「歌舞伎」という名のアルストロメリアを加えた、華やかで個性的なアレンジ

5月7日の贈り花

陶芸家の個展会場に贈る個性的でかわいらしいアレンジ

鹿児島県に住む陶芸家さんが個展をすることになり、お祝いの花を依頼されました。

どんな作品を作る方なのだろうか知りたかったのですが、資料が入手できず、贈り主さんの「とても個性的な陶器だそうです」という言葉から、その個性に埋もれず、しかも主張しすぎることをしないアレンジを作ることにしました。


主役に選んだのは、淡いピンクのシャクヤク。グリーンのガーベラを加え、華やかな朱赤のバイカラーが目を引くアルストロメリアをアクセントに入れました。このアルストロメリアの品種名は歌舞伎。

千葉県茂原市の「三宅花卉園」さん作出の品種で、花を見ていると歌舞伎役者の赤い隈取が目に浮かんできます。

この隈取は正義感や情熱を持つことを示しているそうですが、このアルストロメリアもとても情熱的な雰囲気に見え、この花が少し加わるだけでアレンジが個性的に見えます。

緑の花には、この時期には珍しいクリスマスローズも加えました。クリスマスローズはマグニフィセントベルズという品種で、5月いっぱいまで出回ります。この時期のアレンジとして珍しさがある花材なので、それもさりげなく個性になるのではないかと思います。

陶芸家さんが、どんな場所でどのような作品を並べて個展をされたのか、鹿児島なので伺うことはできませんが、とても興味が湧きました。お届けした花がいきいきと、その場所を飾ってくれることを願っています。

【使用花材】
シャクヤク マキシマ
アルストロメリア 歌舞伎
蕾ガーベラ
クリスマスローズ マグニフィセントベルズ
レピディウム エメラルドビーズ
ビバーナム スノーボール

贈り花のヒント
個性的な贈り花は印象に強く残りますが、個展会場などに飾る場合は、展示される作品以上の強さのある花は逆に敬遠されることもあると思います。

個性がありながら、場の空気になじみ、程よいバランス感のあるアレンジを贈るように気をつけています。あまり派手な色合いになりすぎないように、また大きな花をたくさん使ってボリューム感を出しすぎないように、というのがポイント。

今回のように、個性的なアルストロメリアをアクセント使いにする程度の個性の出し方なら、強すぎることもなく、お客さまの目にも留まりやすいと思います。

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