仰木の里山レシピ
【たっぷり夏野菜のハンバーグプレート】
オクラは、夏野菜に欠かせません。ヤツデのような大きな葉っぱが豪快で、夏らしさを感じます。
食べ方は、ボイルしておいしくいただけます。鳥などの害にあいにくいですが、葉は何種類かの蛾の幼虫が食べます。たくさん幼虫がついた場合は、手で摘んで除外します。
オクラは、下から順に成長する。夏場は、毎日チェックしないと、食べるチャンスを無くしてしまう。
主枝の下からオクラが成長し、それをもぎとるときに下の葉も切ってゆきます。この動作を繰り返すと、背丈がだんだん伸びて、夏の終わりごろには人の高さほどになります。一つの苗でたくさんのオクラを収穫できます。
追肥をすることで確実に生育するので頼れる夏野菜です。
ハンバーグは、みんな大好きなのでわが家の定番料理。夏はオクラが大活躍だが、豆類やカボチャなどを添えることもある。
材料(4~5人分)
■ハンバーグ
・合びき肉 500グラム
(A)【塩 4グラム、ナツメッグ 1~2ふり、クローブ 1~2ふり、こしょう 1~2ふり】
・パン粉 30グラム
・牛乳 40ml
・卵 1個
・玉ねぎ 1個
・油 小さじ2
■ソース
・赤ワイン 大さじ1
(B)【ウスターソース 大さじ3、ケチャップ 大さじ3、砂糖(はちみつでも可) 小さじ1】
・バター ひとかけ
■付け合わせ
・オクラ 6~20本
・トマト 2~10個
(それぞれお好みで用意)
作り方
■ハンバーグ
(1)パン粉に牛乳を加え、溶いた卵と混ぜ合わせる。
(2)玉ねぎをみじん切りにし、小さじ1の油で色がつくまで炒めて冷ましておく。
(3)ひき肉に(A)を加え、しっかり混ぜ合わせる。そこに1、2を加え、粘りが出るまでよく混ぜる。
(4)1個あたり約100〜120グラムほどの俵形を成形し、空気を抜く。
*形が整ったら冷蔵庫で1時間以上休ませるとさらにおいしくなる。
(5)フライパンに小さじ1の油を熱し、中火で(4)を焼く。両面に焼き色がついたら、180度のオーブンで20〜25分焼く。竹串を刺して透明な肉汁が出れば完成。
■ソース
(1)ハンバーグを焼いたフライパンに赤ワインを加え、焦げついた肉汁をこそげながら中火にかける。
*油が多い場合はキッチンペーパーで拭き取りながら行う。
(2)(B)を加えて温め、好みの濃度になったら火を止める。
(3)最後にバターを加えて溶かし、なめらかに仕上げる。
■付け合わせ
[オクラ]
(1)へたを切り、ガクのまわりの皮をむく。
(2)まな板にオクラを置き、塩(材料外)を適量まぶしたら手でまな板の上で転がし、板ずりをする。
(3)1Lほどのお湯を沸かし、(2)を1分ほどゆでる。火が通ったら取り出し、水気をきる。
[トマト]
(1)盛りつける直前に縦に4、6分割に切る。
【ほっこり枝豆】
枝豆は、ちょっとした空間に植えられる便利な野菜。仰木では、棚田のあぜ道に植えられます。
収穫したばかりの枝豆。
田んぼの養分と日光をたっぷり受けて育つ枝豆は、粒が大きく“あぜまめ”と呼ばれて重宝されます。あぜに並ぶ枝豆は、田んぼの輪郭を飾ってくれて美観的にも貴重な存在です。棚田の写真を撮るときも、あぜまめをアクセントにすると美しい作品ができました。
農家の人が、土地の節約でおこなっている行為が、風景を魅力的にしているのです。
今年は、畑の一角に数本だけ植えたのですが、まあまあの収穫。早速塩ゆでにして食べましたが、甘味があってとてもおいしいです。
枝豆は、根っこごと抜きとってゆく。想像した以上に、しっかりとした実りぶりだったので、来年は、もっとたくさん育てるつもりだ。
材料(1~2人前)・枝豆 200グラム
・塩 20グラム(塩もみ用)
・水 1L
・塩 10グラム(ゆで用)
作り方(1)枝豆はしっかり洗い、さやの両端を3〜5ミリほど切り落とす。
(2)枝豆に塩20グラムをまぶしかけて手で握るように塩もみをする。
(3)鍋に水を入れて沸騰させ、そこに塩10グラムを加える。
※ゆでる際のお湯につぶしたにんにくを2かけ、八角を1個加えると、すっきりとした風味になる。(4)塩がついたままの枝豆を沸騰したお湯に入れ、3〜5分ゆでる。
(5)1粒試食してみて、ちょうどよい食感になっていたら火を止め、ざるに上げる。広げて冷ます。
西日を受ける風景を見ながら枝豆をつまみにして乾杯。一日の野良仕事の疲れが吹き飛ぶ。
今森光彦(いまもり・みつひこ)写真家・切り絵作家・環境農家。1954年滋賀県生まれ。2023年より、大津市街から仰木に移住し、“環境農家”という新しい農業のあり方を模索している。第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞などを受賞。著書に『今森光彦の 心地いい里山暮らし12か月』(世界文化社)、『今森光彦ペーパーカットアート おとなの切り紙』(山と溪谷社)ほか。同じく写真家として活動する息子の元希さんは、光彦さんとともに畑作りや里山の環境保全に取り組んでいる。
(次回に続く。
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