『眠れる森の美女』バレエ公演へ贈るアレンジ。ミステリアスなバラの色が素敵

藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー　「フルールトレモロ」オーナー藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。記事一覧はこちら

7月29日の贈り花

クラシックバレエの出演祝いに

『眠れる森の美女』のバレエ公演にお祝いの花をお届けしました。どんな花がふさわしいか、ストーリーを思い出してみました。オーロラ姫は邪悪な妖精カラボスに悲しい呪いをかけられてしまうのですよね。でも、100年の眠りの後に王子の口づけによって目覚める！

まずは妖精たちが集まる森の妖しく美しい雰囲気を想像し、シャドウオブザデイというバラを選びました。シックな花色が少し妖しい雰囲気も感じさせ、このシーンにぴったりに思えたのです。

バレエということでチュチュのようなラナンキュラシリーズのバラ、創も加えました。アクセントカラーとして透明感のあるラベンダー色のリシアンサスを加えると、エレガントな雰囲気に。

緑から赤へと変わる途中のブラックベリーも妖しい森の雰囲気にぴったりではないかと思いました。

バレエ、眠れる森の美女、というテーマをいだたき、想像力を膨らませて花束で表現するという作業はとてもおもしろく、花選びから楽しませていだたきました。

【使用花材】
バラシャドウオブザデイ、フルブルームラナンキュラ創、ピンクイブピアジェ
リシアンサス NFラベンダー
ブラックベリー
マウンテンミント
アップルミント
豆軍配ナズナ
ポリシャス

贈り花のヒント
花に詳しくないからおまかせで、というオーダーもよくありますが、今回のようにテーマを何かいただくだけで、よりシチュエーションに適したブーケに仕上げることができます。舞台であれば、どんな演目か、またショップに贈るならインテリアはどんな雰囲気か、など。小さな情報も想像のタネになるので、贈る相手についての情報を集めていだたけると助かります。

下の写真をスワイプしてご覧ください。

MEMO

バラフルブルームラナンキュラ創。ドイツのコルデス社作出のラナンキュラシリーズのひとつ。緑色の花心が飛び出すのもユニーク。花もちがよいバラです。

バラシャドウオブザデイ。長野県の「堀木園芸」さんのオリジナル品種。紫とピンクと茶色が混じり合ったような怪しさのある花色が魅力的。

ナチュラルなブラックベリーもバラのシャドウオブザデイと合わせると妖しげな雰囲気に見えます。

藤野幸信／Yukinobu Fujino

広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」（フルールトレモロ）オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。 https://www.fleurs-tremolo.com

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