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イギリスで“21世紀最良の庭”と絶賛。「十勝千年の森」の美しき菜園ガーデン

北海道「十勝千年の森」の新谷みどりさんに学ぶ 美しき菜園ガーデン 第9回(全10回) 家庭菜園の楽しみは、安全でおいしい野菜を食べられるだけでなく、生長する美しい景色を日々間近で観賞できること。国内外で農業と園芸を学び、独自の視点で菜園づくりに取り組むヘッドガーデナー、新谷みどりさんに毎日見ていて惚れ惚れする菜園のコツを聞きました。前回の記事はこちら>>

収穫は菜園最大の喜び

収穫は菜園最大の喜び

野菜の生長をずっと一緒に見守ってきたから、収穫は菜園最大の喜び。

「十勝千年の森」は十勝毎日新聞社が「千年後の未来に引き継ぐ森をつくろう」と始めたプロジェクト。荒れた耕作放棄地や森を買い取り、長い年月をかけて森の再生を進めてきました。

広大な敷地内には趣の異なる4つのガーデンがあり、イギリス在住の庭園デザイナー、ダン・ピアソン氏が手がけた「アースガーデン」と「メドウガーデン」は、英国のガーデンデザイナーズ協会が主催する「SGD Awards2012」で大賞と国際賞を受賞、「21世紀最良の庭」と絶賛されました。

収穫は菜園最大の喜び

一堂に会した穫れたての野菜たち。オーガニックを旨とするキッチンガーデンでは、土地の気候に合った丈夫で美しい作物を探求し、少量多品種の作物を育て続けている。

今回紹介したキッチンガーデンはそのほんの一部。ダン・ピアソン氏が全幅の信頼を寄せるヘッドガーデナーの新谷さんは、東京ドーム85個分にも及ぶこの森を、わずか数名のガーデナーとともに管理しています。

敷地内のすみずみまで広がる、自然をそのまま再現したような美しい風景。それを支えているのは、デザイナーのイメージを形にする新谷さんのセンスと、少数精鋭のガーデナーチームによる、土づくり、種蒔き、植えつけ、除草、剪定など、地道で膨大な作業なのです。

「十勝千年の森」全体が秋色に染まる頃、キッチンガーデンでは毎年豊かな実りを祝う収穫祭が行われます。カフェの一角のテラス席には、ガーデナーたちが自ら腕をふるった料理の数々が並び、ガーデンで摘んだ花が飾られ、テーブル全体がこの日を迎えることができた喜びを表現しているようです。

「菜園」という言葉には、キッチンガーデンという英語では表現しきれない美しさがあると語る新谷さん。美しい菜園をつくるための心得を聞くと、こんな答えが返ってきました。

「野菜づくりは手がかかりますが、食べることも含めて徹底的に楽しむ、それに尽きると思います。フレッシュなグリーンのグラデーションだけのサラダはどうかしらとか、黄色と黒のトマトを合わせたらかっこいいかも?とか、一つの作物でもアイディア次第でいくらでも可能性が広がるので、自分の好みを追求して楽しんでほしいですね」

●第10回の記事では、収穫祭の様子を詳しく紹介します。
キッチンガーデンの採れたて野菜がご馳走に。スウェーデンスタイルの7つの祝祭料理

Information

十勝千年の森

北海道上川郡清水町羽帯南10線

アクセス とかち帯広空港から車で60分、JR十勝清水駅からタクシーで15分(約3000円)
入園料 1200円、小中学生600円、未就学児無料
TEL 0156(63)3000
開園時間 4月24日~10月17日  9時30分~17時(9~10月16時)
  • 日高山脈と十勝平野の接点にある雄大なスケールの庭園。400ヘクタールの敷地内には世界的なガーデンデザイナー、ダン・ピアソン氏が設計した4つの庭(アースガーデン/大地の庭、メドウガーデン/野の花の庭、フォレストガーデン/森の庭、ファームガーデン/農の庭)がある。電動の乗り物「セグウェイ」によるガイドツアーやチーズ作り体験(期間限定)も楽しめる。

新谷みどりさん(Shintani Midori)

監修=新谷みどり 撮影=大泉省吾 取材・文=大山直美 イラスト=三好貴子 協力=十勝千年の森

※この特集で紹介した栽培例は、北海道・十勝地方で実施されたものです。地域や気候により、適する植物や植え付け時期などは異なります。

『家庭画報』2021年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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