藤野幸信さんが選ぶ「季節の贈り花」 今、この花を贈りたい! 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが“今贈りたい”おすすめの花をセレクト。その花を使った、新作ブーケ&アレンジメントをさまざまなバリエーションでお届けします。
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8月の花「信州片桐花卉園(しんしゅうかたぎりかきえん)の草花」

「信州片桐花卉園」から届いたラペイロージア、アルストロメリア‘キャニオン’、チョウジソウを使って、夏のご挨拶のブーケを制作しました。淡紫のリシアンサスは‘NFラベンダー’。ほかにクレマチス‘スイングブルー’、スターチス‘アイスブルー’と、いずれも花名からして涼しげな印象。ヨウシュヤマゴボウをあしらってナチュラル感たっぷりに仕上げました。
藤野幸信/Yukinobu Fujino広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「フルール トレモロ」オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。著書『大切な人への贈り花』も好評。 https://www.fleurs-tremolo.com @fleurstremolo
信州から届く涼しげな草花は夏の贈り物にぴったり!
暑い盛りを迎えていますが、こんな時こそ、残暑お見舞いや夏のアニバーサリーに涼しげな贈り花はいかがでしょうか?そうお考えになるお客様も多く、夏の間も贈り花のオーダーをよくいただいております。少しでも涼しさを感じていただけるように、また元気がわくようにと花を選ぶのですが、そんな時に頼りになるのが、長野県上伊那郡の花農家「信州片桐花卉園」さんです。今回は信州の地でのびのびと育つナチュラルで少し珍しい草花を紹介します。
「信州片桐花卉園」といえば、アルストロメリアの栽培で全国に知られる存在で、私も花屋を始めた当初から、「信州片桐花卉園」のクオリティの高いアルストロメリアを利用させてもらっていました。アルストロメリアはいくつもの広いハウスで栽培されますが、じつは「信州片桐花卉園」には屋外にも広い圃場(ほじょう)が何カ所もあり、そこではほかの花農家からの出荷が少ない、珍しい種類の草花もたくさん栽培されています。この時期にちょうど出回るラペイロージアもその一つ。ラペイロージアは南アフリカ原産の球根植物で、切り花で出回るのは淡い青紫の花をつける種類です。見るからに涼しげなその花色は、夏の贈り花に欠かせない存在で、市場に出ると必ず取り寄せています。

ラペイロージアはアヤメ科の球根植物。小さな花がまばらにつくさまがとてもナチュラルで、贈り花では花と花の間を埋める、ちょうどカスミソウのような使い方ができます。長さも十分あり、ブーケにもアレンジにも利用できます。
夏〜初秋に入手できる「信州片桐花卉園」の花でもう一つ、とても重宝するのがチョウジソウです。初夏のごく短い期間には水色の花付きでも出回りますが、しゅっと細い葉は優しくナチュラルな雰囲気で、どんな花とも合わせやすいのが魅力です。出荷の時期によって、フレッシュな緑色、やや黄色みを帯びた緑色、と葉色が異なり、贈り花に合う葉色を選ぶこともできます。
「信州片桐花卉園」さんには、ほかにも魅力的で使い勝手のよい葉ものが多くあり、花関係者の間では、名前をもじって「カタギリーフ」と呼ばれ、高い評価を得ています。
さて、昨年の8月中旬に、初めて「信州片桐花卉園」を訪ねる機会がありました。花屋スタッフに花の生産現場をもっと知ってもらい、花の性質を生かした作品作りの手助けをする機会にと、SNSで繋がった花農家と花屋が企画した「第1回花屋会議カップ」が「信州片桐花卉園」を舞台に開催されました。その企画から携わった私は、光栄にも審査員として招待され、ハウスや屋外の広い圃場を案内してもらいました。
いつもは切り花でしか見ていなかった草花が、地面から育つ力強さは感激もので、新鮮な気持ちでそれらの草花の魅力を再認識できました。若手の花屋スタッフが参加し、圃場で摘み取った花をその場で作品に仕上げて出来を競ってもらいましたが、どの作品も個性豊かですばらしく、評価にとても悩むほどでした。実際に圃場で生育する花を見るのは、より花を深く知ることができる貴重な経験です。今後もそんな機会が続くようにと、次回の開催をみんなで誓いました。その様子もこのあと写真で紹介しますので、ぜひご覧ください。
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沖縄から名古屋のお友達へ、誕生日の贈り花を承りました。ブルーがお好きと伺い、「信州片桐花卉園」のラペイロージア、アジサイ‘アンティークブルー’、染めのセンニチコウと真夏のブルーを集めてアレンジに。ほかにスターチス、ダスティーミラーなどを使用。一目見ただけで、クールな気分になれる贈り花です。
「信州片桐花卉園」のアルストロメリア‘キャニオン’、ラペイロージア、チョウジソウを使ったブーケです。‘キャニオン’のニュアンスカラーに合わせて、バラの‘ビーハイブ’と‘ジェラート’を加えてボリュームアップ。季節感を感じさせるハス(茶碗蓮)も加え、ヨウシュヤマゴボウとフランボワーズをたっぷり添えてエレガントな雰囲気のブーケに仕上げました。軽やかに散らしたラペイロージアのおかげで涼しげな印象に。有名ジュエリーブランドからお客様へ、お祝いの贈り花です。
「信州片桐花卉園」を代表する花、アルストロメリアには、こんなニュアンカラーもあります。左の淡いアプリコット色が‘キャニオン’、右の淡いサクラ色が‘スマトラ’。鮮やかな花色が多いアルストロメリアですが、ニュアンスカラーが欲しいという花屋の要望を片桐さんはよく分かってくださっています。本当にありがたい!
ご主人から奥様へ、バースデーの贈り花です。アルストロメリアの‘キャニオン’と‘スマトラ’に、同じ色合いのバラ‘ジリアン’と‘デザート’を合わせ、濃い花色のケイトウ‘アスカセレクト サーモンピンク’をアクセントに加え、エレガントな雰囲気のアレンジに。マウンテンミントやロシアンオリーブ、ヨウシュヤマゴボウなどの浅い緑色をたっぷり加え、涼しさを感じられるよう工夫しました。
「信州片桐花卉園」のアルストロメリアの中で、ぜひ真夏に使いたいのが鮮烈な赤の‘アヤックス’です。くすみがなく、個人的にはアルストロメリアの赤花のうちでも一番美しいと感じています。赤バラの‘ブリランテ’、‘レッドジュエル’と合わせてボール状のブーケにしました。お母様の古希(70歳)のお祝いに、高級感ある贈り花です。
アルストロメリア‘アヤックス’は、鮮やかな赤の花弁に白が少し入るのが特徴。光の具合で、それが照りにも見え、輝いているような印象を受けます。夏バテ気味の心も、この赤を見れば元気回復しそうです。
八重咲きで花が大きなアルストロメリアの‘クルサ’。一般的なアルストロメリアは1本の茎に複数の花をつけますが、この種類は1茎1花。まるでユリのような存在感に初めてみた時は驚きました。蕾の時の白と緑が混じる色も涼しげで、とてもエレガントな雰囲気です。