連載「12か月のフラワーリース」 世田谷区にアトリエを構える「宙花(そらはな)」のフローリスト戸部秀介さんが作る、季節のフラワーリースを毎月紹介します。空間を華やかに彩ってくれるフラワーリースと共に、花のある暮らしを始めましょう。
連載一覧はこちら>>
8月の生花を楽しむリース「夏の花」

解放的でエネルギッシュな夏をイメージした、ワイルドなリース。
戸部秀介/Shusuke Tobe35歳の時にフローリストへと転身。大手生花店、フランス人フラワーデザイナーの店で経験を積み、2016年に東京都世田谷区の中町に「宙花〜sora hana~」をオープン。リースを得意とし、ワークショップにも力を注ぐ。インスタグラム@sorahana.jp
情熱と気品あふれる「夏の花」のリース
今月のリース「夏の花」は、“おとなの真夏の夜”をイメージしてつくられたという戸部さん。
「春夏秋冬の中で、あらゆるものにおいて楽しみ方が豊富なのが“夏”だと考えています。海、山、花火、スポーツ、バーベキューなど、選択肢が多いですよね。そんな多彩さを表現しました」。
色彩を最優先に花材をセレクト。「例えば、アンスリュームであれば、わりとよく用いられる赤などの強い原色系ではなく、淡い色のモナリザを使用。アンスリュームは形状的にもトロピカルな雰囲気が漂い、夏らしさを出せますが、華やかさのなかにも落ち着きを感じさせたくて、淡い色を選択しました」。
白をとり入れすぎると初夏のイメージになるため、真夏らしさに近づけるために全体のカラーバランスも調整。
次に優先したのはシェイプだと言います。
「太陽の光が燦燦と降り注いでいたり、汗だくになって働いたり、スポーツをしたりと、夏は特にアクティブな印象があります。そこで、つぼみで使用することが多いセダムはあえて満開の状態で使ったり、あえて小花を少し飛び出させたりして躍動感を出しました」。
カラーはビビッドとパステルの濃淡をつけ、シェイプは個性的な花を豊富に使用し、花火に海に山にとワクワク感あふれる夏の楽しさが表現された今月の「夏の花」。
「このリースを眺めながら、夏を乗り切るテンション、高揚感を抱いてもらえたら嬉しいですね。夏を感じて、夏を楽しんでください」。
使用花材
ダリア‘海王星’。一輪でも主役になれる華やかさと妖艶さがありながら、‘海王星’は小輪で可愛らしさが魅力。濃淡の2色のピンクは他の花にもなじみやすい。

アンスリューム‘モナリザ’。トロピカルなイメージのアンスリュームも、淡い色のモナリザを選べばシックな印象に。

クルクマ‘パルビフローラ’。ショウガ科クルクマ属の球根植物で東南アジア原産。小ぶりでありながらエキゾチックな雰囲気が魅力です。

セルリア‘ブラッシングブライドピンク’。ブラッシングブライドは「頬を染める花嫁」という意味でウエディングシーンでも頻繁に登場。尖ったような総苞(ほうそう)の形状が猛暑の季節感を醸し出してくれます。

オーニソガラム‛サンデルシー‘。白い小花と小花の間からのぞく緑のつぼみが清楚で清涼感が漂います。

エンシクリア‛レインボーピンク‘。淡いピンクが美しい小ぶりな洋ラン。さりげなく上品な雰囲気や高級感を出したいときに。

セダム‘イエロースター’。星のような形状の花が特長で、弁慶草とも呼ばれています。つぼみの状態で使われることが多い花ですが、満開時は花火のようなエネルギッシュな印象に。
『幸せを運ぶ フラワーリース カレンダー2026』9月初旬、全国書店にて発売

『幸せを運ぶ フラワーリース カレンダー2026』A4変形 1200円
「宙花〜sora hana~」戸部秀介さんが手がけた生花のフラワーリースをビジュアルに取り入れた壁掛け式カレンダーが9月初旬に全国書店で発売します。ヨーロッパで幸運のお守りとして親しまれている「リース」モチーフを、お部屋に気軽に飾ることができる一冊。ぜひご注目ください。
Amazon.co.jpでのご購入はこちら→