ライフスタイル

野菜と花を一緒に植える「キッチンガーデン」作りのコツ。北海道 十勝千年の森より

北海道「十勝千年の森」の新谷みどりさんに学ぶ 美しき菜園ガーデン 第1回(全10回) 家庭菜園の楽しみは、安全でおいしい野菜を食べられるだけでなく、生長する美しい景色を日々間近で観賞できること。「十勝千年の森」では「立ち上げ花壇」という限られた空間で野菜を組み合わせて育てており、これなら家庭でも応用できます。国内外で農業と園芸を学び、独自の視点で菜園づくりに取り組むヘッドガーデナー、新谷みどりさんに毎日見ていて惚れ惚れする菜園のコツを聞きました。

キッチンガーデンは「立ち上げ(レイズドベッド)花壇」で。野菜に花を添えたカラフル輪作で健やかに

野菜に花を添えたカラフル輪作(ローテーション)で健やかに

「レイズドベッド(立ち上げ花壇)」という限られたスペースに、多種多様な野菜や花が植わった「十勝千年の森」のキッチンガーデン。野菜とはこんなに美しいものだったのかと気づかされる。

観光庭園が多い北海道の中でも、スケールが大きなガーデンとして知られる「十勝千年の森」。その一角にあるのが、園芸好きの人気を集める「キッチンガーデン」です。

野菜がどういうプロセスで育つかがじっくり見られる場で、畑ではなく、あくまでも庭。野菜と花を混在させ、色や形のコーディネートにも気を配っており、野菜の美しさにハッとさせられる、他に類を見ないガーデンです。

キッチンガーデンの魅力の一つは、「レイズドベッド(立ち上げ花壇)」と呼ばれる菜園自体のつくりにあります。

舞台はレイズドベッド(立ち上げ花壇)

野菜に花を添えたカラフル輪作(ローテーション)で健やかに

地面より一段高くなった「レイズドベッド(立ち上げ花壇)」は見た目に美しいだけでなく、作業がしやすく全体が見渡しやすく、作物に合わせた土づくりができ、水はけのよい状態を保ち、寒冷地では春先の地温が上がりやすいなど、機能的にも優れている。

野菜は地面ではなく、木枠で囲まれ、一段高くなった大きなボックスの中に植えられているのです。緩やかに傾斜した敷地に大小十数個のベッドがバランスよく点在するさまは、それだけで美しい風景になっています。

各ベッドには多品種の豆のベッド、ハーブが中心のベッドなど、それぞれテーマがあり、なかでもカラフルで壮観なのが、下の写真の野菜の輪作(ローテーション)を行うベッド。

野菜に花を添えたカラフル輪作(ローテーション)で健やかに

レイズドベッドのサイズは180×90センチ。写真のベッドに植わっているのは、手前からスイスチャードやビーツ、ケール、ジャガイモ、豆の4種。それぞれの間に土壌中の害虫を防ぐカレンデュラ(キンセンカ)を配置。各作物の位置を毎年ずらしていくことで土壌中の栄養バランスが保てる。イラストはそれを畳1畳分のコンパクトなベッドで再現した例。

植えているのは、ホウレンソウの仲間、アブラナ科の野菜、ジャガイモ、豆の4種。同じ場所で同じ野菜を栽培し続けると土壌の栄養バランスが崩れ「連作障害」を引き起こすので、毎年区画をずらして育てているのです。

また、野菜同士にも相性があるため、よい影響を与え合うものを選び、順番も考えて植えることが大切だそうです(6月9日配信予定の記事で詳しく紹介します。または家庭画報本誌の87ページ「コンパニオンプランツ」を参照ください)。

「この方法なら限られた面積の庭でも、いろいろな作物をオーガニックで元気に育てることができます」と語るのは、ヘッドガーデナーの新谷みどりさん。皆さんもチャレンジしてみませんか。

多彩な野菜4種と花の組み合わせプラン

下のフォトギャラリーでご覧ください。

Information

十勝千年の森

アクセス 北海道上川郡清水町羽帯南10線
入園料 1200円、小中学生600円、未就学児無料 
TEL 0156(63)3000
開園時間 4月24日~10月17日  9時30分~17時(9~10月16時)
  • とかち帯広空港から車で60分、JR十勝清水駅からタクシーで15分(約3000円)

    日高山脈と十勝平野の接点にある雄大なスケールの庭園。400ヘクタールの敷地内には世界的なガーデンデザイナー、ダン・ピアソン氏が設計した4つの庭(アースガーデン/大地の庭、メドウガーデン/野の花の庭、フォレストガーデン/森の庭、ファームガーデン/農の庭)がある。電動の乗り物「セグウェイ」によるガイドツアーやチーズ作り体験(期間限定)も楽しめる。

新谷みどり/Shintani Midori

新谷みどりさん
南九州大学園芸学部造園学科卒業。2002年、公開型庭園のガーデナーを目指してスウェーデンに渡り、ミレスゴーデン、ローゼンダール・トレーゴードで学ぶ。帰国後、造園会社や園芸会社で経験を積み、2008年、十勝千年の森のヘッドガーデナーに就く。


〔特集〕北海道「十勝千年の森」の新谷みどりさんに学ぶ 美しき菜園ガーデン

01 野菜と花を一緒に植える「キッチンガーデン」作りのコツ

02 初心者にも真似しやすい「葉物のバラエティ菜園」の作り方

03 収穫の瞬間が最大の喜び!根菜栽培に挑戦

04 自然素材で作る憧れのウィグワム。「鈴なりトマトタワー」の作り方

05 「エアルームトマト」のおすすめトマト図鑑

06 トマトが元気に育つ「コンパニオンプランツ」


この特集の掲載号
『家庭画報』2021年6月号

『家庭画報』2021年6月号

監修=新谷みどり 撮影=大泉省吾 取材・文=大山直美 イラスト=三好貴子 協力=十勝千年の森

※この特集で紹介した栽培例は、北海道・十勝地方で実施されたものです。地域や気候により、適する植物や植え付け時期などは異なります。

『家庭画報』2021年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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