連載「12か月のフラワーリース」 世田谷区にアトリエを構える「宙花(そらはな)」のフローリスト戸部秀介さんが作る、季節のフラワーリースを毎月紹介します。空間を華やかに彩ってくれるフラワーリースと共に、花のある暮らしを始めましょう。
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多彩な表情を楽しめる、モダンかつエレガントな秋のマム
秋真っ盛りを感じさせる色とりどりのマムが主役

秋の深まりを感じさせる、マムのリース。
戸部秀介/Shusuke Tobe35歳の時にフローリストへと転身。大手生花店、フランス人フラワーデザイナーの店で経験を積み、2016年に東京都世田谷区の中町に「宙花〜sora hana~」をオープン。リースを得意とし、ワークショップにも力を注ぐ。インスタグラム@sorahana.jp
10月は、マム(菊)がもっとも美しく咲き誇る季節。伝統的に「和」の花のイメージがあるマムですが、近年は海外で改良された品種も多く、咲き方や色合いは実に多彩です。
「昔から日本では、マムというと葬儀の花という印象が強くありましたが、今はいろいろな種類のマムが登場し、祝い花やリースなどでも使われています。種類や咲き方によっては、バラやカーネーションのような華やかさとエレガンスさを持ち合わせ、とても美しい。今回は、マムの魅力をもっと伝えたくて、すべてマムで統一しました」と戸部さん。
今回使用したのは、‘デセオ’、‘デセオ’(スプレーマム)、‘シャンパンピンク’、‘シャボン’、‘ブラーノ’、‘セイブルノパープル’、‘ドリア’の7種。ふんわりと可憐なものから華やかな咲き姿まで、バリエーション豊かなマムを美しく集め、秋の深まりと華やぎを同時に感じさせるリースに仕上がりました。
メインカラーのピンクは、戸部さん自身が昔からこよなく愛している色なのだそう。
ピンクのマムを美しく組み合わせる。
「学生の頃からピンクが好きでした。たとえばファッションであれば、ブラックやグレーの中にピンクを差し色としたコーディネートをよく楽しんでいましたね。ピンクは可愛い色でもありますが、使い方や色の種類によっては、エレガントで大人な表情にもなる。そんな表現の幅広さが好きな理由のひとつです」(戸部さん)
大人っぽい落ち着いた色合いを意識して花材を選んだそう。黄色やオレンジをあえて避けることで、シックで洗練された雰囲気にまとめています。
リース作りで重視したのは「丸く美しい輪」。花そのものの存在感を際立たせ、葉ものは全体のバランスを整える程度に控えめにあしらっています。
「大人可愛いエレガンス」を纏ったマムのリースは、玄関やリビングを上品に彩りながら、秋の到来を心豊かに告げてくれるでしょう。
使用花材 
マム‘デセオ’。やわらかな花弁が幾重にも重なり、ニュアンスのある色合いが、リース全体を穏やかにまとめてくれます。

マム‘シャンパンピンク’。淡いシャンパンカラーにピンクを帯びた柔らかな花色。ニュアンスのある発色が、全体に上品さと明るさをプラス。

マム‘シャボン’。丸みを帯びた可愛らしい咲き姿で、リース全体に可憐さを添えます。

マム‘セイブルノパープル’。シックなパープル系で、落ち着いた秋のトーンを響かせ、リース全体を大人っぽく仕上げます。

マム’デセオ’(スプレーマム)。枝先に小輪の花がいくつも咲き広がり、リースに軽やかさを添えています。

マム‘ドリア’。伝統的な「菊らしさ」を残す品種。堂々とした咲き姿でリース全体の表情を豊かに。

葉‘ベニス’。シックな大人の雰囲気を漂わせるダークレッドの葉が特長。色とりどりのピンクの中に落ち着きを与えてくれます。
Variations
マム‘カラフリア’、‘バルティカサーモン’、‘ピップサーモン’、‘ロイヤル’、スプレーマム ‘セイオペラベージュ’、 ‘ヌーボ’、 テマリシモツケ‘ディアボロ’、アイビー‘スタンカーマイン’、リシアンサス‘アンバーダブルショコラ’
「赤や黄色、オレンジへと移り変わる紅葉のグラデーションを表現しました。季節のうつろいと美しさを感じていただきたくて」と戸部さん。6種類のマムを使用しつつ、和の趣が強くなりすぎないように、深いショコラブラウンのリシアンサスやアンティークカラーのアイビーをプラス。秋らしい落ち着きと上品さ、モダンな表情の秋の深まりを印象付けるリースです。
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