
〔連載〕有田焼で魅せる 素敵なテーブルコーディネートのためのテクニック お気に入りの器を持っていても、それだけでは完成しないのがテーブルコーディネート。色の合わせ方、素材の選び方、テーブルクロスの使い方……。食空間プロデューサー/テーブルスタイリストの山野舞由未(やまの・まゆみ)さんに、有田焼との組み合わせを基本に、今日から役立つ素敵なテクニックを教わります。前回の記事はこちら→
私が著書『名窯を巡る、季節を飾る 有田焼で楽しむテーブルコーディネート』で挑戦したかったことの一つが、フランス式のテーブルセオリーでのセッティングや、イギリスのアフタヌーンティーのセッティングを「有田焼」で表現することでした。
各窯元様の全面協力のもと、それが実現できて気付いづいたのは「セオリー、つまりスタイルが洋であれば有田焼も洋食器に見える」ということです。これは取りも直さず、有田焼は設え方次第でフランス風にも、イギリス風にもモダンにもなる……という発見でした。この法則は他の和食器にもいえることだと思います。
本連載は今回が最終回。最後に皆さまにぜひ知っていただきたいこと──有田焼は洋食器と合わせると輝きを増すポテンシャルを持っていること、さらに新しい世界観を作れるものであることを実例とともにご紹介します。

深川製磁のチャイナ・オン・ザ・パーク「敏子メモリアルガーデン」の桜の木の下で実現した朝食のシーン。朝のおもてなしはあまり日常的ではありませんが、晴れた日曜日、朝ごはんのために早起きするのもいいものですよ。

洋食器の形は意外にバリエーションが少なく円形がほとんどです。それに比べて和食器は器の形そして大きさが多種多様にあります。写真のように器の形が鮑形だったり縁が花型だったり。それが洋食器との違いであり、有田焼の楽しいところでしょう。

キャンドルスタンドは高さがあり、テーブルのアクセントになると同時に、「どうぞ日が暮れるまでゆっくりお過ごしください」とゲストへメッセージを伝えるアイテムでもあります。でもセッティングしていいのはディナーだけ。他のシーンでは使わないように。

英国式の紅茶教室を主宰している私は、今回、明治時代の古陶磁を使って同時代の洋館でアフタヌーンティーテーブルを設えることができ、格別に気持ちが高揚しました。当時からイギリスでは、女性たちはお茶を飲みながら噂話に花を咲かせていたとか。明治時代、どんな人が何をお喋りしながらこのティーセットを使っていたのでしょうね。
山野舞由未(やまの・まゆみ)

『名窯を巡る、季節を飾る 有田焼で楽しむテーブルコーディネート』
山野舞由未 著
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※この記事は、山野舞由未著『名窯を巡る、季節を飾る 有田焼で楽しむテーブルコーディネート』を再構成しています。
撮影/松隈直樹 大見謝星斗(人物)