にあいにくいですが、葉は何種類かの蛾の幼虫が食べます。たくさん幼虫がついた場合は、手で摘んで除外します。

オクラは、下から順に成長する。夏場は、毎日チェックしないと、食べるチャンスを無くしてしまう。

主枝の下からオクラが成長し、それをもぎとるときに下の葉も切ってゆきます。この動作を繰り返すと、背丈がだんだん伸びて、夏の終わりごろには人の高さほどになります。一つの苗でたくさんのオクラを収穫できます。


追肥をすることで確実に生育するので頼れる夏野菜です。

ハンバーグは、みんな大好きなのでわが家の定番料理。夏はオクラが大活躍だが、豆類やカボチャなどを添えることもある。

材料(4~5人分)

■ハンバーグ
・合びき肉 500グラム

(A)【塩 4グラム、ナツメッグ 1~2ふり、クローブ 1~2ふり、こしょう 1~2ふり】

・パン粉 30グラム
・牛乳 40ml
・卵 1個
・玉ねぎ 1個
・油 小さじ2

■ソース
・赤ワイン 大さじ1

(B)【ウスターソース 大さじ3、ケチャップ 大さじ3、砂糖(はちみつでも可) 小さじ1】

・バター ひとかけ

■付け合わせ
・オクラ 6~20本
・トマト 2~10個
(それぞれお好みで用意)

作り方

■ハンバーグ
(1)パン粉に牛乳を加え、溶いた卵と混ぜ合わせる。

(2)玉ねぎをみじん切りにし、小さじ1の油で色がつくまで炒めて冷ましておく。

(3)ひき肉に(A)を加え、しっかり混ぜ合わせる。そこに1、2を加え、粘りが出るまでよく混ぜる。

(4)1個あたり約100〜120グラムほどの俵形を成形し、空気を抜く。
*形が整ったら冷蔵庫で1時間以上休ませるとさらにおいしくなる。

(5)フライパンに小さじ1の油を熱し、中火で(4)を焼く。両面に焼き色がついたら、180度のオーブンで20〜25分焼く。竹串を刺して透明な肉汁が出れば完成。

■ソース
(1)ハンバーグを焼いたフライパンに赤ワインを加え、焦げついた肉汁をこそげながら中火にかける。
*油が多い場合はキッチンペーパーで拭き取りながら行う。

(2)(B)を加えて温め、好みの濃度になったら火を止める。

(3)最後にバターを加えて溶かし、なめらかに仕上げる。

■付け合わせ
[オクラ]
(1)へたを切り、ガクのまわりの皮をむく。

(2)まな板にオクラを置き、塩(材料外)を適量まぶしたら手でまな板の上で転がし、板ずりをする。

(3)1Lほどのお湯を沸かし、(2)を1分ほどゆでる。火が通ったら取り出し、水気をきる。

[トマト]
(1)盛りつける直前に縦に4、6分割に切る。


【ほっこり枝豆】

枝豆は、ちょっとした空間に植えられる便利な野菜。仰木では、棚田のあぜ道に植えられます。

収穫したばかりの枝豆。

田んぼの養分と日光をたっぷり受けて育つ枝豆は、粒が大きく“あぜまめ”と呼ばれて重宝されます。あぜに並ぶ枝豆は、田んぼの輪郭を飾ってくれて美観的にも貴重な存在です。棚田の写真を撮るときも、あぜまめをアクセントにすると美しい作品ができました。

農家の人が、土地の節約でおこなっている行為が、風景を魅力的にしているのです。

今年は、畑の一角に数本だけ植えたのですが、まあまあの収穫。早速塩ゆでにして食べましたが、甘味があってとてもおいしいです。

枝豆は、根っこごと抜きとってゆく。想像した以上に、しっかりとした実りぶりだったので、来年は、もっとたくさん育てるつもりだ。

材料(1~2人前)

・枝豆 200グラム
・塩 20グラム(塩もみ用)
・水 1L
・塩 10グラム(ゆで用)

作り方

(1)枝豆はしっかり洗い、さやの両端を3〜5ミリほど切り落とす。

(2)枝豆に塩20グラムをまぶしかけて手で握るように塩もみをする。

(3)鍋に水を入れて沸騰させ、そこに塩10グラムを加える。
※ゆでる際のお湯につぶしたにんにくを2かけ、八角を1個加えると、すっきりとした風味になる。

(4)塩がついたままの枝豆を沸騰したお湯に入れ、3〜5分ゆでる。

(5)1粒試食してみて、ちょうどよい食感になっていたら火を止め、ざるに上げる。広げて冷ます。

西日を受ける風景を見ながら枝豆をつまみにして乾杯。一日の野良仕事の疲れが吹き飛ぶ。



今森光彦(いまもり・みつひこ)
写真家・切り絵作家・環境農家。1954年滋賀県生まれ。2023年より、大津市街から仰木に移住し、“環境農家”という新しい農業のあり方を模索している。第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞などを受賞。著書に『今森光彦の 心地いい里山暮らし12か月』(世界文化社)、『今森光彦ペーパーカットアート おとなの切り紙』(山と溪谷社)ほか。同じく写真家として活動する息子の元希さんは、光彦さんとともに畑作りや里山の環境保全に取り組んでいる。

(次回に続く。この連載の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年07月号

家庭画報 2025年07月号

文・切り絵/今森光彦 撮影/今森元希

  • facebook
  • line
  • twitter

12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2025 / 12 / 05

他の星座を見る

Keyword

注目キーワード

家庭画報ショッピングサロンのおすすめ
※外部サイト(家庭画報ショッピングサロン)に遷移します。 ※商品の購入には家庭画報ショッピングサロンの会員登録が必要です。

Pick up

注目記事
家庭画報ショッピングサロンのおすすめ
※外部サイト(家庭画報ショッピングサロン)に遷移します。 ※商品の購入には家庭画報ショッピングサロンの会員登録が必要です。
12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2025 / 12 / 05

他の星座を見る