仰木の里山レシピ
【玉ねぎのソテー】
玉ねぎは、長期戦略の野菜です。前年の晩秋に苗を植え付けて、収穫は、翌年の晩春から初夏になります。
玉ねぎは天気の良い日を見計らって一気に掘り起こす。玉の大きさが均一ではないけれど、美味しさは抜群だ。甘さを味わうためにそのままスライスして食べることもある。
真っ先に採れる新玉ねぎは、少し小ぶりで淡い色をしています。畑から採りたてを油で焼いてオリーブオイルをかけて食べます。
新玉ねぎは、食感が柔らかく、甘い味に混じってほんのりと春の香りがします。こんな贅沢なメニューがあるでしょうか。素材が良いので、できるだけシンプルにいただきたいものです。
土から掘り起こしたら葉の部分を切って洗い場に運ぶ。
これから夏にかけて収穫する玉ねぎは、半年以上貯蔵できるので、長期間にわたり楽しめそうです。
出来上がった玉ねぎのソテーに庭に咲いていたアイリスを添えてみた。
材料(2~3人分)・小玉ねぎ 6個
・塩 適量
・オリーブオイル 約大さじ2程度
・イタリアンパセリ(普通のパセリでも可) 適量
作り方(1)皮を剥いた玉ねぎを半分に切り、一切れごとに塩を軽く振りかける。
(2)オリーブオイルを大さじ1ほどフライパンにいれ、(1)を断面から弱火で焼く。
(3)焼き目がついてきたら裏返してフライパンに蓋をし、10~15分間蒸し焼きにする。
(4)中まで火が通ったら(3)を取り出し、器に盛りつけ、仕上げに残りのオリーブオイルをかけ、刻んだパセリを載せる。
【カモミールゼリー】
カモミールは、とても良い香りのする花を咲かせます。
カモミールには、ベニシジミをはじめとする可愛い蝶がたくさん訪れるので、畑には欠かせない存在になってしまった。
初夏への誘いを担ってくれる貴重なハーブです。リラックス効果もあり、花や蕾をつんでお茶にすることが多いのですが、時には、フレッシュな花をそのままゼリーに閉じ込めていただいたり、それをやや甘みのあるソーダ水の中に浸したりします。素朴ですが、ほんのりとした甘い香りと食感を楽しめます。
あんこを添えていただくのもおすすめ。
ドリンクでいただく場合は、食感だけを味わうのがポイント。真っ盛りの花は苦みがあるので、できるだけ蕾を使うのが良い。
カモミールは、土の好みがはっきりしていて酸性の土が苦手です。畑地で作る場合は、天然石灰などをまいてアルカリ性を保つ必要があります。野菜を作っている土は相性が良いようで、その周辺ではよく育ちます。
材料(13×20×3センチのバット1つ分)・水 400ml
・粉寒天 3グラム
・グラニュー糖 35グラム
・カモミール お好みの量
作り方(1)鍋に水、粉寒天を入れて火にかける。
(2)(1)が沸騰したら粉寒天が溶けきるまでかき混ぜる。そのまま2分ほど加熱したら火を止め、グラニュー糖を加えて溶かす。
(3)バットの半分ほどまで2を薄く流し込み、カモミールの花を上向きに配置する。2の残りをバットにそっと流し込む。
(4)(3)の粗熱が取れたら冷蔵庫で約1時間冷やし固める。
出来上がりは透明感があってとても美しい。
(5)(4)が完全に固まったことを確認し、バットからゼリーを取り出す。花の形に沿って切り分けて完成。ドリンクとしていただく場合は、ゼリーを2~4個ほどグラスに入れ、ソーダ水(材料外)を注ぐ。
今森光彦(いまもり・みつひこ)写真家・切り絵作家・環境農家。1954年滋賀県生まれ。2023年より大津市街から仰木に移住し、環境農家という新しい農業のあり方を模索している。第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞などを受賞。著書に『今森光彦の 心地いい里山暮らし12か月』(世界文化社)、『今森光彦ペーパーカットアート おとなの切り紙』(山と溪谷社)ほか。同じく写真家として活動する息子の元希さんは、光彦さんとともに畑作りや里山の環境保全に取り組んでいる。
(次回に続く。
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