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パリのトップフローリスト「オドラント」に教わる、ブーケ作りの奥義とは?

2020.01.29

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ニッポン生まれの「花」に恋して 第2回(全3回) カトリーヌ・ドヌーヴ、イザベル・アジャーニ……。世界的な女優やセレブリティを顧客に持つ、パリのトップフローリスト「オドラント」の二人、エマニュエル・サマルティーノ氏とクリストフ・エルベ氏を虜にしたのが、「世界でも比べるものがない」と彼らが絶賛するニッポンの切り花。端正にして独創的、進化を続ける「花」に逢いたくて来日しました。その縁をつないだのは生産者の側に立って、時代の先端をいく花の作出をずっと応援してきたフローリストの並木容子さん。並木さんの案内で、花が生まれる温室や最先端の市場を訪ね、彼らが心に適う花を選んで作った作品をご紹介。そこまで彼らを夢中にさせるニッポン生まれの花の秘密を、並木さんの解説でひもときます。前回の記事はこちら>>
市川バラ園のバラで作られたブーケ

日本の「花」に逢うべく、来日を果たしたパリのトップフローリスト「オドラント」の二人、エマニュエル・サマルティーノさんとクリストフ・エルベさん。

今回の2人のテーマは「Spontanéité(自然に・自発的に)」。日本への旅で出会える人、花、もの、すべてを大切にしたいという想いが込められているそう。ここでは市川バラ園で選んだバラを中心に行われた、ブーケ作りのデモンストレーションを誌上公開。誰からもこよなく愛されるブーケ作りの奥義を貴重なメッセージとともにご紹介しましょう。

●オドラントのおふたりが市川バラ園を訪ねる様子はこちら>>



使用したバラはジェンティーレ、ルールマジク、イヴ・シルバ、オードリー、ジャルダン・アラ・クレーム、ソフィア、ローランベー、ジャルダン・パフューメ、ルナロッサ、ロワイヤル、ジャルダン・アニベルセルなど。

クリストフ・エルベ氏とエマニュエル・サマルティーノ氏

葉はすべて取り除く
でき上がったときに、パッと花に目が行くように、葉はあえて全部を取り除きます。取り除くときも花の美しい向きを探しながら。魅力的に見せることが自分たちの仕事。

準備の時間もいとおしい
1本ずつ丁寧に、そしていとおしみながら手で葉を取り除き、色別に並べる時間が大切。そこからアレンジが始まっています。花弁には一滴の水もつけないよう、完璧に準備することが大事。

最初の1本は軸となる花を
今回のブーケは濃い色から。何を軸にしたいかを意識して最初の1本を手に取ります。だからといって、その花が中心と決めつけず、ひと花ひと花を輝かせます。

センスを高めるにはよく観察すること
美しいものをよく観察すること。全体をただ漫然と見て美しいというのではなく、心揺さぶられた部分はどこなのか、細かいディテールに着目することが大事。

クリストフ・エルベ氏とエマニュエル・サマルティーノ氏

茎の下のほうを持って空気感を出す
ブーケは下のほうを持って束ねると、動きが出てふんわりと柔らかい雰囲気になります。ある程度まとまったら仮留めをし、また束ねる。常に同じ位置を留めれば雰囲気を損ねません。

偶然性の素晴らしさ「アクシデント」
柔らかい茎の花は束ねていると、その花の自重で意図せずに花が動きます。それもまた楽しい「アクシデント」。植物の自然のままの姿を尊重し、「そっと生かす」感じに。

クリストフ・エルベ氏とエマニュエル・サマルティーノ氏

花器とのバランスには妥協しない
丈は実際に花器に入れて、全体のバランスを見ながら調整します。器と花の美しいバランスが見つかるまで決して妥協せず、何度も切り揃えては花器に入れ直します。

クリストフ・エルベ氏とエマニュエル・サマルティーノ氏

作りながらとことん見る
一本一本の花をよく見ること。そして全体をよく見ること。ひと花ひと花が輝いているか? 何度も見直して整えます。正面だけでなく後ろもしっかり。

クリストフ・エルベ氏とエマニュエル・サマルティーノ氏

Christophe HERVÉ クリストフ・エルベ (左)
Emmanuel SAMMARTINO エマニュエル・サマルティーノ(右)

ヘアアーティストを経てオドラントを経営するクリストフ氏と、現役のトップメイクアップアーティストでもある共同経営者のエマニュエル氏のデュオフローリスト。2003年、パリにオドラントをオープン。花が持つ自然の美を生かしながら、新たな魅力を引き出すセンスに魅了されるファンが多い。二人は無類のバラ好き。

ODORANTES paris
9 rue Madame 75006 Paris
TEL:01 42 84 03 00
http://www.odorantes-paris.com


案内:並木容子(なみき ようこ)
東京・吉祥寺でフラワーショップ&スクール「ジェンテ」を主宰して25年目を迎える。ナチュラルテーストのブーケに定評がある。全国の生産者と交流があり、花のセレクトショップというべきスペシャルな花揃えが人気。2015年から本誌の表紙を担当。
http://www.gente.jp
協力/並木容子〈ジェンテ〉 撮影/鈴木一彦 取材・文/井伊左千穂 協力/市川バラ園 久保田邸(茶室)

『家庭画報』2020年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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