[現地特別取材]2026ミラノデザインウィーク探訪 海外インテリアの新潮流を訪ねて 世界のインテリアの潮流を決するといわれる「ミラノデザインウィーク」。ミラノサローネ国際家具見本市とミラノ市内のデザインイベント「フォーリサローネ」の2つを総称して呼ばれる世界最高峰のデザインの祭典です。真のデザインとは消費されるものではなく、長く愛され受け継がれるべきもの──そんなメッセージを色濃く感じとれる場となった今回、次代へ手渡す美のかたちを求めて、本物回帰へと向かう新たな潮流を探訪しました。
B&B ITALIA
60周年の伝統と挑戦する勇気が育む未来
創業60周年を迎えたB&B Italia。ドゥリーニ通りのストアでは、ブランド名とかけて『Before&Beyond』と題したインスタレーションを開催。ジャンルイジ・リクペラーティがキュレーションを手がけ、フォルマファンタズマがコンセプトを担当。ブランドの歴史を物語るアーカイヴや、過去の名作から今年の新作までを大胆なヴィジュアルで表現した展示を通して、B&B Italia の歩みと未来へのビジョンを力強く提示しました。
まるで立体的な雑誌の中に入り込んだようなショールームでの『Before&Beyond』展。力強いヴィジュアルとともに、ブランドの歩みを振り返る。
これまでと異なり、新作家具はミラノサローネ本会場のみでの発表に。「かつての偉大なデザイナーたちの作品を守るだけではなく、彼らがそうであったように、私たちも勇敢で革新的であり続けなければなりません」と語るのは、その手腕を買われ、グループ全体の経営戦略に強い影響力をもつエグゼクティブ・チェアマンとして復帰したピエロ・ガンディーニ。
「デザインカンパニーの挑戦は、文化的アヴァンギャルドであること」
──ピエロ・ガンディーニ(エグゼクティブ・チェアマン)
Piero Gandini
ピエロ・ガンディーニFlos B&B Italia グループのエグゼクティブ・チェアマン。創業直後に父が経営を担った照明ブランド、フロスでは多数のデザイナーを見出しブランドを牽引。一時経営を離れるが2025 年現職に復帰。
「新しい椅子や服、車が常に必要なのかと問われれば、必ずしもそうではないでしょう。しかし、私たちがこの椅子に座り、このジャケットを着ているのには、文化的、社会的、あるいは情緒的な理由があります。
ミラノサローネ見本市会場のブースにて。
単なる消費ではなく、その理由を形にすること。デザインを通じて新しい言語を探索し、共に生きる方法を共有することこそが、私たちの使命なのです」。
25年ぶりのフィエラ会場で意欲的な新作を披露

2019年にグループ企業で合同出展したことを除き、本会場での単独ブース出展は25年ぶり。フォルマファンタズマデザインによる、大理石の壁や自然素材のラグで構成したミニマルで建築的な空間が、プロダクトの存在感を引き立てていました。
Vincent Van Duysen
[Moor]2026

ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンによるラタン製のシェーズロング「Moor」。
Michael Anastassiades
[Metric]2026

オーク材を極限まで細くしたマイケル・アナスタシアデスの「Metric」。
Richard Sapper
[Nena]1984/2026

リチャード・サッパーが80年代に手がけた「Nena」を復刻。
Ronan Bouroullec
[Abaco]2026

脚の構造そのものが意匠になったロナン・ブルレックの「Abaco」コレクション。
Antonio Citterio
[Alvar]2026

アントニオ・チッテリオのアームチェア「Alvar」。
Luigi Caccia Dominioni
[Catilina( Special edition) 1958/2026

B&B Italiaグループ傘下のブランド、アズチェナ。ルイジ・カッチャ・ドミニオーニの「Catilina」にクローム仕上げが登場。
2つの展示からも、守るだけでなく攻めの姿勢で、工業製品を超え、イタリアのデザイン文化を築いていくのだという、彼の強い意志が感じられました。
B&B Italia
https://bebitalia.co.jp・
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